DTCC、リスクに関する最新の調査結果を発表 国際金融機関がサイバー攻撃の危険性を最大の懸念事項と回答

オムジオ株式会社

サイバー攻撃からの抵抗力を強化するためのポイントを発表

世界最大の証券保管・決済機構であるDTCC(米国証券振替機構)は、リスクに関する最新調査結果を発表しました。これによると、昨今世界経済の主要セクターで複数のサイバー攻撃が大きな問題となっており、金融サービス業界においてもサイバーセキュリティを最も重要な懸案事項に位置づけていることが明らかになりました。 DTCCのシステミックリスク・バロメーターによると、サイバーリスクを最大の懸念事項5項目の1つとして挙げた回答者の割合が過去最高の84%に上り、前回の調査が行われた2014年3月から25ポイント上昇しました。さらに回答者の33%がサイバー攻撃を世界経済にとっての最大のシステミックリスクに挙げており、この割合も2014年3月時点の24%から上昇しています。 DTCCはこの問題に対する業界の意識をさらに高めるべく、Cyber-Risk: A Global Systemic Threat(サイバーリスク:グローバルなシステミック脅威)と題する包括的なホワイトペーパーを発表しました。このホワイトペーパーではサイバー犯罪に立ち向かう最強の防御の手法として、官民の間での情報共有の促進とより密接な協力体制の構築をあげています。近年この分野でさまざまな進展が見られるものの、情報共有については不十分であると指摘しています。 サイバー脅威に関する議論を促進 DTCCのチーフ・システミックリスク・オフィサー、マイケル・レイブロック(Michael Leibrock)は、「金融システム全体を通じて、基幹業務インフラにおける包括的かつ効果的なサイバーセキュリティ構築を推進するためには、主要な利害関係者の間で情報共有のためのパートナーシップを構築することが非常に重要です。こうした連携を推進していく最善の方法は、業界や国境を越え、組織的でオープンなアプローチを通じて体制を作り上げることです。昨今のサイバー攻撃の例から、サイバー攻撃の影響が広範囲に広がる可能性が懸念される中、当社のホワイトペーパーでは現実に迫ったこうしたリスクに関してより議論を深めるためのたたき台となることでしょう」と述べています。 ホワイトペーパーでは世界各国の政策担当者や金融コミュニティに対し、サイバー攻撃に対する抵抗力を強化するためのいくつかの提案を行っています。このうち最優先課題として、業界としてグローバルな作業グループを設立し、リアルタイムで進化するサイバー脅威に対応するため、各国の規制担当者と連携してサイバーセキュリティ規制案の策定に取り組むことを呼び掛けています。加えてサイバーセキュリティ戦略の策定担当者に対し、セキュリティ対策の中心を「チェックボックス式」からプログラム重視へシフトし、脅威に対して積極的な対策を取っていく必要があるとしています。 DTCCのコーポレートインフォメーションセキュリティオフィサー(CISO) 兼 Soltra*のCEOであるマーク・クランシー(Mark Clancy)は、「規模の大小や官民を問わず、サイバー攻撃の危険性にさらされていない組織はありません。急速に進化するこれらの脅威に対して、攻撃者の行動に関する情報を複数の利害関係者で共有できる体制を整えると同時に、静的な防御手段を用いて個々の組織が対応するモデルから、コミュニティ全体で動的に対応する形にモデルを転換することによって、あらゆる関係者が素早く対応していくことが可能です。こうしたセキュリティモデルに移行していくためには、成熟した組織の運用能力と公的な政策の枠組みの両方が必要になります」と述べています。 今回発表したDTCCのホワイトペーパーでは、以下の内容にも言及しています。 •ビジネスの中核機能を防御するため、サイバーレジリエンスの構築および実行、強化を行う組織の必要性 •基幹インフラの防御、国家の安全保障、データプライバシーの確保に関する各国の政策面での取り組みの現況 •サイバー防御の専門家から見た将来のサイバー脅威に対応するためのベストプラクティスと教訓から得た提案 DTCCのシステミックリスク・バロメーター:サイバーセキュリティがリスクに関する最大の懸念事項 DTCC Systemic Risk Barometer(システミックリスク・バロメーター)は継続的に行われている金融業界の意識調査であり、グローバルな金融システムの安全性や障害回復力、安定性を監視し、これらに重大な影響を与える恐れのある新たなリスクの動向を追跡しています。ここでの指標には広範な回答者からのフィードバックが反映されており、対象にはDTCCのクライアントだけでなく世界各国の規制当局や学術研究組織等の金融業界専門家も含まれています。 サイバーリスク以外の分野に関する今回の調査の主な調査結果は、以下の通りです。 •新たな規制による影響を懸念事項の上位5項目として挙げた回答者は全体の64% •地域的なリスクを懸念事項の上位5項目の1つとして挙げた回答者は全体の62% •回答者の37%が過去6カ月間にグローバルな金融システムに大きな影響を与えかねないイベントが増加していると回答し、その割合は2014年3月の調査から16ポイント上昇 •これらの結果に沿って、全体の76%が過去1年間にシステミックリスクの特定、監視、軽減を専門とするリソースを強化したと回答。 最新のDTCCシステミックリスク・バロメーターの詳細結果については、下記リンクよりご覧いただけます。 http://dtcc.com/~/media/Files/Downloads/issues/risk/Systemic_Risk_Summary_Report.ashx リスク緩和のためのDTCCの取り組み DTCCは子会社3社がSystemically Important Financial Market Utilities(SIFMU=システミックに重要な金融市場ユーティリティ)に指定されており、業界の新たなニーズに幅広く対応するリスク緩和ソリューションの提供に深く関与しています。テクノロジーシステムの障害抵抗力を保持ための強固な戦略を実施していることに加えて、DTCCでは先ごろ業界団体のFS-ISAC(Financial Services Information Sharing and Analysis Center)と共に、基幹インフラ企業間でサイバー攻撃に関する情報のリアルタイムでの共有を可能にするソリューションの開発に関する戦略的パートナーシップである*Soltraをスタートさせています。 DTCC(米国証券振替機構)について DTCCとその子会社は、世界15か国にある営業拠点と運用施設およびデータセンターを通じて、世界中の何千という金融機関の取引処理を自動化・一元化・標準化しています。40年の経験を有するDTCCは、国際金融サービス業界にとってポストトレード市場で群を抜くインフラとなっており、清算、決済、資産運用、株式のグローバルデータマネジメントおよび情報サービス、社債および地方債、政府保証証券および不動産担保証券、デリバティブ、短期金融商品、シンジケートローン、ミューチュアルファンド、代替投資商品、保険取引の複雑さを簡素化しています。2013年、DTCCは約1600兆米ドルにのぼる証券取引を処理しました。DTCCのデポジトリーは、139の国と地域における評価額43兆米ドルの証券発行を対象に保管と資産運用を行っています。DTCCのOTCグローバル・デリバティブ・トレードレポジトリーには、週当たり数千億単位の取引が記録されています。詳細情報については、www.dtcc.comあるいはDTCCのTwitterアカウント@The_DTCCをご参照ください。
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広報代行 株式会社プラップジャパン 矢畑、上野
1076033:東京都港区赤坂1-12-32アーク森ビル33F 私書箱562号
TEL:03-4570-3191 FAX:03-4570-3189
E-mail:omgeo_pr@ml.prap.co.jp

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