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【本件のポイント】
・製造業では20年間で157万人の就業者が減少しており人手不足が顕在化、福祉分野では「就労継続支援B型」該当者の全国平均工賃は最低賃金(全国平均)の約4分の1という待遇に課題これらを解決するためにKOUFUKU(工業×福祉)連携プロジェクトを発足
・川崎重工業(株)およびJOHNAN(株)、京都大学、和歌山大学の協力を得て、南山城学園内に障がいを持つ方と協働型ロボットの特性を発揮したセンサーデバイスの製造ラインを構築
・龍谷大学の学生グループは、既存の福祉作業所での工程記録やロボットのもつ機能の洗い出しを行い、今後より多様な仕事を作り出すためのツール制作を実施
【本件の概要】
「仏教SDGs」を推進する龍谷大学(所在地:京都市伏見区)のユヌスソーシャルビジネスリサーチセンターと南山城学園(法人本部:京都府城陽市長池五社ヶ谷14番地1)は2021年6月にKOUFUKU連携プロジェクトを立ち上げ、同法人の「就労継続支援B型※1」事業所内に協働型ロボットシステムを導入し、センサーデバイスの製造ラインを構築しました。
比較的重度の障がいがあること等から、障がい者向けの就労支援施設において雇用契約を結ばない形態「就労継続支援B型」で就労されている方の全国平均収入は、月額16,507円(時間額233円)で最低賃金(全国平均)の約4分の1という状況にあります。一方、障がい者は多様な特性をもっており、その発揮の仕方によっては価値ある製品や作品を生み出しうることは、障がい者アートの分野でよく知られています。
今回のプロジェクトでは、福祉分野とこれまであまり連携がされてこなかった製造業とのコラボレーションによって、より高付加価値で高単価な製品を生産し、施設利用者の工賃の上昇を目指しています。また、KOUFUKU連携は製造業の人手不足や熟練者の引退に伴う技能消滅といった課題の解決にも寄与する可能性を秘めています。
ロボットシステムの導入にあたっては、ロボットメーカーである川崎重工業株式会社、ロボットSIer※2であるJOHNAN株式会社、協働型ロボットの普及について研究する京都大学、センサー製品を開発する和歌山大学等と連携し、製造業分野における初のロボットと障がい者の協働するシステム導入に向けて取り組んできました。また、本学の学生グループが、南山城学園やロボットメーカーでの調査をもとに既存の福祉作業所での工程の記録やロボットのもつ機能の洗い出しを行い、今後より多様な仕事を作り出すためのツールづくりにも取り組んでいます。
今後、本プロジェクトでは2023年10月の製品の出荷に向けて基板製作・製品化に取り組むとともに、南山城学園の利用者や職員、地域社会に生まれた社会的インパクト(短期的、中長期的成果)の可視化にも取り組みます。
<センサーデバイス製造ライン設置場所>
南山城学園 障害者支援施設 魁(さきがけ)
南山城学園内にある就労支援施設(「就労継続支援B型」事業所)で、ランドリーサービスや箱の製作、広告の折り込み作業などを行っています。常時、10〜15名の利用者が軽作業に取り組み、職員6名がそのサポートを行っています。
※1 就労継続支援B型
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難である方に対して、就労の機会や生産活動等の機会の提供、また、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練・支援を行う事業所及びサービス
※2 ロボットSIer
ロボット導入時のシステム開発や運用などを請け負う企業
【参考URL】製造ラインを稼働させた作業・トレーニングの動画
https://www.ryukoku.ac.jp/_test/datak/2023koufuku/
問い合わせ先:
龍谷大学ユヌスソーシャルビジネスリサーチセンター(龍谷エクステンションセンター内)
Tel 075-645-2098 E-Mail ysbrc@ad.ryukoku.ac.jp
https://ysbrc.ryukoku.ac.jp/
社会福祉法人南山城学園法人本部 事務局
Tel 0774-54-7210 E-Mail s.iwata@minamiyamashiro.com
https://minamiyamashiro.com
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/