乾電池を1.3倍長持ちさせる昇圧DC/DCコンバータ「BU33UV7NUX」を開発

業界最小クラス※の低消費電流で、リモコンの電池長持ちを実現(※2017年12月26日現在 ローム調べ)


<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、電子辞書や家電のリモコン、ガジェット(おもちゃ、アクセサリ)など、乾電池で動作する電子機器向けに、業界最小クラスの低消費電流を実現したMOSFET内蔵昇圧DC/DCコンバータ*1)「BU33UV7NUX」を開発しました。
「BU33UV7NUX」は、乾電池1~2本の入力電圧(1V~3V)に対し、マイコンの駆動に必要な3.3Vを出力する昇圧タイプの電源ICです。乾電池アプリケーションの長時間動作に向けて低消費電流化を突き詰めたことで、機能同等品で業界最小クラスとなる消費電流7µAを実現しており、アルカリ乾電池2本で駆動するリモコンの待機時(負荷電流50μA)を想定したときに、一般品と比較して最大で175日(540日から715日に)も長持ちさせることが可能になります(ローム調べ)。また、同じリモコンでも液晶パネルなどを採用した高機能品にも対応できるよう、負荷電流モード切り替え機能を搭載しており、標準品から高機能品まで幅広い乾電池アプリケーションに対して省エネ性能を発揮可能です。
なお、本製品は、2017年12月より月産100万個の体制で量産(サンプル価格 500円/個:税抜)を開始しています。生産拠点は、前工程がローム株式会社本社(京都市)、後工程はROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)になります。加えて、本製品の評価ボード「BU33UV7NUX-EVK-101」も2017年12月からチップワンストップ、ザイコストア(コアスタッフ)、アールエスコンポーネンツにて、インターネット販売を開始しています。
ロームは今後もアナログ技術を駆使した高性能・高信頼製品を開発し、社会の省エネに貢献していきます。

<背景>
近年、スマートフォンやウェアラブル機器を始めとしたモバイル機器において、リチウムイオン電池(LiB)など充電可能な2次電池の採用が進んでいます。一方、電子辞書や家電のリモコン、ガジェットの電子機器においては、アプリケーションの多様化と海外市場の拡大に伴い、乾電池の採用がこれまで以上に進んでおり、それらアプリケーションの高機能化によって搭載される電源ICの省エネ性能もますます求められるようになってきています。
ロームは、長年培ってきたアナログ回路技術やパワー系プロセスを駆使することで、市場ニーズに応える多くの電源ICを開発しています。今回はそれらの技術を駆使して、今の乾電池搭載機器に必要な電源ICを開発しました。



<特長の詳細>
1.低消費電流、低電圧駆動で乾電池の長持ちに貢献
乾電池アプリケーションの長時間動作を実現するため、ロームのアナログ設計技術とパワー系プロセスを駆使して低消費電流化を突き詰めたことで、機能同等品で業界最小クラスとなる消費電流7µAを実現しました。これにより、アルカリ乾電池2本で駆動するリモコンの待機時(負荷電流50µA)を想定したときに、一般品と比較して約1.3倍(最大で175日も)長持ちさせることが可能になります(ローム調べ)。また、0.9Vの低い入力電圧から電源ICが駆動できるようになっており、ボタン型リチウム電池はもちろん乾電池1本を使用するアプリケーションにも対応します。さらに、電池の液漏れ検出機能も搭載しているため、総じて乾電池アプリケーションに最適な電源ICになっています。

2.負荷電流モード切り替えで豊富なアプリケーションに高効率対応
例えば、同じリモコンでも液晶パネルなどを採用した高機能品にも対応できるよう、負荷電流モード切り替え機能を搭載しており、MODE端子を切り替えるだけで、標準品から高機能品まで幅広い乾電池アプリケーションに対して省エネ性能を発揮することが可能です。
標準品に対してはローパワーモード(最大負荷電流50mA、消費電流7µA、PFM*2)制御)を、高機能品に対してはハイパワーモード(最大負荷電流500mA、消費電流13µA、PFM / PWM*2)自動切換え制御)を採用することで、幅広い条件下で最大94%の高効率電力変換を実現可能です。


<アプリケーション例>
・電子辞書 ・リモコン ・ガジェット(おもちゃ、アクセサリ)
・ウェアラブル機器 ・電動歯ブラシ
など、乾電池1・2本(1~3V)、ボタン型リチウム電池で動作するアプリケーション全般


<その他の製品仕様>



<評価ボード情報>
販売開始時期 2017年12月から
販売ネット商社 チップワンストップ、ザイコストア、アールエスコンポーネンツ
評価ボード品番 BU33UV7NUX-EVK-101
サポートページ
http://www.rohm.co.jp/web/japan/news-detail?news-title=2017-12-26_ad_boost&defaultGroupId=false


<用語説明>
*1) DC/DCコンバータ
電源ICの一種で直流(DC)から直流へ電圧を変換する。一般的に電圧を下げる降圧、電圧を上げる昇圧が存在する。
*2) PFM(Pulse Frequency Modulation / パルス周波数変調)、PWM(Pulse Width Modulation / パルス幅変調)
PFMは電圧制御方法の一つで、軽負荷時のスイッチング損失軽減に特長がある。PWMも電圧制御方法の一つで、周波数が一定で、発生するノイズを予測しやすいため、ノイズに対してフィルタをかけるなどの対策が立てやすい。

ロームは、1958年(昭和33年)設立の半導体・電子部品メーカーです。自動車・産業機器のほか、民生・通信など多様な市場に対し、品質と信頼性に優れたLSIやディスクリート、電子部品を供給するとともに、システム全体を最適化するソリューション提案を行っています。

本件に関するお問合わせ先
<この件に関するお問合せ先>
ローム株式会社 メディア企画部 広報課
〒615-8585 京都市右京区西院溝崎町21
TEL(075)311-2121、FAX(075)311-1317

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この企業の情報

組織名
ローム株式会社
ホームページ
https://www.rohm.co.jp/
代表者
松本 功
資本金
86,969,000,000 万円
上場
(旧)東証1部
所在地
〒615-8585 京都府京都市右京区西院溝崎町21
連絡先
075-311-2121

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