【お知らせ】デロイト トーマツ、独自開発のAIモデルを活用したSaaS型サービス、医療エビデンス合成支援ツール「Rapid Medical Evidence Synthesis」を提供開始

デロイト トーマツ グループ

医療従事者や医療関連企業向けに、信頼性の高いエビデンスの迅速な創出を様々な形で支援

デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社(東京都千代田区、代表取締役 岩村篤)は、製薬企業など医学研究に関わる企業や研究機関を対象に、独自に開発したAIモデルを活用した医療エビデンス合成支援ツールである「Rapid Medical Evidence Synthesis」のSaaS型サービスでの提供を開始します。これまでは、製薬企業へのアドバイザリーサービスを提供する中で「Rapid Medical Evidence Synthesis」を活用していました*1が、クライアント企業の要望を基に今回のSaaS型サービスの提供開始を決定しました。
医療エビデンス合成研究の有効性と課題
近年、様々な業種・業態で科学的根拠に基づいた意思決定が取り入れられています。特に医療領域では、以前より科学的根拠(エビデンス)に基づく医療、商品、サービスの考え方が広まっており、強い科学的根拠を活用することが重要になっています。

こうした中で、医療エビデンス合成研究は、系統的レビュー(Systematic Literature Review)と系統的レビューにより収集した研究群を統合解析するメタ解析(Meta-Analysis)を組み合わせた、特定のトピックに関連したエビデンス(研究論文)を網羅的に収集し統合する手法です。その研究を通じて創出されるエビデンスは、科学的な信頼度が非常に高く、伝統的な考えの下ではエビデンスレベルの最上位に属しており、医療領域では各種診断・治療ガイドライン策定に多用されています。また、医療エビデンス合成はもちろんのこと、総合的な視点・多角的な視点で評価された強い示唆を得ることができるため、メディカル戦略策定・検討や競合分析、自社製品のポジショニングの把握、様々な意思決定などにも活用できる有用な手法であると考えられます。

しかし、医療エビデンス合成研究においては、網羅的に論文を検索・検証する必要があり、この工程に数十から数百時間の工数を要することが少なくありません。また、この網羅的な検証後に行うメタ解析では、実施に高度な生物統計の知識やプログラミングの知識が要求されるため、専門性がある人材の確保が必要となり、実施ハードルの高さが課題となっています。そのため、医療エビデンス合成だけでなく、メディカル戦略策定や意思決定などに際して非常に有用なエビデンスを得られる可能性が高いにもかかわらず、なかなか実行に移せない状況があります。

医療エビデンス合成支援ツール「Rapid Medical Evidence Synthesis」の特徴
  • 高精度の情報抽出AIモデルを活用することで、直感的なUI上の操作で系統的レビューにおける論文の一次スクリーニングを可能にしており、網羅的な論文の検索・検証に要する工数の節減を実現します。
  • 通常の直接比較を実施するメタ解析や、通常のメタ解析を拡張させ、間接比較も可能にしたネットワーク・メタ解析について、高度な専門的知識やプログラミング・スキルを要せず実施できるよう、メタ解析・ネットワーク・メタ解析の実行から、その分析結果を可視化するまでの一連の作業をノーコードで実行できる機能も提供しています。
  • 上記ツールの特徴により、工数の節減や専門性が高い知見を要するという課題をクリアすることで、医療エビデンス合成研究の実施ハードルを下げることを実現しています。
  • また、迅速な実行を実現したことで、様々な疾患、様々な患者集団など、視点や層・グループを変えながら、繰り返し、探索的に医療エビデンス合成研究を実施することも可能になり、例えば研究を通じて自社製品のポジショニングをより精緻に把握し、見出した示唆をメディカル戦略策定などにつなげていく、といった活用もできると考えられます。
  • クラウド上で運用しているため、お客様がライセンスを購入後、アカウントが発行され次第ウェブ・ブラウザ経由でアクセスでき、短期間で利用開始が可能です。
ツールの詳細については、以下をご参照ください。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/deloitte-analytics/solutions/rapid-medical-evidence-synthesis.html
 
サービス提供形態
今回のSaaS型サービスは、これまでも提供してきたアドバイザリーサービスと併用するなど、様々なニーズに合わせて提供することが可能です。具体的なサービス提供形態は以下の通りです。

1. SaaS型サービス(サブスクリプション)
Software as a Service(SaaS )として、「Rapid Medical Evidence Synthesis」をクライアントへ提供。クライアント自身が、任意の環境・端末より接続し、このツールを活用して医療エビデンス合成研究を実施。

2. アドバイザリーサービス(1プロジェクト単位での契約を想定)
メディカル戦略の策定やこれに付随する競合分析や自社製品のポジショニングの分析、具体的な医療エビデンス合成に対する計画策定から外部発表に至る一気通貫した支援など。医療エビデンス合成研究も含めたエビデンスを活用する包括的な活動について、ニーズに合わせて支援。

3. SaaS型サービス+アドバイザリーサービス(Option)
上記、1と2を組み合わせたサービス。「Rapid Medical Evidence Synthesis」をクライアントへ提供しつつ、例えば支援が必要な部分を中心に、当法人の専門家が伴走しながら医療エビデンス合成研究の実施を支援。

*1 トーマツ、独自開発のAIモデルを搭載した医療エビデンス合成支援ツールを開発
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20220929.html


 

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