成城大学(東京都世田谷区 学長:戸部 順一)は、成城学園創立100周年と成城大学共通教育研究センター開設10周年を記念し、教育センターの教員がコーディネートした公開講演シリーズの第4回 「メディア報道を読み解く技法」を2017年7月15日(土)に開催する。
【講演シリーズ開催のねらい】
近年、教育の質保証のあり方として、アクティブ・ラーニング、 反転授業といった方法が脚光をあびていますが、ややもすれば授業の進め方という形式的、表面的な改善に流れてしまうきらいがあるのではないだろうか。
こうした問題を念頭に「いま、教養教育を問う」を統一テーマとして、教養教育に関わってきた気鋭の研究者に、自身の教育実践と教養教育への考えを講演していただくことで、近年の教養教育のあり方を問うさまざまな議論に一石を投じる講演シリーズを企画した。
第4回目では、ニュース報道の分析を通して日本のメディアが抱える問題を批判的に検討してきた伊藤守氏を迎える。
本講演では、日常生活に深く浸透しているメディア報道が私たちのものの見方や価値観を作り出すメカニズムに着目することによって、学問知が大学を越えて市民のクリティカルな教養へと繋がっていくことの大切さをお話しいただく。
本講演は、メディア報道に対峙する「アクティヴ・オーディエンス」へと踏み出すための絶好の機会となるだろう。
≪開催概要≫
【タイトル】 「メディア報道を読み解く技法」
【日 時】 2017年7月15日(土)15:30~17:30
【場 所】 成城大学 3号館 311教室
【講 演】 伊藤 守(早稲田大学教授)
【討論者】 山本 敦久(成城大学准教授)
【司 会】 東谷 護(成城大学教授)
【参加費】 無料
【問い合わせ先】
成城大学共通教育研究センター
TEL: 03-3482-9556
登壇者の紹介
◆伊藤 守 (いとう まもる)
1954年山形県生まれ。法政大学大学院社会科学研究科博士課程満期退学。
現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授、早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所所長、カルチュラル・スタディーズ学会会長。専攻は社会学、メディア・スタディーズ。
メディア・スタディーズの視座や理論を大学の授業にとどまらず、広く市民へと開くための活動を継続している。早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所では、アカデミックと市民を繋ぐためのさまざまな言葉、イメージ、実践を展開する場を作りながら、新しい/オルタナティヴなメディア公共圏を創出するための研究を行っている。近年は、「情動」をテーマにして、日本のメディア報道のあり方を批判的に分析するための理論を構築している。また、福島原発事故の報道を事例にして、メディアと視聴者の間にある権力関係とイデオロギーを明らかにし、メディア権力と対峙するための理論や実践が、市民や視聴者の日常的な空間における教養や技法になることを目指している。
著書に、『情動の権力―メディアと共振する身体』(せりか書房、2013)、『テレビは原発事故をどう伝えたのか』(平凡社新書、2012)、『記憶・暴力・システム―メディア文化の政治学』(法政 大学出版局、2005)、『よくわかるメディア・スタディーズ』(編著、ミネルヴァ書房、2015)、『ニュース空間の社会学―不安と危機をめぐる現代メディア論』(編著、世界思想社、2015)ほか多数。
討論者
◆山本 敦久(やまもと あつひさ)
1973年長野県生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程満期退学。現在、成城大学社会イノベーション学部准教授。専攻はスポーツ社会学、カルチュラル・スタディーズ。
著書に、『身体と教養−身体と向き合うアクティブ・ラーニングの探求』(編著、ナカニシヤ出版、2016)、『スポーツ観戦学―熱狂のステージの構造と意味』(共著、世界思想社、2010),『「ハーフ」とは誰か―人種混淆・メディア表象・交渉実践』(共著、青弓社、2014)など。
司会・シリーズコーディネーター
◆東谷 護(とうや まもる)
1965年神奈川県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、成城大学文芸学部教授。専攻は音楽学、戦後日本文化史、表象文化論。
著書に、『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く』(勁草書房、2016)、『進駐軍クラブから歌謡曲へ』(みすず書房、2005)など。
<「いま、教養教育を問う」今後の公開講演>
◆第5回:2017年10月7日(土) 「科学リテラシーはどこまで必要か」
標葉 靖子(東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 特任講師)
※日程、登壇者、講演内容は変更になることがあります。
【リリース発信元】 大学プレスセンター
http://www.u-presscenter.jp/