さらに、今回確立した次世代光通信規格並みの大容量と長距離伝送を両立する高周波無線通信システムの技術群を基盤とし、現在の「1対1」の通信から将来的には「多地点同時接続」が可能な無線伝送方式へと拡張を図り、10テラビット(10Tbit/s)級の大容量無線伝送技術の実現に向けて研究開発を推進してまいります。
5.論文情報
タイトル: Field Experiment of 2.04 Tbps Wireless Transmission over 100 m Using Orbital Angular Momentum Multiplexing in the Sub-THz Band
国際会議:VTC2026-Fall(2026 IEEE 104th Vehicular Technology Conference)
著者:Hirofumi Sasaki, Yasunori Yagi, Jun Mashino, Doohwan Lee
6.関連する過去の報道発表
[1] 2025年3月24日「6G時代の大容量無線バックホールの構築に向けて前進~双方向無線通信装置を用いて80GHz帯で世界最速の毎秒140ギガビット伝送に成功~ | ニュースリリース | NTT」
(
https://group.ntt/jp/newsrelease/2025/03/24/250324a.html )
[2] 2023年3月30日「世界で初めて、サブテラヘルツ帯において毎秒1.4テラビット無線伝送に成功~IOWN・6Gで実現する新しい無線サービスの創造に貢献~ | ニュースリリース | NTT」
(
https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/03/30/230330a.html )
[3] 2018年5月15日「毎秒100ギガビット無線伝送を、世界で初めて新原理(OAM多重)を用いて成功 ~5Gの次世代を実現する革新的無線通信技術を開拓~ | ニュースリリース | NTT」
(
https://group.ntt/jp/newsrelease/2018/05/15/180515a.html )
【用語解説】
※1 OAM(Orbital Angular Momentum: 軌道角運動量)
位相が進行方向に対して螺旋状に回転する性質を持つ電磁波の物理量です。異なるモードのOAM波は互いに干渉しない特徴があるため、複数のOAMモードを用いた空間多重による大容量無線伝送が可能になります。
※2 空間多重伝送
複数のデータ系列を、空間的に独立な複数の電波を用いて、同時刻・同周波数帯において並列に伝送する伝送方法です。
※3 MIMO(Multi-Input Multi-Output)
送信側と受信側の双方で複数のアンテナを使用し、データを空間的に多重化して送受信する技術です。
※4 800G/1.6T光通信規格
現在主流の100G/400Gの次世代にあたり、毎秒800ギガビット(800Gbit/s)および1.6テラビット(1.6Tbit/s)の超大容量通信を実現する新たな標準規格です。
※5 高利得化
特定の方向に電波を強く放射・受信できるようにする技術のことです。受信信号電力が向上し、より多くの情報を伝送できるようになったり、伝送距離を延ばしたりすることができます。
※6 UCA(Uniform Circular Array)
複数のアンテナ素子を円形に等間隔で配置した円形アレーアンテナです。
※7 予等化/等化処理
複数の電波を同時に送受信する通信において、混ざり合った信号を本来の形に分離・復元する処理(等化)と、受信先で正しく復元できるよう送信時にあらかじめ調整する処理(予等化)です。
※8 偏波多重
空間多重の一種であり、電波や光の振動する方向(偏波)が異なる波は互いに干渉しないという性質を利用し、同じ周波数で複数の信号を同時に伝送して通信容量を増やす技術です。
※9 【6. 関連する過去の報道発表】[2]参照
※10 SINR(信号対干渉雑音電力比)
受信したい信号の強さが、ノイズや他の信号による電波干渉に対してどの程度の割合かを示す数値です。本技術における干渉とはモード間干渉のことをさします。