鹿島(社長:天野裕正)、株式会社ハイパーデジタルツイン(東京都中央区、CEO:伊東敏夫、以下HDT社)、羽田みらい開発株式会社(社長:山口皓章、鹿島などの9社による共同出資会社)、芝浦工業大学(東京都江東区、学長:山田純)は、羽田空港に隣接する大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」(以下、HICityⓇ)において、デジタルツインをリアルタイムに活用し、道路を横断するロボットの自動制御の実証実験を行いました。その有効性が確認されたのは、国内で初めてです。
本実験では、複数台のロボットを連携制御する鹿島独自のロボット統合管制システムと、リアルタイムに構築されたデジタルツインからロボットの自動制御に必要な空間情報を抽出するHDT社の独自技術を組み合せました。これにより、ロボットに搭載されたカメラやセンサでは認識できない離れた位置や死角から接近する車や人を把握し、自動制御にて安全な位置にロボットを停止させて衝突の発生を回避できます。さらに、これまで困難であったロボット単独での道路横断が可能となったことで、周辺の交通流や人混みを加味したロボットの自動制御の実現に近づきました。
今後4者は、これらの技術を活用したロボットの自動制御の社会実装に向け、HICityをテストベッドに実証実験を継続し、機能の拡充を図るとともに、より安全なサービスの提供を目指します。
【実証実験の背景】
将来的に実現が想定されるスマートシティでは、減少していく労働人口に対処するため、複数台のロボットを警備・運搬・搬送等の業務に活用することが求められます。しかし、各ロボットに搭載されたカメラやセンサでは、離れた場所や死角から接近する車や人の動きを検知できません。このため、多数の車や人が移動し活動するエリアでロボットを稼働させるには、車や人との衝突回避が課題でした。
この課題を解決するために4者は、2023年10月~2024年2月、国土交通省のスマートシティ実装化支援事業の取組みの中で、ロボットの道路横断時における自動制御の実証実験を行いました。
【道路横断におけるロボットの自動制御の概要と特長】
本実験では、HDT社の技術をもとにリアルタイムに構築されたデジタルツインから抽出される空間情報を鹿島のロボット統合管制システムに通知することで、道路を横断するロボットを自動制御しました。
今回、有効性を実証した自動制御の主な特長は以下のとおりです。
1. デジタルツインのリアルタイム活用
建物に設置した複数台のLiDARから取得したロボット周辺の車や人といった動体のデータをエッジコンピュータで解析し、デジタルツインを構築します。その後、デジタルツインから、ロボットの自動制御に必要な空間情報をリアルタイムに抽出します。
2. 3Dマップの自動作成・更新
リアルタイムに抽出される空間情報をもとに、ロボットが初めて走行する場所の3Dマップの作成や、環境変更によるマップの更新を自動で行い、即時にロボットと連携します。
3. 空間の状況をリアルタイムに把握したロボットの自動制御の実現
リアルタイムに抽出される空間情報やそれを基に作成・更新される3Dマップを活用することで、ロボットは自身に搭載されたカメラやセンサから得られる情報だけではなく、それらの検知範囲外の空間の状況をリアルタイムに把握した走行が可能です。これにより、ロボットは離れた位置や死角から接近する車や人を認識することができ、衝突を未然に防止する安全かつスムーズなロボットの自動制御が可能です。
【今後の展開】
4者は今後、道路横断におけるロボットの自動制御の社会実装に向け、HICityだけでなく他の大規模施設にも本技術を展開するとともに、機能の拡充とより安全なサービスの提供を図ってまいります。
(参考)
大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITYⓇ」における実証実験で複数メーカー・複数台のロボットを連携できる基盤システムの有効性を確認
https://www.kajima.co.jp/news/press/202305/11a1-j.htm (2023年5月11日プレスリリース)
【本件に関する報道関係者からの問い合わせ先】
鹿島建設株式会社 広報室
Tel:03-6438-2557
株式会社ハイパーデジタルツイン
Mail:contact@hyper-digitaltwins.com
【会社・大学概要】
鹿島建設株式会社
本社: 東京都港区元赤坂1-3-1
代表者: 代表取締役社長 天野裕正
設立: 1930年
主な事業内容: 建設事業、開発事業、設計・エンジニアリング事業ほか
ウェブサイト:
https://www.kajima.co.jp/
株式会社ハイパーデジタルツイン
本社: 東京都中央区日本橋二丁目1番17号丹生ビル2階
代表者: CEO 伊東敏夫
設立: 2022年5月
主な事業内容: LiDAR及びエッジコンピューティングを活用した空間センシング&デジタルツインの構築、
デジタルツインデータを活用した自動運転、見守り等のソリューションの提供
ウェブサイト:
https://www.hyper-digitaltwins.com
そ の 他: 芝浦工業大学 新熊亮一教授によって設立された、芝浦工業大学認定ベンチャー1号
羽田みらい開発株式会社
本社: 東京都大田区羽田空港1-1-4
代表者: 代表取締役社長 山口 皓章
設立: 2017年8月21日
主な事業内容: 不動産の賃貸、管理運営及びコンサルティング事業、特別目的会社への出資、
イベント等各種催事の企画と運営など
ウェブサイト:
https://haneda-innovation-city.com/
芝浦工業大学
所在地: 東京都江東区豊洲3-7-5(豊洲キャンパス)
学長: 山田 純
創立: 1927年5月
ウェブサイト:
https://www.shibaura-it.ac.jp/
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/