平成26年度技術ソリューション研修「Zero Emissionコース」開講報告
~3カ国、8名の技術者が参加~
JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:河野博文)は、9月8日(月)から10月3日(金)の期間で、平成26年度技術ソリューション研修「Zero Emissionコース」を開講しました。本コースには、アラブ首長国連邦、カタール、メキシコの3カ国から8名の技術者等が参加しました。 JOGMECは、日本と産油国の将来にわたる人的友好・協力関係の強化および石油の大消費国としての責務たる石油の安定供給に資する石油開発関連技術の向上を目的に、各国政府機関や国営石油会社など(以下「NOC等」(NOC= National Oil Company)) から石油・天然ガス開発技術者等を招聘し、産油国技術者研修等事業を実施しています。 「Zero Emission※1コース」は、産油国技術者研修等事業と連携し、技術ソリューション事業※2の一環※3として、第2回技術ソリューション研修(Technical Solutions Training Program)として開講されました。技術ソリューション研修は、2013年度より開始した技術ソリューション事業を通じて、技術開発を推進している日本の先端技術について、産油国等への技術移転研修を行うことを目標としています。また、そこに至るためにはNOC等との信頼関係構築と、NOC等が石油・天然ガス操業現場において直面している技術課題(二ーズ)の把握が重要であり、それらについても本研修を通じて行っています。 Zero Emissionコースの研修目的は、石油・天然ガス操業現場における、石油・天然ガス生産に伴う副生物/排出物(CO2、随伴水等)を石油増産(EOR)に生かすとともに、周辺産業とも連携し廃棄物(例えば、スラッジ等)のセメント再資源化等の有効利用により、産業全体でZero Emissionを目指すというコンセプトを理解することであり、座学・現場見学を通じて、このコンセプト実現のための鍵となる、EOR、随伴ガス処理、随伴水処理、廃棄物管理等の技術に関する知識の習得を図りました。また、日本の産業界における先端・先進技術を石油・天然ガス開発へ導入する技術ソリューション事業についても現在開発中の技術紹介を行うとともに、研修生が自国での操業で直面している技術課題について、解決策(ソリューション)を導き出すケーススタディ/ワークショップを実施しました。研修コースの中では、日本の文化や経済・社会についても紹介し、将来にわたる日本の理解者を増やすことも目指しています。 参加研修生8名※4は、自国で石油・天然ガス生産現場、HSEマネジメントに関わる技術者として既に各分野の経験・知見を有する技術者だったことから、講義中の議論が活発で有意義な研修となりました。本コースについて、研修生からはZero Emissionコースに次回以降も自国より研修生を参加させたい、Zero Emissionの概念がCO2排出削減やフレアガス削減のように狭いものではなく、より広いものであると見識が広がった、等の評価を得ています。 なお、JOGMECは、1989年に産油国技術者研修等事業を開始してからこれまで25年間にわたり、47カ国、 約3,200名に及ぶ技術者への研修を行ってきました。研修事業による産油国等の人材育成が明日の日本の資源安定供給に寄与するよう、今後も研修事業の強化・充実に努めてまいります。 ※1 Zero Emissionとは: JOGMECが提唱するZero Emissionとは、石油天然ガス開発・生産現場から副生、あるいは排出されるCO2、随伴ガス、随伴水等を利用して石油増産のEOR(Enhanced Oil Recovery)等に適用、さらには他の産業・生産工程と連携し、廃棄物(例えば、スラッジ)から付加価値を持たせた資源を製造、有効利用し、他産業との連携により廃棄物/排出物を限りなくゼロに近づけるコンセプトのこと。 ※2 技術ソリューション事業とは:産油ガス国等が抱える技術課題(二ーズ)について、JOGMECと日本企業 が一体となって技術的解決策(ソリューション)を提案することで、日本企業のビジネス創成を支援すると ともに、産油国等との関係を強化し、石油・天然ガスの権益取得に寄与することを目的とした事業。 ※3 技術ソリューション事業は次の4つのアクションより構成されている。(1)ニーズシーズ収集・分析、(2)技術開発、(3)技術ソリューション研修、(4)テクノフォーラム。 ※4 参加研修生所属組織:下記「コース概要」)参照。 ■ コース概要 名称:平成26年度技術ソリューション研修「Zero Emission コース- Oil and Gas Production Technology toward Zero Emission -」 実施期間:平成26年9月8日(月)~10月3日(金)(4週間) 対象:産油ガス国の石油・天然ガス関連の政府機関、国営石油ガス会社等に属する技術者、HSE管理者等 (アラブ首長国連邦、カタール、メキシコの3カ国、8名) ・アラブ首長国連邦:ADNOC、ADCOより3名 ・カタール:Qatar Petroleumより4名 ・メキシコ:IMP(Instituto Mexicano del Petroleo、メキシコ石油研究所)1名 講義実施:日本オイルエンジニアリング株式会社(講義総括)、他民間企業・大学・公益財団法人等協力講師・現場見学先(早稲田大学環境資源工学科、国際石油開発帝石株式会社、石油資源開発株式会社、富士石油株式会社、関東天然瓦斯株式会社、合同資源産業株式会社、太平洋セメント株式会社、日本CCS調査株式会社、シュミレーション・テクノロジー社、千代田化工建設株式会社、日揮株式会社、旭硝子株式会社、公益財団法人地球環境産業技術研究機構、王子製紙株式会社、等)、JOGMEC →全文を読む http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_10_000158.html?mid=pr_141107JOGMECは日本の資源・エネルギーの安定供給確保を使命とし資源に関わる様々な業務に携わっています。
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