AI時代に求められる予防優先・自律型の運用コンセプト「Shift Zero」への移行支援において協業
デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ サイバー合同会社(本社: 東京都千代田区、代表執行者 桐原 祐一郎、以下「DTCY」)とServiceNow Japan合同会社(本社: 東京都千代田区、社長執行役員: 鈴木 正敏、以下「ServiceNow」)は、AI時代のサイバーセキュリティ運用に向けて、戦略的な協業関係に基づき両社の技術基盤、コンサルティング、実装・運用支援を組み合わせた共同ソリューションの提供を開始します。
両社は、公共機関、金融機関、重要インフラ事業者をはじめとする国内企業等の組織に向け、分断されたセキュリティ情報を資産・リスク・証跡と結び付け、AIとデジタルワークフローにより継続的に改善できる運用基盤の構築を支援します。これにより、事後対応中心のセキュリティ運用から、攻撃リスク、未管理資産、統制されていないAIエージェントなどを可能な限り上流で特定・低減しリスクの発生可能性そのものを下げる、予防優先・自律型の運用コンセプト「Shift Zero」への移行を支援します。
AI時代のサイバーセキュリティ課題
企業によるエージェンティックAIの活用が進む一方で、AIを悪用したサイバー攻撃も高度化・高速化しており、CISO(最高情報セキュリティ責任者)やセキュリティチームは新たな課題に直面しています。AIエージェント、アイデンティティ、コードの増加により、攻撃リスクは急速に拡大しており、従来型の断片的なセキュリティツールの組み合わせだけでは対応が難しくなっています。さらに、IT・セキュリティ人材の不足も、サイバー攻撃への防御体制の構築と運用を一層困難にしています。
公共機関・企業が直面する運用上の課題と規制対応
サイバーセキュリティ運用が複雑化する中、「サイバー対処能力強化法」*1 や省庁による規制・ガイドラインの強化を受け、組織にはセキュリティコンプライアンスへの対応が急務となっています。一方で、DXやビジネス変革も引き続き推進する必要があり、サイバーセキュリティ運用とDX推進の両立が求められています。
企業が運用するセキュリティツールは平均70以上に上り、エンドポイント、ネットワーク、クラウド環境、アイデンティティなど、拡大する攻撃対象領域に関する情報が分散し、全体像を把握しにくい状況にあります。こうした分断を解消するため、AI時代には、従来のIT資産に加え、OT、IoT、医療機器、AIエージェント、非人間アイデンティティ(NHI: Non-Human Identity)を含む多様な資産とアクセス権限を一元的に可視化・文脈化・統制・監査できる統合的なプラットフォームの構築が求められています。
組織の「Shift Zero」移行を円滑に支援する両社のビジョンと役割
DTCYは、「未来をつくるサイバープラットフォーム」をビジョンとして掲げ、サイバーを単なる防御から、持続的な成長とイノベーションを創出する社会インフラへと再定義しています。組織固有のビジネス戦略・環境に適応したサイバー戦略を攻めと守りの両面から一気通貫で支援し、人・組織・モノ・データ・テクノロジーが安全かつ自在につながる環境の実現を目指しています。
ServiceNowは、AI時代のセキュリティビジョンおよび統合ソリューション群である「Autonomous Security」を発表し*2、マシンスピードで動作するAIを活用したセキュリティ運用の高度化と、企業が活用するAIやAIエージェントの保護・統制を支援します。
本協業において、DTCYは、セキュリティコンサルティング、実装、運用、人材育成の知見を提供し、顧客ごとの課題整理から導入、運用定着、継続的な高度化までを支援します。ServiceNowは、CMDBを中心とした資産・構成情報、デジタルワークフロー、AIをServiceNow AI Platform上で連携させ、セキュリティ情報の文脈化、優先順位付け、対応、証跡管理、規制対応までを一貫したワークフローとして支援します。
これにより、顧客のセキュリティ運用における属人化やツール分断を抑制し、インシデント対応、証跡管理、規制対応、継続的な改善を一貫したワークフローに統合します。両社は、こうした取り組みを通じて、ServiceNowが提唱する予防優先・自律型の運用コンセプト「Shift Zero」への顧客の移行を支援します。
両社による具体的な提供ソリューション
■統合セキュリティプラットフォームの設計・構築
両社は、ServiceNowのプラットフォームを活用し、資産、アイデンティティ、AIエージェント、NHI、OT、IoTを含む攻撃対象領域を可視化・文脈化・統制する「統合サイバーセキュリティプラットフォーム」のリファレンスアーキテクチャを共同で構築し、顧客ごとの環境に応じた導入を支援します。
- エンドツーエンドのセキュリティ運用支援: エンドポイントからネットワーク/アクセス、アプリケーション、OT、IoTに至るまで、予防優先かつ自律型のガバナンスを取り入れたエンドツーエンドのサイバーセキュリティ運用の構築と高度化を支援します。
- NISTサイバーセキュリティフレームワークへの対応: ServiceNowのAutonomous Securityを構成する6つの統合ソリューションは、米国立標準技術研究所(NIST)のガイドライン「NISTサイバーセキュリティフレームワーク 2.0」における統治(Govern)、識別(Identify)、予防(Protect)、検知(Detect)、対応(Respond)、復旧(Recover)への対応を目指し、各フェーズを統合したデジタルワークフローを構築します。
- 統合プラットフォームの構築: 各社で利用されている各種ソリューションを連携することで、IT、OT、IoT、医療機器などの資産や、人、マシン、AIエージェントを含むアイデンティティとアクセス権限を一元的に把握・統制できるプラットフォームの構築を支援します。例えば、ServiceNowに統合されたArmisの技術により資産をエージェントレスで可視化し、Vezaの技術によりアイデンティティとアクセス権限を把握・統制できます。これにより、多様な資産、アイデンティティ、AIエージェントの単一プラットフォーム上での可視化・制御を可能にし、ガバナンス強化を実現します。
■規制対応と運用高度化の実装支援
サイバー対処能力強化法、金融庁や総務省のガイドラインなど、規制要件への対応が急務となる組織に対し、ServiceNowのデジタルワークフロー基盤とDTCYの戦略的な実装力を活用し、資産管理、証跡管理、インシデント対応プロセス、リスク可視化、ワークフロー統制などの運用基盤整備を支援します。すでに ServiceNowを活用している複数の金融機関に対して、規制要件への対応支援を進めています。
■継続的な運用改善とAIを統合した運用基盤
AI時代に見合った継続的なサイバーセキュリティ運用を実現するため、DTCYが、脅威の監視・検知から対応・復旧まで、エンドツーエンドでセキュリティ運用をカバーします。さらにマネージドセキュリティサービスとしても脆弱性管理、資産管理などを提供することで、顧客が必要な運用基盤を段階的に整備しながら、継続的に改善できる環境を提供します。
さらに両社は、監視・検知から対応・復旧における高度化・自律化を実現するAI駆動のマネージドセキュリティサービスの提供を目指します。アラートの相関分析やトリアージ、優先順位付け、修復のオーケストレーションをAIが担うことで、セキュリティオペレーションとインシデントレスポンスを人手中心の事後対応から、よりインテリジェントな予防優先・自律型の運用への転換を支援します。
デロイト トーマツ サイバー合同会社 代表執行者 桐原 祐一郎のコメント
「サイバーリスクへの対応は、個別のツールや部門ごとの最適化から、経営と現場が共通認識を持ち、組織として先手を打つ体制へと転換する必要があります。ServiceNow様のプラットフォームとDTCYのサイバーセキュリティに関する専門性を組み合わせることで、リスクを事業への影響に即して捉え、経営の意思決定を現場の迅速な対応へとつなげることができると考えています。本協業は、DTCYが推進する『Operate to Transform』の考え方のもと、テクノロジーの価値を継続的な変革へとつなげる取り組みです。両社の強みを結集し、ServiceNow様が提唱する『Shift Zero』を、日本のお客様にとって実効性のある取り組みとして展開し、変化するリスクに先手を打てる組織への進化を支援してまいります。」
ServiceNow Japan合同会社 社長執行役員 鈴木 正敏のコメント
「AIの活用が広がる中、企業が守るべき対象やリスクは急速に拡大しています。AI時代においては、お客様が何を守るべきかを正確に把握し、脆弱性が生まれる土壌を減らし、侵入を前提とした検知と対処のプロセスを整えることがますます重要になっています。ServiceNowの『Autonomous Security』は、AIを活用してセキュリティ運用を高度化するとともに、企業が活用するAIやAIエージェントを保護・統制するものです。デロイト トーマツ サイバー様との協業により、日本のお客様が既存の仕組みを活かしながら、自社に適したかたちで『Shift Zero』への移行を進められるよう支援してまいります。」
*1:2026年10月1日より施行。詳しくはこちらをご参照ください。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/cyber_anzen_hosyo_torikumi/index.html
*2:詳しくはServiceNowの抄訳版プレスリリースをご参照ください。
https://www.servicenow.com/jp/company/media/press-room/servicenow-delivers-autonomous-security-the-industrys-most-complete-security-offering-2026.html
以上
ServiceNowについて
ServiceNow(NYSE: NOW)は、ビジネス変革を支える“スーパーインテリジェンス・コントロールタワー”です。ServiceNow AI Platformは、あらゆるAI、クラウド、モデル、データソースと連携し、企業全体の業務を統合的に管理・統制し、安全性を確保します。インテリジェントなコントロールタワーとして、ServiceNowは、お客様がビジネスのあらゆる領域で確信を持ってAIを拡張できるよう、企業固有のコンテキストとコントロールを提供します。年間1,000億件以上のワークフローがプラットフォーム上で稼働しており、ServiceNowは分断されたオペレーションを連動した自律型ワークフローへと進化させ、大規模かつ測定可能な成果につなげています。ServiceNowがどのようにAIを人々の働き方に活かしているかについては、www.servicenow.com をご覧ください。
デロイト トーマツ サイバー合同会社について
デロイト トーマツ サイバー合同会社(DTCY)は、企業の持続的成長や競争力の向上に向けた経営変革を、サイバーセキュリティの面から強力に支援する専門家集団です。デロイトは、グローバルで35,000人を超えるサイバー専門家を擁しており、DTCYはこのネットワークと連携し、組織固有のビジネス要件や課題に応じたサービスを提供しています。戦略策定・助言から設計・実装、運用、継続的な改善まで一貫して支援するとともに、サイバー人材の育成にも取り組んでいます。市場の変化や新たな脅威への迅速な対応を支え、組織のレジリエンスと競争力の強化に貢献します。デロイトのサイバーサービスの詳細については、www.deloitte.com/jp/cyberをご覧ください。
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