10月の炎上分析データ公開!炎上件数、101件(調査対象期間:2023年10月1日~10月31日)

シエンプレ株式会社

一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所による最新の炎上事案分析



シエンプレ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 寿郎)は、一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所(住所:東京都渋谷区、所長:佐々木 寿郎)と共同で、調査対象期間に発生したネット炎上についての件数とその内訳の分析結果を公開しました。

○資料ダウンロードページ
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202310/

■調査背景

2023年1月31日、デジタル・クライシス総合研究所はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2023」(調査対象期間:2022年1月1日~12月31日)を公開しました。
継続調査の結果報告として、今回調査対象期間に発生した炎上事案を、新たに分析しています。

○「デジタル・クライシス白書2023」は以下のURLからダウンロードをリクエストできます。
https://www.siemple.co.jp/document/hakusho2023/


■調査の概要

調査期間:2023年10月1日~10月31日
調査対象:X(旧Twitter)、Facebook、Yahoo!ニュース、Amebaブログ、FC2ブログ、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねる 等、SNS媒体と炎上拡大の要因になりやすいとデジタル・クライシス総合研究所が判断した媒体への投稿。
調査方法:デジタル・クライシス総合研究所ソーシャルリスニングツールを使用
「炎上」というキーワードを含む投稿から下記の基準により「炎上」と判断した事案を収集(※)。
炎上の原因となった炎上の主体、炎上の内容、炎上を起こした企業の業種等、さまざまな切り口から傾向を分析しました。
※デジタル・クライシス総合研究所では「炎上」の定義を、「企業や団体、個人が発言した内容、行為がSNSやWebメディア上に掲載・拡散され、それに言及した批判や非難の投稿が100件を超えた場合」としています。(投稿数についてはオリジナル投稿のみを計上。コメントのない再投稿は含みません)
各グラフにおける割合については、全て小数点以下第2位を四捨五入しました。

分析対象投稿数:19,057件
うち炎上事案数:101件

■調査結果
1.炎上主体別 発生件数
1-1.炎上主体別 発生件数と割合(前月比)


10月の炎上事案は101件でした。前月に比べ、25件減少しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」35件(34.7%)、「一般人」27件(26.7%)、「メディア以外の法人」27件(26.7%)、「メディア」12件(11.9%)という結果でした。
 

割合については下図のとおり、前月と比較し、「著名人」が0.6ポイントの増加、「一般人」が5.8ポイントの減少、「メディア以外の法人」が1.1ポイントの減少、「メディア」が6.3ポイントの増加という結果でした。


1-2.炎上主体別 発生件数と割合(前年平均比)

前年平均比では、炎上事案発生件数は37件減少しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」が11件の減少、「一般人」が19件の減少、「メディア以外の法人」が6件の減少、「メディア」が1件の減少という結果でした。

割合については下図のとおり、前年平均と比較すると、「著名人」が1.4ポイントの増加、「一般人」が6.6ポイントの減少、「メディア以外の法人」が2.8ポイントの増加、「メディア」が2.5ポイントの増加という結果でした。
 

1-3.炎上主体別 発生件数と割合(前年同月比)

前年同月比では、炎上事案発生件数は70件減少しています。
炎上主体別の内訳では、「著名人」が26件の減少、「一般人」が28件の減少、「メディア以外の法人」が11件の減少、「メディア」が5件の減少という結果でした。
 

割合については下図のとおり、前年同月と比較し、「著名人」が1ポイントの減少、「一般人」が5.5ポイントの減少、「メディア以外の法人」が4.5ポイントの増加、「メディア」が2ポイントの増加という結果でした。
 

2.炎上の内容別 発生件数
2-1.炎上の内容別 発生件数と割合(月次推移)


炎上内容別の内訳では、「情報漏洩」が0件(0%)、「規範に反した行為」が10件(9.9%)、「サービス・商品不備」が9件(8.9%)、「特定の層を不快にさせる行為(※)」が101件(81.2%)という結果でした。
前月と比較しますと、「情報漏洩」にあたる行為は0件と横ばい、「規範に反した行為」は7件の減少、「サービス・商品不備」は1件の減少、「特定の層を不快にさせる行為」は17件の減少という結果でした。
※特定の層を不快にさせる投稿:法令等、規範に反した行為ではないものの、他者を不快にさせる行為(問題行動、問題発言、差別、偏見、SNS運用関連等)
 


割合については下図のとおり、「情報漏洩」が0ポイントと横ばい、「規範に反した行為」が3.6ポイントの減少、「サービス・商品不備」が1ポイントの増加、「特定の層を不快にさせる行為」が2.6ポイントの増加という結果でした。
 


2-2.炎上の内容別 発生件数と割合(前年平均比)

前年平均の件数と比較すると、「情報漏洩」が1件減少、 「規範に反した行為」が9件減少、「サービス・商品不備」が10件減少、「特定の層を不快にさせる行為」が10件減少しました。
 

前年平均の割合と比較すると、「情報漏洩」が0.8ポイントの減少、「規範に反した行為」が4.6ポイントの減少、「サービス・商品不備」 が5.6ポイントの減少、「特定の層を不快にさせる行為」が11ポイント増加しました。
 

2-3.炎上の内容別 発生件数と割合(前年同月比)
 
前年同月の件数と比較すると、「情報漏洩」が1件減少、「規範に反した行為」が14件減少、「サービス・商品不備」が25件減少、「特定の層を不快にさせる行為」が33件減少しました。
 

前年同月の割合を比較すると、「情報漏洩」が0.6ポイント減少、「規範に反した行為」が3.9ポイントの減少 、「サービス・商品不備」が10.6ポイントの減少、「特定の層を不快にさせる行為」が15.1ポイント増加しました。
 

3.炎上内容の詳細区分別 発生件数

炎上内容の詳細を分析したところ、「問題発言」に関する炎上事案が37件と最も多く、次いで「非常識な行動(モラルのなさ)」に関する炎上事案が24件でした。
 

4.法人等の業界別発生件数
4-1.法人等の業界別発生件数と割合(炎上の内容別)


炎上主体のうち、「法人等」に該当する炎上35件を業界ごとに分類しました。炎上事案が最も多かった業界は「メディア」業界で12件(34.3%)という結果でした。
「教育」「生活関連」「飲食」「電機・精密」業界で「規範に反した行為」がそれぞれ1件ありました。

業界別の炎上種別を割合で見た場合、結果は下図の通りです。
「メディア」業界は全体の件数は多いものの、「規範に反した行為」はなく、「特定の層を不快にさせる行為」が91.7%という結果でした。
一方、「生活関連」「芸能」「建設・不動産」「医療」「飲食」「電機・精密」業界は「規範に反した行為」「サービス・商品不備」の割合が比較的多くを占めています。
 
5.企業規模別の炎上発生件数と割合

炎上の主体が「法人等」の場合について、上場企業か否か、また、それぞれの従業員数について分析しました。なお「法人等」に該当する炎上事案は、日本国内に所在する企業のみを対象としています。

5-1.炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前月比)

上場区分に関して「上場企業」が主体となった炎上事例が6件(20.7%)、「非上場企業」が主体となった炎上事例が23件(79.3%)という結果でした。
前月と比較しますと、「上場企業」の件数は2件減少、「非上場企業」の件数は6件増加しました。
 

割合を比較しますと、「上場企業」の割合は11.3ポイント減少しました。
 

5-2.炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年平均比)

前年平均と比較しますと、「上場企業」「非上場企業」ともに同一の件数でした。

割合についても同一の割合でした。
 

5-3.炎上主体における上場企業・非上場企業の件数と割合(前年同月比)

前年同月と比較しますと、「上場企業」の件数は5件減少、「非上場企業」の件数は8件減少しました。
 

割合を比較しますと「上場企業」の割合は5.5ポイント減少しました。
5-4.従業員数・売上別

従業員数2500人未満、売上高400億円未満の企業規模で多く炎上事案が発生しました。
一方で従業員数8000人以上の企業でも炎上事案が発生していることから、どのような従業員数や売上高であっても、炎上は発生する可能性があるといえます。

また下図のグラフには記載がありませんが、売上高3兆円、従業員数7万人といった大企業の炎上事案も確認されました。
 

■分析コメント
西村あさひ法律事務所 パートナー 沼田 知之 氏


10月度の炎上事例は101件と先月より20%程度減少しました。昨年平均と比較しても著名人が35件、法人が27件と減少しており、今後、減少傾向が継続的なトレンドとなるか注視が必要です。

企業では、従業員等のSNS利用に関してガイドラインを設ける例が増えていますが、ブランドイメージやレピュテーションの維持のためには、SNS利用者としての従業員の行動を制約するだけでなく、オフィシャルな発信者としての営業部門・PR部門等に対しても、メディアリテラシーや、どのような発言が社会的に反発を集めやすいかといった点について、教育を実施することが求められていくと考えられます。また、一定の頻度で炎上が生じること自体は避けがたいとすれば、平時対応だけでなく、炎上発生時に迅速な対応を取れる有事の体制整備も必要となります。

■(参考)分類基準
1.分類基準(炎上の主体)


抽出したデータは以下の表1に基づき分類しました。
(表1)分類基準(炎上の主体)

 
個人 著名人 芸能人、政治家、アスリート、経営者
それ以外の職業人物については、データ確認日時点でフォロワー(もしくはチャンネル登録者、読者登録者)数が100万人を超えている場合
一般人 著名人の条件にあたらない個人
法人等 メディア以外の法人 メディア以外の法人、社団法人、公益団体
法人の関係者(役員、従業員等)
メディア テレビ局、新聞社、出版社、ネットメディア等

参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、 2016

公に情報を発信する機会の多いメディア関連の法人については、炎上に至る経緯に違いがあるため、他業種の法人と分けて集計を行っております。

2.分類基準(炎上の内容)

抽出したデータは以下の表2に基づき分類しました。
(表2)分類基準(炎上の内容)

 
分類名 詳細
情報漏洩 -
規範に反した行為 法令等、規範に反した行為
暴力・暴言、著作権法違反、ハラスメント等
サービス・商品不備 サービス・商品の不備による炎上
異物混入、サービス・商品の瑕疵等
特定の層を不快にさせる行為 法令等、規範に反した行為ではないものの、他者を不快にさせる行為
問題行動、問題発言、差別、偏見、SNS運用関連等

参考:山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授):
『ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」』、 出版記念公開コロキウム用資料、 2016


3.分類基準(業界)

また、炎上の主体が「法人等」の場合、20の業界に分類しました。
なお、該当しない業界に関しては「その他」としてデータを処理しました。
 
金融 サービス 食品 政治
IT 建設・不動産 生活関連 芸能
メディア 物流・運送 衣料・装飾 教育
自動車・機械 エネルギー・資源 飲食 医療
小売・卸 電機・精密 娯楽・レジャー 宗教団体

参考:業界動向サーチ「ジャンル別業界一覧」https://gyokai-search.com/2nd-genre.htm



■一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所 概要
名称:一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所
代表理事:佐々木 寿郎
アドバイザー:山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
沼田 知之(西村あさひ法律事務所所属弁護士)
設立日:2023年1月20日
公式HP:https://dcri-digitalcrisis.com/
関連会社:シエンプレ株式会社


 

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