SAS(R)、銀行史上最大の会計基準変更となる現在予想信用損失(CECL)対応に取り組む金融機関を支援

~SAS、CECL要件の対応に特化した新しい「SAS(R) Expected Credit Loss」アドオン・ソリューションを発表~

*2017年4月3日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリースの抄訳です。

米国オーランド「SAS Global Forum」発
「現在予想信用損失」(CECL)として知られる米国の最新会計基準アップデート(ASU)に対して金融専門家と業界団体はこぞって「銀行史上最大の会計基準変更」と呼んでいます。この新しい基準への適合期限は2020年ですが、その影響の大きさから、早急な準備と計画が求められています。

アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)はCECL要件への企業の取り組みを支援するために、2016年11月に発表したリスク管理基盤ソリューションである「SAS(R) Expected Credit Loss」のアドオン・ソリューションとして「SAS(R) Regulatory Content for CECL」を発表しました(*)。

SAS Regulatory Content for CECLは、データ・ツール、モデルおよびレポート・テンプレート、CECL要件への順守を促進させるCECLワークフローを搭載しています。導入を簡素化してCECL対応プロセスを事前に確立することで、銀行はコア・ビジネスの課題に注力できます。

CECLはすべての金融業者に影響を及ぼし、予想信用損失に対する説明責任の取り方を根本から変えるものとなります。これまでの発生ベースの損失モデルでは、特定の信用基準を下回ると、銀行は非常に簡単な分析モデルを使用して減損を見積もり、損失を計上するだけでした。しかしこれからは詳細な履歴情報、現況、裏付けのある見通しを盛り込み、貸付の全期間にわたって予想損失を計算し、貸付の当初から予想損失を計上しなければなりません。

SASのCECL/IFRS 9アメリカ地域担当責任者のローラント・ビレイド(Laurent Birade)は、「将来予想の損失モデルを作ること自体は何も新しいことではありません。何が新しくなるかというと、財務報告の内部統制に求められる厳格さで、より頻繁にこうしたモデルを実行しなければならないことです。監査人をはじめ外部の規制当局による審査が厳しくなるため、損失準備金の設定において銀行が示さなければならない裏付けのハードルが引き上げられることが予想されます」と述べています。

2020年はまだ先のように思えるかもしれませんが、監査人と規制当局の要求に応えることはそう簡単ではなく、またリソースの少ない中で持続可能なソリューションを実装することも簡単ではありません。

Regions Bankのシニア・バイスプレジデント兼会計検査官のチャド・フーシー(Chad Fooshee)氏は、「日常業務をこなしながらCECL対策にも時間を割ける人員をまず確保しなければなりません。つまり、持続的収益性を維持しながら、質の高いコーポレート・ガバナンスと優れた内部統制インフラの基準に到達しなければなりません。これをどのように実現させるかのイメージは持っています。以前は、2020年第1四半期のCECL導入の前年にこれらを並行して進めれば大丈夫だと思っていました。しかし、現在ではそれよりも早い時期に並行してプロセスを改善し、すべての統制を整備する必要があると実感しています」と述べています。

SAS Regulatory Content for CECLは、新しいCECL基準に沿った計算量と計算速度の問題を解決し、同時にCECLの導入と実施に伴うリスクを低減します。そして持続可能なCECL順守システムの導入を加速させ、さまざまな部門のユーザーが協力し合える統制の取れたフレームワークを提供します。SAS Regulatory Content for CECLの主な特徴は以下の通りです。

<モデル開発を促進させるモデル・テンプレートを用意>
・多様な業界標準モデルのテンプレート・セットを用意して、すべてのポートフォリオにわたって全期間の予想信用損失の計算を容易にします。

・入力データ・モデルが予想信用損失の計算と財務状況の開示報告をサポートします。

<迅速な設計と報告を可能にするセルフサービス型のレポート・テンプレートとビジュアライゼーション>
・インタラクティブなインターフェースにより、その場で結果を集計または深堀りして、損失の決定要因を把握し、財務への影響を評価することができます。

・セルフサービス型テンプレートにより、ディスクロージャーと元帳への記帳を自動化して、説明責任を強化することができます。

・組込みワークシートが予想信用損失の計算と企業内の他の財務データとを結合します。

<統制の強化、コラボレーションの改善、透明性の確保を実現する統合ワークフロー>
・プロジェクト管理ダッシュボードがCECLの月次報告と関連ワークフローをモニタリングします。

・会計規則とデータ・フローをカスタマイズし、リスクと財務に関連するすべてのプロセスの同期を取ることができるため、監査可能性、透明性、再現性が向上します。

・SASスクリプトの追加により柔軟性が増し、広範なCECLプロセスをシームレスに統合することができます。

リスクと財務のワークフローの統合性を高めるためには、タスク管理とコミュニケーションをこれまで以上に一元化して自動化する必要があります。これを実現できないと、限られた期間内での財務報告に対して期待レベルの統制を維持するのに苦労することになります。

米国の大手金融機関BB&T(Branch Banking and Trust Company、本社:ノースカロライナ州ウィンストン・セーラム市)のACL&取得貸付担当マネージャーのクリステン・ホール(Christen Hall)氏は、「CECLは会計基準の一大変更で、コミュニケーションが何よりも重要となります。そのため当行では、CECLとは何か、どんな要件があるのか、これまでと何が違うのかをすべての関係者を交えて話し合い、学べるようにしています。CECLに関する重要な意思決定に関わるすべての当行職員から、個々の事業部門に至るまで教育しています」と述べています。

本発表は、3万人を超えるSASソフトウェアの法人ユーザーとITユーザーがオンサイトとオンラインで集結した世界最大のアナリティクス専門カンファレンス、SAS Global Forumにおいて行われました。

ホワイトペーパー『CECL: Don’t Neglect the Fundamentals』(CECL:その基礎を軽視するな)(英文資料)をご覧ください。
https://www.sas.com/en_us/whitepapers/cecl-dont-neglect-fundamentals-108735.html

(*) SAS Expected Credit Lossの詳細については、プレスリリース「SAS(R)、IFRS 9新会計基準対応に取り組む金融機関を支援」をご覧ください
https://www.sas.com/ja_jp/news/press-releases/2016/november/2016-11-17-ifrs-9-risk-management-jp.html

<SAS Institute Inc.について>
SASは、アナリティクスのリーディング・カンパニーです。SASは、革新的なアナリティクス、ビジネス・インテリジェンス、ならびにデータ・マネジメントに関するソフトウェアとサービスを通じて、83,000以上の顧客サイトに、より正確で迅速な意思決定を行う支援をしています。1976年の設立以来、「The Power to Know(R)(知る力)」を世界各地の顧客に提供し続けています。

*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。

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この企業の情報

組織名
SAS Institute Japan株式会社
ホームページ
http://www.sas.com/jp
代表者
手島 主税
資本金
10,000 万円
上場
非上場
所在地
〒106-6111 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー 11F
連絡先
03-6434-3000

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