医療ビッグデータ活用した阿南氏らの尿路結石症治療の研究 日本尿路結石症学会賞を受賞
【学会賞の表彰状】
この研究は、糖尿病治療薬(SGLT2 阻害薬)による腎結石の形成抑制作用を、世界で初めて検証したもので、▽疫学研究によりSGLT2 阻害薬は日本の男性糖尿病患者での尿路結石罹患割合の減少と関連していたこと▽動物実験、細胞実験により、SGLT2 阻害が腎結石形成を抑制し、その機序に炎症反応が関与していることーが明らかになり、SGLT2 阻害薬は腎結石に対する有望な治療アプローチとなる可能性があるという結果を導きだしました。またこの研究には、メディカル・データ・ビジョンの保有する国内最大規模の診療データが活用されました。
※【東北医科薬科大プレスリリース】糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)に新たな可能性~糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)による尿路結石抑制の可能性を 日本人の大規模疫学データで検証~
https://www.tohoku-mpu.ac.jp/medicine/media-medicine/67318/
【写真:阿南氏 四谷メディカルキューブ提供】
「この度は、栄誉ある日本尿路結石症学会の学会賞を受賞できましたこと、大変嬉しく思います。本研究は、腎臓内科・薬剤部の先生方との共同研究で、糖尿病治療薬であり心・腎保護作用も注目されているSGLT2阻害薬が、抗炎症作用により腎結石形成を抑制するかを、リアルワールドデータ・動物・細胞実験から検討したものです。将来的にはSGLT2阻害薬が尿路結石予防や治療につながるかを検討する臨床研究をして、実際の臨床現場に治療薬を届けられるように進めていきたいと思います」
【論文に掲載した「SGLT2阻害による腎結石形成メカニズム」】