2024年12月期中間連結業績の概要について~中間期としては2期連続の増収・増益を達成~

ヤマハ発動機株式会社

□代表取締役社長 日髙 祥博コメント
 「2024年12月期中間連結業績は、2期連続で過去最高の売上収益・各利益を達成することができました。コア事業である二輪車事業において、新興国でのプレミアムモデルの販売増加などにより、増収・増益に繋がりました。
 外部環境は、物価高や高金利による需要への影響がある一方、米国で利下げ観測が強まる中、為替が急激に変動するなど、不透明な状況です。 
 また、セグメント毎に状況は異なりますが、当社を含め各社の供給が改善したことや需要減少などの影響により、厳しい競争環境が続くと見ています。海上運賃は上昇傾向、原材料等については、為替の影響を除き、概ね計画通りとなる見込みです。 
 当社事業においては、二輪車事業は引き続き好調を見込んでいますが、RV事業、SPV事業は、在庫調整に伴う減産が続く見通しです。 
 マリン事業は、今シーズンから導入している大型船外機の新モデルは強い引き合いが続くものの、欧米を中心に需要は減少する見通しです。引き続き、需要と販売状況を勘案し、生産調整含め、在庫適正化に向けて取り組んでいきます。 
 ロボティクス事業については、下期に需要の回復を見込んでいます。 
 収益力強化に向けて、経費コントロールと生産効率改善やプレミアム戦略を着実に実行し、赤字事業についても事業構造を改善していきます。」

□連結業績について*
 当中間連結会計期間の売上収益は1兆3,484億円(前年同期比1,220億円・10.0%増加)、営業利益は1,544億円(同129億円・9.1%増加)、親会社の所有者に帰属する中間利益は1,131億円(同98億円・9.5%増加)となりました。
 なお、当中間連結会計期間の為替換算レートは、米ドル152円(前年同期比17円の円安)、ユーロ165円(同19円の円安)でした。

 売上収益は、コア事業の二輪車のうち、ブラジル、インドにおいて販売台数の増加および台当たり単価が向上したことにより、増収となりました。営業利益は、二輪車事業の増収効果とコストダウンに加え、円安によるプラスの効果もあり、増益となりました。

*当社グループは、当連結会計期間より、従来の日本基準に替えて国際会計基準(IFRS)を適用しており、前中間連結会計期間
および前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較・分析を行っています。


□セグメント別の業績について
【ランドモビリティ】

 売上収益8,961億円(前年同期比986億円・12.4%増加)、営業利益907億円(同228億円・33.6%増加)となりました。
 二輪車事業について、先進国の販売台数は、欧米の販売が増加した結果、前年を上回りました。新興国は、ブラジル、インド、インドネシアを中心に需要が増加した結果、当社の販売台数は新興国全体で増加しました。その結果、事業全体の販売台数は増加となりました。売上収益は、ブラジル、インドにおける販売台数の増加および台当たり単価の向上により、増収となりました。営業利益は、増収効果に加えて新興国でのプレミアムモデルの供給改善やコストダウン、円安によるプラス影響により、増益となりました。
 RV事業(四輪バギー、レクリエーショナル・オフハイウェイ・ビークル)では、需要が前年を下回り、当社の販売台数は前年並みだったものの、モデルミックスの悪化により、減収となりました。また、競争環境の激化に伴う販促費や製造経費の増加により、減益となりました。
 SPV事業(電動アシスト自転車、e-Kit、電動車いす)では、国内向け電動アシスト自転車は、販売台数が前年を上回りました。一方、e-Kitは、メイン市場である欧州での在庫調整局面継続により、販売台数が減少し、減収となりました。営業利益は、販売減少ならびに販促費の増加により、減益となりました。

【マリン】
 売上収益2,977億円(前年同期比13億円・0.4%減少)、営業利益532億円(同126億円・19.2%減少)となりました。
 船外機の需要は、中南米では堅調な需要が継続した一方、欧米では物価および金利上昇の影響により需要が減少しました。なお、北米の大型船外機の需要は、安定的に推移しました。当社販売のうち、新モデルは好調だったものの、船外機全体では減少となりました。ウォータービークルは、金利上昇を懸念した買い控えにより、需要が減少しました。一方、当社の販売台数は、昨年の部品不足やサプライチェーン混乱による供給制約が改善されたことにより増加しました。この結果、マリン事業全体では減収・減益となりました。なお、当中間連結会計期間の業績には、ドイツのマリン電動推進機メーカーTorqeedo GmbHの第2四半期連結会計期間(2024 年4月~6月)の業績を含んでいます。

【ロボティクス】
 売上収益459億円(前年同期比4億円・0.8%減少)、営業損失40億円(前年同期:営業利益5億円)となりました。
 サーフェスマウンターは、欧州における設備投資の需要が減少した結果、当社の販売も減少しました。産業用ロボットは、中国での需要が引き続き停滞し、当社の販売も減少しました。また、半導体製造後工程装置は生成AIや先端パッケージ向けの需要が増加し、販売が増加しました。これらの結果、ロボティクス事業全体では減収・減益となりました。

【金融サービス】
 売上収益559億円(前年同期比174億円・45.3%増加)、営業利益108億円(同42億円・63.2%増加)となりました。
 当社の売上収益は、販売金融債権が増加する中、調達金利の顧客転嫁を進めたことにより、増収となりました。営業利益は、金利収入の増加に加えて、前期に発生した金利スワップ評価損が当期は評価益に転じたことで増益となりました。

【その他】
 売上収益529億円(前年同期比77億円・17.1%増加)、営業利益36億円(前年同期:営業利益6億円)となりました。
 ゴルフカーの北米での需要増加を背景に販売台数が増加し、増収となった結果、増収・増益となりました。

□通期連結業績の見通しについて
 2024年12月期通期の連結業績予想については、為替の前提を含めて、2024年2月14日の前期決算発表時に公表した予想(売上収益2兆6,000億円、営業利益2,600億円、親会社の所有者に帰属する当期利益1,750億円)を変更していません。

□利益配分に関する基本方針および当期の配当
 当社は、株主還元方針として、業績の見通しや将来の成長に向けた投資を勘案しつつ、安定的かつ継続的な配当を行います。そして、キャッシュ・フローの規模に応じて機動的な株主還元を実施し、総還元性向は中期経営計画期間累計で40%を目安とします。
 当期の配当については、2024年12月期通期連結業績予想を当初予想より変更していないことを踏まえ、年間配当予想の1株当たり50円を維持し、中間配当は1株当たり25円と決議しました。
 
 

 

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