【名城大学】新型コロナ流行下の救急活動に関する調査(2023年)結果の速報を公開

名城大学

名城大学人間学部の畑中美穂教授と筑波大学の松井豊名誉教授は、2020年から続く新型コロナ禍において、これまで2度、救急活動を担う消防職員の負担ストレスを明らかにする調査を実施してきました。本速報では、今回新たに調査した結果とこれまでの調査内容を比較し、まとめた結果の一部を報告します。 速報の詳細内容については添付PDFもしくは本学サイトのニュースリリース(https://www.meijo-u.ac.jp/news/asset/207d94835aa90c3470df6d46218cf9ea.pdf)からご覧いただけます。 【ポイント】 ・新型コロナ流行から3年以上が過ぎた2023年8月21日から10月3日に、消防職員2774名(有効回答数2244名)にストレスの実態と、今後のパンデミックに備えた対策についてアンケートを実施。 ・自身や隊員、家族への感染不安の他、病院選定に関わるストレスや感染防護衣による活動負担は、流行初期から改善されておらず、むしろ悪化。 ・感染危険手当ては実施されているものの、不十分。5類移行後の手当ての停止に対する不満を訴える声が多数あり。救急車の適正利用に関して、市民の理解を求める現場の切実な声も。 【研究背景】 2020年から続く新型コロナ禍において、全国の消防職員は、陽性患者や感染が疑われる人への対応に従事してきました。特に、昨年の第六波(2022年1~3月)、第七波(2022年7~9月)、第八波(2022年11月~2023年1月)では、全国的に感染者数が増大し、救急現場の負担が大きかったことがうかがわれます。本年5月には、新型コロナの位置づけが5類へと変更されましたが、未だ感染の収束はみられず、救急現場への影響は続いているものと推察されます。 流行当初(2020年8月、第二波流行期)および一昨年(2021年10月、第五波直後)に実施した調査では、消防職員は、新型コロナに起因する様々なストレスを抱えていました。新型コロナが流行し始めてから3年以上経過した現時点で、救急現場にどのような課題が残存しているかを明らかにするために、救急現場のストレスの実態把握、ならびに今後のパンデミックに備えた対策のあり方の検討をすることが必要と考えられます。 【研究目的】 このような背景を踏まえ、昨年(2022年1月)以降、調査時点までの救急活動を振り返って、新型コロナ流行下で救急活動を担う消防職員の負担やストレスを明らかにする調査を実施しました。調査の目的は、本調査(2023年調査)の結果と、以前に行われた2つの調査(2020年第二波流行期、2021年第五波直後)の結果とを比較し、消防職員の負担やストレスが軽減されているかを検討すること、および、今後のパンデミックに備えて必要とされる対策を検討し、救急現場が抱える課題を明らかにすることでした。本速報では、その結果の一部を報告します。 【調査概要】 以前の調査内容をもとに調査項目を選定し、機縁法で全国の消防職員に調査協力を呼びかけ、オンラインで回答を求めたところ、2774名の消防職員から回答を得ました。このうち、回答を最後まで完了し、昨年(2022年1月)以降の救急出場頻度が「月1回以上」の方を分析対象としました。 【調査結果(概要)】 ①出場頻度 2022年以降は救急出場の頻度が大きく増加。 ②救急活動中の体験 感染防護服を着て活動する困難さや、新型コロナ対応による過負担、自身が感染した場合に周囲にかかる迷惑の懸念、活動負担に見合わない手当への不満を多くの消防職員が抱えていました。新型コロナの流行から2年以上経過した第六波以降においても、救急現場の負担は軽減されておらず、特に、業務過多の問題は以前よりも深刻化。 ③病院選定時および搬送に関わる体験 病院選定と搬送に関わる問題は、第二波期や第五波直後と比較して、顕著に増加。 ④救急活動に関わる不安やストレス 自身や隊員、家族への感染不安の他、病院選定に関わるストレスや感染防護衣による活動負担は、流行初期から改善されておらず、むしろ悪化。 【提言(概要)】 ①感染防護資器材の備蓄・確保方法の検討と改良 ②病院選定と搬送に関わる負担の解消 ③感染危険手当てのさらなる充実 ④活動負担・業務過多の見直し ⑤救急車の適正利用 一般の方も救急活動に理解を ■速報の詳細については添付PDFもしくは本学サイトニュースリリースをご覧ください 名城大学ニュースリリースURL:https://www.meijo-u.ac.jp/news/asset/207d94835aa90c3470df6d46218cf9ea.pdf 【研究に関するお問い合わせ】 畑中 美穂(ハタナカ ミホ) 名城大学 人間学部 教授 〒461-8534名古屋市東区矢田南4-102-9 E-mail: hatanaka@meijo-u.ac.jp ▼2020年8月調査結果速報リリースはこちら https://www.meijo-u.ac.jp/news/asset/31262ca65d819b89f3509ddee53077b1.pdf ▼2021年10月調査結果速報リリースはこちら https://www.meijo-u.ac.jp/news/asset/a26d5b85f7b0bc3eb93f4ca17e3d2f17.pdf ▼本件に関する問い合わせ先 名城大学渉外部広報課 住所:愛知県名古屋市天白区塩釜口1-501 TEL:052-838-2006 FAX:052-833-9494 メール:koho@ccml.meijo-u.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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