世界の医療団トルコは、地震後の感染症の流行を防ぐため、健康対策を継続・強化するよう求めています
トルコの少なくとも10州に影響を及ぼす2度の壊滅的な地震から19日後、トルコで命を落とした人の数は4万4000人に達し、さらに数千人が負傷しています。そして、この地震の影響を受けた人の総数は、今後もかなりの期間にわたって増加しそうです。また、被災地では狂犬病や疥癬(かいせん)の発症が確認されており、感染症が蔓延する危険性があります。
不衛生な環境、避難所での集団生活、汚染された水の使用は、疥癬、麻疹、破傷風、水を媒 介とする病気など、伝染性の高い病気を蔓延させる危険性を高めています。アスベストやがれきによる粉塵は、この地域の誰もが吸い込むおそれがあり、呼吸器系疾患という点で深刻な脅威となります。また、専門家は、地震の被災地で狂犬病が流行するリスクにも注意を促しています。これらの感染症は、地震発生後4日から4週間の間に発生するので、直ちに有効な対策を講じなければ、あっという間に伝染病として蔓延する可能性があります。
トルコ保健省によると、破傷風や狂犬病などの重要なワクチンの供給が被災地域に送られ、 移動式の薬局も稼働を始めたとのことです。世界保健機関(WHO)は2月14日の声明で、トルコ保健省とともに対策を講じることを宣言し、トルコのチームを支援するために22の緊急医療チームを派遣しています。
世界の医療団トルコ(Dünya Doktorları/Médecins du Monde Türkiye)として、私たちはこれまでの対策を歓迎するとともに、地震の影響を受けた地域の広さと疫病の蔓延の速さを考慮して、公的機関や国際社会に対して、特にワクチンや必要な薬に関する対策を強化するよう要請しています。 衛生的な消毒対策は、細心の注意を払って行わなければなりません。トイレやシャワーの増設が必要であり、清潔な水へのアクセスという問題も早急に解決する必要があります。また、保護マスクや疥癬などの治療薬を全避難所へ配布することも欠かせません。 また、世界の医療団トルコ(Dünya Doktorları/Médecins du Monde Türkiye)は、国際社会やNGOに対し、資金や保健衛生用品を提供し、これらの活動を支援するよう呼びかけています。