日本製鉄株式会社（以下、日本製鉄）と東海旅客鉄道株式会社（以下、JR 東海）は、「新幹線用新型ブレーキパッド」の共同開発において、「令和5 年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞（開発部門）」を受賞しました。本賞は、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的として文部科学大臣が授賞するものです。特に、開発部門においては、社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発に対して贈られます。

１．受賞内容
(1) 受賞名：令和5 年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞（開発部門）
(2) 受賞件名：新幹線用新型ブレーキパッドの開発
(3) 受賞者：日本製鉄、JR 東海

２．「新幹線用新型ブレーキパッドの開発」の概要
従来のブレーキパッドは、高速時に急ブレーキをかけた際に、摩擦材がディスクの熱変形に追従せずに部分的に接触することで、ブレーキ力の低下等を誘発するという課題がありました。この課題を解決するために、摩擦材がディスクの熱変形に追従して均一に接触する新型ブレーキパッドを開発・実用化しました。これにより、ブレーキ性能が向上し、ブレーキ距離の短縮を実現しました。

 
日本製鉄は、新型ブレーキパッドの基本構造の設計、FEM 解析を用いて構造の最適化を図り、性能を評価しました。また、JR 東海と共同でブレーキ装置単体の基本性能を評価するとともに、実車両を用いたフィールドテストを実施し、新型ブレーキパッドの総合的なブレーキ性能および信頼性を評価しました。
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