米国中西部におけるバイオマス由来のCO2を用いたe-メタンの製造に関する実現可能性の検討の開始について

大阪ガス株式会社

 大阪ガスの100%子会社であるOsaka Gas USA Corporation(以下「OGUSA」)は、天然ガスパイプライン等のエネルギーインフラを保有・運営するTallgrass MLP Operations, LLC(以下「Tallgrass」)、バイオエタノールプラントを保有・運営するGreen Plains Inc.(以下、「Green Plains」)と、このほど、米国中西部において「e-methane*1(e-メタン)」(合成メタン)を製造する事業(以下「本事業」)の実現可能性の検討を行うための覚書を締結しました。
 2030年までに、フリーポートLNG基地にて液化し日本へ輸出する事も視野に、年間最大20万トンのe-メタンの製造を開始することを目指します。

 2050年の脱炭素社会実現に向け、産業・家庭部門の熱需要に対応するガス体エネルギーの脱炭素化は重要な課題です。e-メタンは、既存の都市ガスインフラや消費機器が活用できるため、スムーズなカーボンニュートラルへの移行と社会コストの抑制が可能です。さらには、発電分野、輸送分野での利用も期待されています。
 当社グループは、e-メタンの普及に向け、日本国内での技術開発・実証に加え、豪州・東南アジア・南米・北米等において複数のメタネーションに関する検討を進めています。

 本事業では、Green Plainsが保有・運営するバイオエタノールプラントから回収するバイオマス由来の二酸化炭素(以下「CO2」)と、天然ガスを改質して得られるブルー水素*2を用いて、2030年までに、年間最大20万トンのe-メタンを製造することを目標としています。また、将来的なグリーン水素*3の活用の可能性も視野に入れています。
 まずは2023年7月頃までに、ブルー水素・e-メタン製造プラントの技術検討、ブルー水素製造時に発生するCO2を回収・貯留(CCS)するための適地調査、事業性評価といった実現可能性の検討を行います。またOGUSAは、本事業と並行して、e-メタンをフリーポートLNG基地で液化して日本に輸出するスキームの検証もおこないます。
 
 Daigasグループは、今後も脱炭素社会実現に向けて、2021年1月に発表した「カーボンニュートラルビジョン」のもと、脱炭素社会に貢献する技術・サービスの開発に取り組み、気候変動をはじめとする社会課題の解決に努め、暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループを目指してまいります。

*1:グリーン水素等の非化石エネルギー源を原料として製造された合成メタンに対して用いる呼称
*2:天然ガス改質時に発生するCO2を回収・地下貯留して製造される水素をブルー水素と呼ぶ
*3:再生可能エネルギーを用いた水の電気分解により得られる水素をグリーン水素と呼ぶ



本事業の概要
<事業イメージ>
・バイオエタノール製造時に副産物として得られる高濃度CO2と、天然ガスを改質することにより得られるブルー水素から、e-メタンを製造する

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