牛の分娩の兆候をAIで検知する、ライブモニタリングシステム「NiLIMo」を発売
第一次産業の人手不足などの地域課題解決に貢献
株式会社ニコン(社長:馬立 稔和、東京都港区)は、牛の分娩の兆候・開始をAIと画像解析技術で検知し生産者へ知らせる、ライブモニタリングシステム「NiLIMo(読み方:ニリモ)」を開発し、株式会社ニコンソリューションズ(社長:園田 晴久、東京都品川区)が発売します。熊本県内の肉牛生産者の協力を得て実証実験を開始しており、2024年から順次全国に展開予定です。母牛は分娩が近くなると、運動量が増加する、立ったり座ったりを繰り返す、しっぽを上げるなど特徴的な動きをします。羊膜や子牛の足が体外に出る際には、緊急の対応が必要になる場合も少なくありません。本システムは、牛舎内に設置する複数のカメラで母牛を常時モニタリングし、生産農場内に設置する機器で画像をAI処理して、特徴的な動きの解析を行います。データは、インターネットを介してデータセンターへ送られ、専用アプリをダウンロードした生産者やオーナーのスマートフォンにメッセージと音声で通知します。
牛の分娩が近くなると、生産者は夜間を含めた定期的な見回りなどが必要で、特に中小規模の生産者の大きな負担になっていました。本システムは生産者の経営に直結する確実な分娩を支援することに加え、牛の情報や行動履歴を一元管理し、リアルタイムで共有することで、業務効率化も後押しします。
今後も生産者の声を聞きながら、システムの改良を進めるとともに、乳牛や他の家畜にも応用できるよう開発を進めていきます。ニコンは生産者に寄り添いながら、畜産業界のDX化を支援することで、地域課題解決に貢献していきます。