Heartseed がiPS 細胞を用いた心筋再生治療薬(HS-001)の第I/II 相試験における1例目の移植成功を発表 ニコン・セル・イノベーションが治験用のiPS 細胞由来心筋細胞・心筋球を製造
本日、Heartseed は、虚血性心疾患に伴う重症心不全を対象とする他家iPS 細胞由来心筋球(開発番号:HS-001)の国内第I/II 相治験(LAPiS 試験)において、最初の患者への移植成功を発表しました。
このLAPiS 試験における他家iPS 細胞由来心筋球は、ニコン・セル・イノベーションが受託製造したものです。さらに、ニコン・セル・イノベーションとHeartseed は、両社の持つノウハウや技術を最大限に生かし、日本における商用段階の安定供給にむけた製造にも取り組んでいます。
ニコンおよびニコン・セル・イノベーションは、日本における再生医療実用化の早期実現とともに、人々のQOL(Quality of Life)の向上に貢献していきます。
※心筋球:心筋細胞を球状の塊(微小組織)にしたもの
Heartseed について
Heartseed は慶應義塾大学医学部循環器内科福田研究室のシード技術の事業化による心筋再生医療の実現化を目指して、2015 年に設立されたバイオベンチャーです。iPS 細胞から高純度の心室型心筋細胞を作製する技術、移植技術やiPS 細胞の作製方法など、心筋再生医療の普及に必要な多数の独自技術を有しています。これまでに「Japan Venture Awards 2021」において「科学技術政策担当大臣賞」を、「大学発ベンチャー表彰2021」において「文部科学大臣賞」を、「Asia-Pacific Cell & Gene Therapy Excellence Awards (ACGTEA) 2022」において、「Most Promising Pipelines (iPSC Therapy) Award」を受賞しています。
HS-001 について
HS-001 は、他家iPS 細胞から心室筋を高純度で作製し、生着率を高めるために心筋球と呼ぶ微小組織にしたものです。単一細胞と比較して、心筋球にすることで細胞移植の生着率や生存率が向上することが非臨床試験で確認されています。心筋球は心臓の心筋層内へ投与することを目的として開発した専用の投与針(SEEDPLANTER®) とガイドアダプターを用いて移植します。
移植した心筋球は、患者の心筋と結合して再筋肉化することで心収縮力を改善し、また種々の血管新生因子を分泌して移植部位周辺に新たな血管を形成する (neovascularization) という作用機序が期待されています。
詳細は、Heartseed のウェブサイトをご覧ください。
Heartseed ウェブサイト
https://heartseed.jp/index.html
本日の発表について
https://heartseed.jp/news.html