業界初!データロガーに最適なLCDドライバ内蔵1チップマイコン「ML630Q464/466」を量産開始

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データ取得、液晶表示、PDF生成までをコイン電池1個で約1年間動作可能

<要旨>
ロームグループのラピスセミコンダクタは、荷物輸送時の環境情報を取得管理するデータロガーに最適な32ビットマイクロコントローラ「ML630Q464/466」の量産を開始しました。
本LSIは、データロガーに必要な主要機能(USB、高速動作用クロック発生機能、LCDドライバ、高精度RC発振型ADコンバータ)を内蔵し、温度・湿度・加速度などのデータ取得、データ表示、取得データのPDFファイル生成機能を業界で初めて1チップ化した製品です。
本LSIのCPUには32ビットCPUコアである「ARM Cortex M0+」を採用し、低消費電力と高性能を実現。ログデータを約4秒でストレスなくPDF変換でき、コイン電池1個で約380日※1の動作が可能です。
さらにラピスセミコンダクタが持つ独自のノイズ耐性技術を継承し、過酷な環境下での安定動作も実現します。
本LSIは、2016年12月より量産を開始しており、生産拠点は前工程がラピスセミコンダクタ宮城(宮城県)、後工程がROHM Integrated System(Thailand)Co., Ltd.(タイ)です。
ラピスセミコンダクタは、物流市場に最適な低消費電力と高性能を両立したマイコンを提供するとともに、IoTとの融合を視野に無線通信LSIとのベストソリューションで、お客様のニーズに応えてまいります。


<背景>
近年、食品や医薬品に対する“安心・安全”への要求は高まり、特に生鮮食品や医薬品などを生産・輸送・消費の過程の間で途切れることなく低温に保つ物流方式(コールドチェーン)の適用が拡大しています。このため物流業界では輸送中の温度・湿度・衝撃といった荷物品質へ影響を与える輸送環境管理が求められ、この管理手段となるデータロガーは今後も需要が年率10%以上の伸びを続けると予想されます。
データロガーは荷物の中に設置され、使い捨ての場合も多く、バッテリーの小型化・部品点数の削減による小型化・低コスト化が必要となります。また、コールドチェーンに対するFDA※2の法規制やGDP※3といったガイドラインの運用により、輸送中の荷物の状態を確実に記録することと、記録(ログデータ)の改ざんを防止する編集不可能なPDFファイルを出力する事が求められています。
これらの要求に応えるため、ラピスセミコンダクタが得意とする低消費電力、高ノイズ耐性に加え高性能を両立しUSBデータロガーの主要機能を1チップ化したPDFファイル生成が可能な「ML630Q464/466」を開発し量産を開始しました。


<新商品の特長>
1. USBデータロガーの主要機能を1チップ化し、主要部実装面積を約30%削減
本LSIは、USBデータロガーに必要な主要機能(USB、高速動作用クロック発生機能、LCDドライバ、高精度RC発振型ADコンバータ)を内蔵しました。高精度RC発振型ADコンバータを内蔵したことで、温度センサーやサーミスタと基準電圧発生回路等で構成する温度測定機能をサーミスタと抵抗・コンデンサのみで±0.5℃精度の温度測定が可能です。これにより、主要実装部面積を従来品から約30%削減することが可能です。
さらにCPUに「ARM Cortex M0+」を採用し、高性能化を図り、最適化したファイル生成プログラムをLSI内部に格納。A4サイズ縦方向1ページ2,500測定ポイントのPDFファイルが約4秒で生成可能となりました。また、AES機能と乱数発生器を内蔵し、お客様で開発したAES暗号化プログラムとの組み合わせることで、パスワード付きPDFファイルの生成も可能となります。

2. 低消費電力と高性能を両立し、コイン電池1個で380日の動作が可能
USBデータロガーの動作は、「数分~数十分間隔でセンサデータを読み込み記録」、「使用終了時にUSB接続時されPDFファイルを生成」の2つに大別されます。これ以外の大半の時間は休止状態のため、電池寿命への影響は休止時消費電流が支配的となります。
本LSIでは4つの低消費電力モードのサポートにより業界トップクラス※の休止時消費電流(0.8uA)を実現。これにより、一般的なデータロガーに使用されるマイコンに比べ、1/3の容量のコイン電池(CR2032)1個で約380日の動作可能となりました。

3.USBデータロガーリファレンスキットご提供により、お客様の開発加速に貢献
本LSIでのUSBデータロガー開発を「USBデータロガーリファレンスキット」でサポートします。このリファレンスキットには、部品リストや回路図等のハードウェア情報の他、PDFファイル生成ソフトウェアやUSBフラッシュメモリとして動作するための各種ソフトウェアソースコード、ドキュメント、パワーマネージメント方法、高精度RC発振型ADコンバータの使用方法といった本MCUの使用方法が簡単に理解可能なため、お客様での開発が容易となり開発の加速に貢献します。

4.タフマイコンシリーズで培った高ノイズ耐性を継承し、過酷な環境下での安定動作に貢献
荷物品質を証明する貴重なログデータを外部ノイズから守るために、ラピスセミコンダクタがもつ独自の低消費電力技術とノイズ耐性技術を融合した“ローパワー&タフ”を継承。国際電気標準会議(IEC)の規格IEC 61000-4-2※4に準拠した試験電圧レベル4(間接接触放電:±8kV)を越える測定機器限界の±30kVをクリアしています(ML630Q466リファレンスボードを使用して測定)。過酷な環境下での安定動作が可能です。


【用語説明】
※1 算出条件:コイン電池CR2032、センサデータ読込み間隔10分、液晶表示ありの場合
※2 FDA(Food and Drug Administration):米国食品医療局
米国で販売される食品、飲料、化粧品、薬剤、医療機器、放射線機器、獣医動物関係製品に関する規定等を制定
※3 GDP(Good Distribution Practice):医薬品の適正流通基準
医薬品の品質(有効性・安全性)を維持し続ける事を保証するための基準
※4 国際電気標準会議(IEC)の規格IEC 61000-4-2
静電気放電に対する電子機器の耐性評価に適用される規格

ロームグループのラピスセミコンダクタは、低消費電力技術、高周波回路技術、デジアナ混載技術、メモリ設計技術などを得意技術とし、これら技術でロジック、メモリ、表示ドライバといったLSI商品を創出しています。また、お客様が設計し当社の工場で製造するファンダリサービスも主軸の一つで、お客様の様々なご要求にお応えします。
「品質第一」を企業目的に掲げ、お客様のニーズを満足する商品を創出し、国内だけでなく世界規模でグローバル社会に貢献しています。

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この企業の情報

組織名
ローム株式会社
ホームページ
https://www.rohm.co.jp/
代表者
松本 功
資本金
86,969,000,000 万円
上場
(旧)東証1部
所在地
〒615-8585 京都府京都市右京区西院溝崎町21
連絡先
075-311-2121

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