アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)パリCOP21の目標達成には「森林の価値定義が不可欠」と提言

● 生態系の「自然資本(自然がもたらす恩恵)」の価値をどのように計測すべきかについて合意できれば、気候変動抑制のための資金調達と民間企業による取り組みが加速化するだろう
● 高炭素貯留アプローチ(High Carbon Stock Approach/HCSA)とは、自然資本としての炭素貯留量や森林の生物多様性を計測し、森林保護とCOP炭素排出削減目標および資金調達とを関連付け、欠けていた部分を補うことで投資を呼び込もうとする取り組みである

【2016年11月14日、マラケシュ】 - 「世界の熱帯雨林を保護すると共に温室効果ガスの排出を削減するには、自然がもたらす恩恵を査定する新たな取り組みが必要です。この取り組みを成功させることは、気候変動に関するパリ協定を具体的な対策へと進めていく上で重要な段階のひとつです。目標を達成するには、森林の価値を明確化することで気候変動対策の資金調達の機会を拡大すると同時に、算出された価値を炭素排出削減目標および気候変動対策資金調達目標の双方に関連付けていかなくてはなりません」

これは、アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(本社:インドネシア、会長:テグー・ガンダ・ウィジャヤ 以下、APP)の持続可能性担当役員であり、HCSA運営グループ共同議長でもあるアイダ・グリーンベリーが、モロッコの「気候変動枠組条約第22回締約国会議(以下、COP22)」に際して開催されたHCSA運営グループのイベントで行った提言です。  
                                                                           
HCSAとは、保護すべき森林地域と荒廃地とを識別することを目的とした自然景観地域の評価方法です。これは森林内に存在する炭素量と生物多様性を特定する際の共通基準となります。これによって、自然林景観地域を保護することで生み出される価値を算出することが可能となり、その結果、投資家は、気候変動抑制目標の達成に自分達がどれほど貢献しているのかを理解できるようになります。HCSAが急速に共通基準となりつつある今こそ、パリ協定の実現に向けてこのアプローチを採用すべきです。

現在、自然環境が済にもたらす恩恵は最低でも年間125兆ドル(*1) に相当し、行動しないことによる経済コストがCOP22の主要議題として取り上げられています。今こそ、地域コミュニティや企業が依存している世界の生態系の恩恵を計測する体系的なアプローチを進める時なのです。投資家はこれによって、投資価値の見極めが容易になるばかりか、リスクと利益について理解した上で資源の最も有効な活用方法を見定めることができるようになります。景観地域に経済的な価値を付与すれば、その価値はパリ協定および気候変動対策の資金調達に関連付けることになるのです。

APP持続可能性担当役員 兼 HCSA運営グループの共同議長であるアイダ・グリーンベリーの談話:
気候変動に対する効果的な対処とは、資金調達やビジネスについて語ることであることを、私たちはそろそろ気づかなくてはなりません。そうすれば、企業は事業開発の決断について、投資家はリスクと利益について、より深く理解できるようになり、経済開発と自然保護の適切なバランスが保たれるようになります。

高炭素貯留アプローチ(HCSA)や高保護価値(HCV)評価の活用といった自然資本の価値を算出、およびその価値を証明するアプローチは、APPサプライチェーンのパルプ材植林地の生産性の維持と向上を目的に、自然林の価値を客観的に計測、実証してきた当社の支えとして、APPの持続可能な総合森林管理計画に統合されてきました。  
    
HCSAは革新的な森林伐採ゼロ運動に不可欠であるばかりか、熱帯地方に存在する自然資本の価値を証明する際の重要な要素でもあります。ここCOPで私たちが着目しているのは、自然林の価値の計測を求める投資家の要求に応えるために、HCSAを通じてどのような支援が行えるかという点です。これは、誓約を排出削減といった目標と関連付けていくことで、具体的な段階を踏んで誓約を実行に移そうという科学的なアプローチであり、この場合の具体的な段階とは熱帯雨林保護に資金を投入することです。
                                            
自然資本に経済的価値を付与することができれば、気候変動関連目標の達成と資金調達が可能となり、現場で具体的な活動が実施されることになります。これは、必要であるにも関わらず、これまで行われてこなかった取り組みです。自社の自然資源への依存度や気候変動のリスクと利益の可能性について、すべての企業が完全に理解しているわけではありません。また、気候変動による最悪の影響を回避するということは、経済界による取り組みを強化するということです。経済を語る言葉でこの問題を語り、気候変動が事業にもたらす影響について説明することはその一つです。

APPはCOP22の会期中、2016年11月16日のグローバル・ランドスケープ・フォーラムなど、さまざまなイベントに参加いたしました。

以上

*1 出典:WWF Why it’s important that we value nature - https://www.wwf.org.uk/what-we-do/area-of-work/valuing-nature

<APPについて>
アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は紙パルプ製造企業グループの総合ブランド名です。APPは1972年にインドネシアのチウィ・キミア工場から操業を開始しました。現在はインドネシアと中国の工場群で製品を生産しています。紙、パルプ、包装紙製品、加工紙製品の総合生産能力は年間約2000万トンで、6大陸120ヶ国以上で製品を販売しています。また、APPは環境パフォーマンスの向上や生物多様性の保全、地域コミュニティの権利の保護をさらに向上させるため、2012年6月に「持続可能性ロードマップ ビジョン2020」を、2013年2月に「森林保護方針」を立ち上げ、自然林伐採ゼロの誓約のもと、自社の植林木による製品づくりを行っています。2014年9月には、国連気候変動サミットの「森林に関するニューヨーク宣言」に製紙会社として唯一署名をしました。また、2015年12月には、インドネシアの森林保護・再生支援を目的とした『ベランターラ基金』を立ち上げました。
https://www.asiapulppaper.com/


<APPジャパンについて>
エイピーピー・ジャパン株式会社(APPJ)は、インドネシアと中国を本拠とする総合製紙企業APPグループの日本における販売会社です。1997年の設立以来、18年以上にわたり日本市場のお客様のニーズにお応えするため、印刷用紙、情報用紙、板紙、コピー用紙、文房具などの分野で、多様な紙及び板紙製品を提供しております。2016年4月にインドネシア企業としては初めて日本経済団体連合会(経団連)に入会しました。
www.app-j.com/

詳細な情報がご入り用の方、また、ご意見をお寄せいただける方は、下記までご連絡ください:

エイピーピー・ジャパン株式会社
コーポレートコミュニケーション本部 山梨 真美
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E-mail: mami-yamanashi@appj.co.jp
エイピーピー・ジャパン広報代理
エデルマン・ジャパン株式会社 小保内(おぼない)
Tel: 03-4360-9000 E-mail: APPJapanPR@edelman.com

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この企業の情報

組織名
エイピーピー・ジャパン株式会社
ホームページ
http://www.app-j.com/
代表者
日暮 格
資本金
13,500 万円
上場
非上場
所在地
〒141-0022 東京都品川区東五反田2-10-2東五反田スクエア14階
連絡先
03-5795-0021

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