“パリ協定での誓約実現-気候変動対策の資金調達刷新が必要”
【2016年9月5日 – ホノルル、ハワイ】 - アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(本社:インドネシア・ジャカルタ、会長:テグー・ガンダ・ウィジャヤ以下、APP)は、2016年9月1日(木)から10日(土)までの10日間開催されている国際自然保護連合(IUCN)主催の「第6回世界自然保護会議(WCC6)」に出席し、APPの持続可能性担当役員アイダ・グリーンベリーは、同会議でスピーチを行いました。
グリーンベリーは同会議上で、2015年12月にパリで開催された「第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」で採択された誓約を実現するには、気候変動対策の資金調達メカニズムを再検討する必要があるとし、「世界の森林の保護・再生のための最重要項目として、REDD*1 +など従来の気候変動対策資金の調達メカニズムにおいて、小規模森林保有者や森林で暮らす地域コミュニティが先行投資を利用できるようにすべきである」と呼びかけました。
グリーンベリーは次のように述べています。「排出削減が成功するまで資金の支払いを留保する現システムの方法では、現場の人々が緊急対策に立ち向かう動機にはなりません。資金援助スキームが出来高払いに固執しなければならないなら、成果に基づいた長期的な支払いを地域コミュニティが待っている間も支えられるよう、彼らの短期的なニーズに応えるために地域コミュニティの支援に資金を供出できる対策を行うべきです。パリ協定には、2020年までに1,000億ドルを拠出するという野心的な目標が含まれていますが、私たちは単に拠出金額だけで成功したとするのではなく、その資金を効果的に使うメカニズムも整える必要があります。さもなければ、小規模森林保有者は取り残されてしまうでしょう。」
また、グリーンベリーは、気候変動対策の資金調達において民間企業による資金提供が担う重要な役割についても次のように強調しています。「林産物を取り扱っている企業には、気候変動対策の資金調達に向けた取り組みにおいて、直接的な財政貢献によって果たすべき重要な役割があります。また、民間企業はその費用を負担するだけでなく、さらに重要な役割として、開発資金や資金提供国による多額の投資のリスクを分散しています」。APPは2013年以降、インドネシアの森林を保護および再生支援のために数百万ドルを投資してきました。当社は2013年に自然林伐採停止の誓約を含む「森林保護方針」を導入しています。
今回、初めてインドネシアの大規模な代表団と共に世界自然保護会議に参加したAPPは同会議において、積極的な役割を果たしています。現在、IUCNと共にAPPが実施している最も活発なプロジェクトは、多岐広範囲にわたるボン・チャレンジの一環として行っている、インドネシアの主要な景観地域10ヵ所*2 での熱帯雨林保護と荒廃地再生を支援するという誓約です。APPは、2014年の国連気候変動サミットで「森林に関するニューヨーク宣言」に署名し、その後ボン・チャレンジで誓約を行った唯一の企業です。
オバマ米大統領が同会議で行った海洋保護の支援に関する重要な誓約を踏まえ、グリーンベリーはブルーカーボン*3 やグリーンカーボン*4 を保護する取り組みは統合されるべきだと述べました。「インドネシアを見ればわかるように、農地、森林、マングローブ林、海には明確な境界線は存在しないのです。森林景観地域を保護するには、すべての関係者による総合的な取り組みが必要であるように、陸と海が出会う地点にあるすべての天然資源を確実に保護するため、私たちはブルーカーボンの関係者全員とより緊密に協力していかなくてはなりません。」
以上
*1 REDD: Reduction of Emission from Deforestation and forest Degradation/途上国における森林減少と森林劣化からの排出削減並びに森林保全、持続可能な森林管理、森林炭素蓄積の増強
*2 スマトラ島とカリマンタン島で「ベランターラ基金」と協力してAPPが支援している景観地域10ヶ所は、セネピス、カンバー半島、ギアム・シアク・ケチル、ブキット・ティガプルー、ベルバク・セムビラン、ダンク・メランティ、パダン・スギハン、クブ、クタイ景観地域です。詳細は下記URLをご覧ください。
http://belantara.or.id/landscapes/
*3沿岸海域の海洋生物が二酸化炭素を吸収して固定される炭素。貝殻やサンゴの骨格など、主に炭酸カルシウムとして固定される。
*4陸上の植物の光合成によって固定された炭素。
<IUCN世界自然保護会議について>
世界最大かつ最も包括的な環境政策決定フォーラムであるIUCN(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources/国際自然保護連合)世界自然保護会議は、自然を保護するために世界がこれから向かうべき道筋を定めるため、2016年9月1~10日にハワイのホノルルで開催されています。今回のIUCN世界自然保護会議は、「Planet at the crossroad(岐路に立つ地球)」というテーマのもと、自然保護と人類の進歩はゼロサム・ゲーム ではなく、この地球の自然資産を保護・強化すると共に総合的な幸福を推進できる、信頼性があり、実現可能な選択肢が存在することを強調しています。また今回は、100を超えるIUCN会員組織が拠点を置くアメリカ合衆国が主催する初めてIUCN世界自然保護会議です。会議で討議される主要な議題は、野生生物の密売/海洋保全/気候変動の緩和と適応に向けた自然に基づく解決策、環境保全への民間投資などです。1,300のIUCN会員組織――160ヶ国を超える国々から参加する最も影響力のある政府や市民社会組織――はこの会議において、もっとも議論の的となることの多い緊急課題である、環境保護と持続可能な開発の課題の対策について、共同で決定を行います。政府やNGOも参加するこのユニークな国際的環境議会において、約100件の提案が採択されるものと期待されています。ここで採択された提案は、行動を起こすよう第三者に呼びかけるIUCNの決議や提言となるものです。
<APPについて>
アジア・パルプ・アンド・ペーパー・グループ(APP)は紙パルプ製造企業グループの総合ブランド名です。APPは1972年にインドネシアのチウィ・キミア工場から操業を開始しました。現在はインドネシアと中国の工場群で製品を生産しています。紙、パルプ、包装紙製品、加工紙製品の総合生産能力は年間約2000万トンで、6大陸120ヶ国以上で製品を販売しています。また、APPは環境パフォーマンスの向上や生物多様性の保全、地域コミュニティの権利の保護をさらに向上させるため、2012年6月に「持続可能性ロードマップ ビジョン2020」を、2013年2月に「森林保護方針」を立ち上げ、自然林伐採ゼロの誓約のもと、自社の植林木による製品づくりを行っています。2014年9月には、国連気候変動サミットの「森林に関するニューヨーク宣言」に製紙会社として唯一署名をしました。また、2015年12月には、インドネシアの森林保護・再生支援を目的とした『ベランターラ基金』を立ち上げました。
https://www.asiapulppaper.com/
<APPジャパンについて>
エイピーピー・ジャパン株式会社(APPJ)は、インドネシアと中国を本拠とする総合製紙企業APPグループの日本における販売会社です。1997年の設立以来、18年以上にわたり日本市場のお客様のニーズにお応えするため、印刷用紙、情報用紙、板紙、コピー用紙、文房具などの分野で、多様な紙及び板紙製品を提供しております。2016年4月にインドネシア企業としては初めて日本経済団体連合会(経団連)に入会しました。
http://www.app-j.com/
Twitter:@AsiaPulpPaperJP
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