【JICAプレスリリース】JICAとして初の東南アジアベンチャーキャピタル向け出資

独立行政法人 国際協力機構

東南アジア新興企業への出資により金融アクセスと女性活躍を後押し

「信頼で世界をつなぐ」をビジョンに掲げ、日本の政府開発援助(ODA)実施機関として開発途上国への国際協力を行っている独立行政法人国際協力機構(理事長:田中明彦、本部所在地:東京都千代田区、以下:JICA)は、革新的なビジネスモデルを通じて社会課題解決に貢献する東南アジアの新興企業に投資するベンチャーキャピタルファンドOpenspace Ventures IV, L.P.との出資契約に署名しました。これにより、東南アジアの創業初期企業の成長を後押しします。
本事業は2012年の海外投融資事業の再開後、JICAとして初めての東南アジアベンチャーキャピタル向け海外投融資(出資)となります。これまでJICAは、東南アジアの創業直後の企業(シード期企業)に対するアクセラレーション等を通じて、スタートアップエコシステムの育成に貢献してきておりますが、今回の出資はその次の成長段階にある企業の育成を支援するものです。

<JICAによるスタートアップ支援の全体像と本事業の位置づけ>

東南アジアの新興国は、人口に対する労働力が豊富な状態(人口ボーナス)により一定程度の高い経済成長を維持してきていますが、その生産性の伸びは成長著しい近隣のインドや中国といった国々と比べて遅れをとっており、引き続き成長を維持し中所得国の罠に陥らないよう産業の一層の高度化が必要となっています。これに対して、東南アジア諸国はイノベーションや産業多角化に注力してきており、時価総額10億米ドルを超えるユニコーン企業も徐々に増えてきています。他方で、東南アジア地域で新興企業から大きな成長している企業はシンガポールに集中し、同地域の中でも特に新興国のスタートアップ企業は、市場環境の悪化に伴い創業初期段階での資金調達額は近年大幅に低下するなど、企業の成長に必要な資金調達が難航しています。
このような状況下、同地域の持続的な経済成長のため、新興企業の金融アクセス改善を通じた地場企業のイノベーション・多角化促進が求められています。

Openspace Ventures Pte. Ltdは、シンガポールベンチャーキャピタル(VC)業界の黎明期に創業し同国VC業界を牽引してきたファンドマネージャー(FM)です。新興企業からユニコーンに成長したインドネシアGoTo社やKredivo社といった企業に創業初期から投資する等の実績を有しています。JICAは、同FMが運営する4号ファンドへの出資を通じて、革新的ビジネスによって課題解決に取り組む東南アジアの新興企業に資金を供給し、経営能力強化支援を行うことで、同地域の新興企業の発展・拡大に貢献します。
また、同ファンドは、東南アジア地域における新興企業の組織内ジェンダー格差の課題に対して、投資先の企業における女性従業員数をモニタリングし、ジェンダー平等の促進に取り組んでおり、女性活躍を後押しします。更に、同ファンドの投資先企業と日本企業のマッチングを促進することで、日本企業の海外展開を推進していきます。

●Openspace Ventures社の既存出資先例

 

 
インドネシアにおける医療アクセス改善(Halodoc:オンライン診療、遠隔地への医薬品配達等を含むプラットフォーム) ベトナムにおける労働者の生活安定(Nano:従業員が既に働いた分の給料を日払いで受け取れるシステム)
(写真出所:OSV)(※写真転載不可。写真使用希望の場合はご相談ください。)

■独立行政法人国際協力機構(JICA)について 
JICAは、開発途上国が直面する課題を解決するため、技術協力、有償資金協力、無償資金協力など日本の政府開発援助(ODA)を一元的に担う二国間援助の実施機関で、150以上の国と地域で事業を展開しています。 
国際社会の課題は日本とも密接に関係しています。国内外のパートナーと協力してそれらの解決に取り組み、世界の平和と繁栄、日本社会の更なる発展に貢献します。 
詳しくは https://www.jica.go.jp/index.html をご覧ください。 


 

その他のリリース

話題のリリース

機能と特徴

お知らせ