遺伝情報などを用いたスポーツ支援サービスの開発に関する共同研究を開始

日本電信電話株式会社

 日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:島田明、以下「NTT」)とNTTライフサイエンス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:是川幸士、以下「NTTライフサイエンス」)、順天堂大学(東京都文京区、学長:新井一、以下「順天堂」)、サッカー 大宮アルディージャ(※1)、およびラグビー 浦安D-Rocks(※2)は、さまざまなスポーツにおいて、科学的データやその分析結果を活用し、アスリートとチームの強化やスポーツ外傷・障害の予防をめざすスポーツ支援事業の開発に着手し、共同研究を開始しました。
 1年間の共同研究を通じ遺伝子解析結果に基づいた、個別化プログラムの作成をめざします。NTTライフサイエンスは、本研究成果を通じて、アスリートのレベルアップ、スポーツ外傷・障害予防、チーム運営に資するエビデンスベースのデータ駆動型メソッド提供を早期に実現し、スポーツに関わる人と組織をサステナブルに支援するサービスの提供をめざしてまいります。

※1 NTTスポーツコミュニティ株式会社(埼玉県さいたま市、代表取締役社長:佐野秀彦)が運営しています
※2 株式会社NTT Sports X(千葉県浦安市、代表取締役社長:下沖正博)が運営しています

1.共同研究期間
 2023年4月1日~2024年3月31日

2.取り組みの内容
 競技スポーツにおけるアスリート育成においては、競技力向上を目的とし、過去の経験に基づいたトレーニングメニューが採用されているケースが見られますが、同じ内容や量、質のトレーニングを実施していても、アスリートごとに個人差が現れるという研究結果があります。トレーニング効果の個人差の原因解明は日々進んでおり、具体的な対策が示されることが期待されています。
 また、チームマネジメントが変わると、そのリーダーらのノウハウによるチーム作りが開始される傾向がありますが、過去の情報をデータとして引き継ぎ、チーム運営・強化に活用することが望まれます。
 本共同研究は、アスリートのスポーツに関連する遺伝子解析結果を、チームやアスリート個人が活用する情報(試合や練習中の歩数、食事などの生活習慣、健康診断結果、動作解析用の画像データなど)に加え、網羅的に分析を行う予定です。この分析結果と考察から導き出したトレーニングメニューを選手やチームに提供、一定期間活用したときの効果を検証します。
(別紙1 本検証の取組み 参照)
 これまでに本検証に参画する有識者による検証体制の構築、ならびに各チーム・選手の解析をおこなう環境整備を終え、現在遺伝子検査を実施し解析を開始しています。本取組の経過や成果は、報道発表や学会発表などを通じて発信していく予定です。

【各機関の役割】
■順天堂大学
 競技能力やスポーツ外傷・障害に関連する、遺伝子解析やアスリート育成・管理の知見をもとに、遺伝子解析などの解析手法の検討や解析結果の解釈、個別化プログラムの構築を担当。スポーツ健康医科学推進機構(機構長:鈴木大地)が中心となり、多分野の研究者・医師が連携して対応。
(別紙2 順天堂大学から参画する主要なメンバー 参照)

NTTグループ
 NTTグループ所属のプロスポーツチーム 大宮アルディージャ・大宮アルディージャVENTUS、浦安D-Rocksでの遺伝子解析、個別化プログラム検証、データ分析を担当。
 NTTはグループが有するIoT、AI等の情報通信技術や画像解析技術などをもとに、選手及びチームに対して日々のトレーニングやチーム練習、試合での分析に役立つツールなどを提供予定。更に、スポーツ界への本研究成果の幅広い展開及び貢献をめざし、NTTグループ各社のアセットを活用し、社会実装の検討を実施。

 本共同研究ではNTTグループに所属するプロスポーツチームを対象とします。本共同研究の成果を展開するため2023年度からNTTグループ外のスポーツ競技団体のほか、多様な解析手法やデータ分析ノウハウを持つ企業さまの参画を募る予定です。スポーツ競技の種類も拡大し、提供する個別化プログラムを多様化します。

3.NTTライフサイエンスの事業ビジョン
 NTTライフサイエンスは、本研究成果で確立した手法により、アスリートへの個別化プログラムを提供し、競技力の向上、スポーツ外傷・障害予防に貢献します。さらに、チーム強化における新たな視点に立った評価指標の提供を実現し、スポーツに関わる人と組織をサステナブルに支援する環境を提供してまいります。
 本共同研究で得られた成果は、トップアスリートに限らず、スポーツに取り組むジュニア世代の健全で有効な育成メソッドや、スポーツを楽しむアマチュア層や学校スポーツの現場での安全管理への活用も視野に入れ、成果検証モデルのバリエーションを増やしてまいります。
(別紙3 めざす事業イメージ)

 あるチームに所属していた選手が移籍をきっかけにそれまでの不調続きから一転、好成績を残せるようになる時や、その逆のことが見られることがあります。これは、所属チームの戦略やトレーニング方法などが偶然その選手とマッチしていた、あるいはミスマッチが生じたことによるものかもしれません。このようなミスマッチを未然に防ぎ、アスリート1人1人のパフォーマンスを最大化できるような方法を開発すべく、環境要因(トレーニングや栄養など)や遺伝要因といった多角的な観点から検討していきます。
福典之先任准教授(順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科)

別紙1 本検証の取組み

別紙2 順天堂大学から参画する主要なメンバー
鈴木 大地
大学院スポーツ健康科学研究科 教授
スポーツ健康医科学推進機構 機構長
専門分野:コーチング科学
 
福 典之
大学院スポーツ健康科学研究科 先任准教授
専門分野:スポーツ遺伝学、スポーツ生理・生化学

別紙3 めざす事業イメージ

 






 

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