横浜市における腎疾患・慢性腎臓病対策の推進を目指す「横浜慢性腎臓病(CKD)対策協議会」を発足
今般、2023年7月14日(金)に、その第1回協議会を開催し、会長・副会長の選出の他、モデル事業の概要と協議会で議論する内容や、分科会の設置など、活発な意見交換を行いました。
1.横浜慢性腎臓病(CKD)対策協議会の活動
厚生労働省のモデル事業の取組のひとつとして、関係する各団体とともに立ち上げた本協議会では、下記の趣旨、目的を掲げ、横浜市における慢性腎疾患の対策を推進します。
【設置の趣旨】
診療体制の構築及び多職種連携による療養指導等の実施に必要な検討や評価等を行う。
【目的】
横浜市医療局との連携によりヘルスデータに基づくCKD関連データを可視化することを通して、横浜市における包括的腎疾患対策を推進・強化することで、県民・市民の健康を増進させる。
【活動内容】
以下について協議する。
・慢性腎臓病(CKD)重症化予防のための診療体制の構築
・多職種連携による療養指導等の実施に必要な検討や評価
・健保組合等と連携した積極的な受診勧奨実施の支援方法
・企業・産業医等に対する啓発資料の配付
・多職種連携における療養指導及び両立支援の実施 等
【委員】※五十音順・敬称略
2.関係者コメント
今回の厚労省事業では横浜市の医療ビッグデータ(YoMDB)と社会保険診療報酬支払基金レセプトデータを対象とした大規模データ分析による慢性腎臓病関連データの可視化を通じてデータドリブンな包括的対策を行うため、横浜市・横浜市立大学附属病院・医学研究科・国際マネジメント研究科・データサイエンス研究科が緊密に連携で きる体制を構築します。
本協議会では、ヘルスデータに基づいてCKD関連データの可視化をはかることで、横浜のCKD患者の実態に迫り、重症化予防のための診療体制の構築や健保組合等と連携した積極的な受診勧奨実施、企業・産業医等に対する啓発に努めてまいります。ご指導とご協力につきまして、よろしくお願いいたします。
用語説明
*1 「令和5年度慢性腎臓病(CKD)重症化予防のための診療体制構築及び多職種連携
モデル事業」
我が国の慢性腎臓病(CKD)は、悪化し末期腎不全に至れば人工透析が必要となり、
患者のQOLの低下や医療費の増大が課題となっている。
本事業は、重症化予防及び患者のQOLの維持向上を図ることを目的に、都道府県や
健保組合、健診施設、地域の医師会、産業医や企業等と連携し、病院が実施主体となる
会議体の設置等を厚生労働省が支援する事業。
横浜市立大学附属病院は「エビデンスに基づく腎疾患対策(EBPM)推進の恩恵をすべての市民、地域に行きわたらせ魅力あふれる都市をつくる」をテーマに申請し、採択された。
〇本学ホームページ(令和5年度慢性腎臓病(CKD)重症化予防のための診療体制
構築及び多職種連携モデル事業に採択)
https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2023/20230508_cdk_tamura.html
〇厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30954.html
*2 腎疾患・慢性腎臓病(CKD):
慢性腎臓病(CKD)は、腎機能低下が続く様々な腎臓病の総称。現在日本で
は、20歳以上の約8人に1人が患者とされ、推定患者数は約1300万人で新たな国民病ともいわれる。