Mendix、2023年に向け 「失敗しないDXの進め方」 に関する提言を発表 ~実現のカギは日常的な習慣としてのイノベーションにあり~
「一般に企業がつまずく原因は『大げさすぎることをやろうとする』時です。(中略)意思決定者に推奨するのは、いくつかのユースケースから始めることです。その中でインパクトの大きそうなものを選んでいく過程が、最終的に全社のデジタル成熟度を評価することに繋がります」
- 有力な調査予測によれば、さまざまなグローバル企業のDX投資総額は10兆ドルを超える一方、その70%以上が失敗に終わる
- 同じく、デジタルファーストの経済が加速する中、デジタル化で先行した企業の収益成長率は、乗り遅れた企業の1.8倍に
- DX成功への近道は、高速アプリケーション開発(RAD)が開く可能性と、人材、ビジネスポートフォリオ、戦略の一貫性ある組み合わせから
最近発表された重要なレポートではいずれも、多くの企業が、デジタル化の推進なくして未来はないと既に理解していると報告しています。
- 米調査会社IDCは、企業のDX投資額は今後5年間に10兆ドルを超えると予測しています。
出典:https://www.deloitte.com/content/dam/assets-shared/legacy/docs/perspectives/2022/gx-lshc-dei-digital-section.pdf - PwCの調査によると、企業経営幹部の60%は、2022年の成長要素で最も重要だったのはDXだったとしています。
出典:https://www.pwc.com/us/en/library/pulse-survey/executive-views-2022.html - ボストンコンサルティンググループ(BCG)のレポートからは、80%の企業がDXの取り組みを一層加速させようとする動きが読み取れます。
出典:https://www.bcg.com/publications/2020/the-evolving-state-of-digital-transformation
鍵となる全てのプロセス、部門を横断した合意形成と成功体験を目指す
Mendixは、DXを成功させる最適な方法は、柔軟性、相互運用性、連動性に優れたオープンなデジタルビジネス・プラットフォームを提供し、その価値を速やかに実証したうえでイノベーションを大規模に進めることだと考えています。この実現には、全社的に整合性ある戦略の構築が必要で、明確で簡潔な実行計画と成果測定指標が不可欠です。そのためには、DXの考え方を根本から変えなければなりません。いくつもの「1回限り」の取り組みを繋がりなく繰り返すのではなく、継続的な習慣として定着させる必要があります。
デジタル化の習慣を構造化し、定着させるには、まず自社のデジタル成熟度や現時点でのアプリケーション環境を正確に把握しておかなくてはなりません。次にこれをベースに、変化に対応できる文化をどのように構築するか、ビジネス上重要な目標に向かう進化の状況をどう示し、全社的合意を形成していくかを示す拡張可能なロードマップを作成します。予めこのように整理された実行計画を欠く場合には、リスクを避けようとする意識や変化に対する抵抗のような感覚的障壁によって、戦略的ビジョンと実行の間に乖離が生じます。その結果、DXプロジェクトが失敗する確率は上がり、成功率はわずか30%という予測に繋がるのです。
Mendixの最高マーケティング責任者(CMO)であるニック・フォード(Nick Ford)は次のように述べています。
「DXの大前提は、過去にとらわれずに未来を構築しようとすることです。イノベーションとは、全く新しい何かを創造することからだけでなく、すでに存在しているものを改善することによっても生み出されるものです。ほとんどの企業が、テクノロジーによって、こうした取り組みを一気に加速していこうとしています。それはとても大切なことですが、順調なスタートを切るカギは、やはり人です。チーム構成や企業文化、ビジネス状況や設計思想、期限やリスク要因などのすべてが結果を左右します。Mendixでは、企業が人材、製品・サービスの構成、事業プロセス、プラットフォームの総合的な自己査定から始め、どのようにDXに着手すべきか、詳しく説明しています。どれほど優れた考え方であったとしても、ひとつでは不十分です。また、リードする部門のみが活動し、周囲はただ見守るだけのような状況では、素晴らしい取り組みが改革に繋がることはないでしょう」
次世代の問題解決に適したローコード
コロナ禍以前、企業は新しいデジタルビジネスのために新しいアプリケーションを開発してきました。当時のローコード活用の主目的は、そのコスト削減とスピードアップでした。その後多くの企業に導入されたローコードプラットフォームは、現在ではオペレーションの合理化や自動化、顧客体験のデジタル化の推進に不可欠な役割を果たすようになっています。今日、ローコードによって、データを多目的に活用し、次世代テクノロジーを基幹システムに連携できるようになったため、企業はデジタルファーストの市場で成功できるようなビジネスモデルの改革を進められるようになりました。
実際、ローコード開発によって、ビジネス部門とIT部門との継続的連携は促進されるでしょう。そうすれば、両部門間のコミュニケーションは高まり、作業の手戻りやそれを原因とするITプロジェクトのバックログは大幅に削減されます。ローコードの活用はこのように広がっていきます。デジタル分野で先頭を走っている企業は、デジタル化に遅れをとっている企業の1.8倍の収益拡大を実現しているというBCGの調査結果もあります。出典:https://www.bcg.com/publications/2020/is-technology-ready-new-digital-reality-post-covid19
こうした急激なニーズの高まりに応じ、何百ものローコードベンダーが市場に参入してきたのも当然でしょう。しかし、DXを成功させるためには、企業はアーキテクチャに妥協することなく、そのローコードプラットフォームが確実にデジタルソリューションをサポートし、クラウド導入ニーズや開発要件に適合させることが必要です。適切なプラットフォームであれば、IT部門だけでなく、企業・組織全体の活力をより有効にソリューション開発に向けることができます。そして、そのプラットフォームは広範な用途に対応し、データ重視のみに偏らず、プロセス重視のアプローチにも適応しなければなりません。
成功の方程式の要素は、人、ポートフォリオ、そしてプロセス
DXの成功はテクノロジーがすべてではありません。それが世界トップクラスの技術であっても同様です。企業目標の達成には、人の力が不可欠です。ビジネスとIT、両方の分野のエキスパートがチームとして協力し、テクノロジーを最大活用することが重要なのです。
Mendixのプラットフォーム戦略担当バイスプレジデント、ゴードン・ヴァン・ハイゼン(Gordon Van Huizen)は、一般に企業がつまずく原因は「大げさすぎることをやろうとする」時だとして、次のように述べています。
「大規模な野心的プロジェクトを立ち上げ、多くのタスクを走らせても、あるいはデジタルインフラストラクチャの導入のため拙速にテクノロジー投資を増やしても、ただ問題を起こすだけです。こうしたアプローチは、一見意欲的に見えても断片的な取り組みにすぎず、望んでいたような結果を得られないまま終わることになります。意思決定者に推奨するのは、いくつかのユースケースから始めることです。それらの中でインパクトの大きそうなものを選んでいく過程が、最終的に全社のデジタル成熟度を評価することに繋がります」
ヴァン・ハイゼンは、次のように述べています。
「企業は、長年レガシーシステムに手を加えることを優先し、変革のメリットを回収する前にリソースの投入を続けてきました。しかし、人々に改革の輪を広げ、これを連続させていくためには、小規模なプロジェクトで部門横断的なチームを構成し、効率化を進めて早い段階から成果を示せるようにすることが大切です」
次の展開への備え-コンポーザビリティを高める
ビジネスにはトラブルがつきものであり、企業にはそこからの回復力が必要です。社内の人材でデジタル変革を進めれば、専門知識が培われ、市場の混乱にも対応できるようになります。デジタルファーストの経済が加速する中、競争優位を維持するために必要と言われる次の要素は、構成力です。
すでに構築されたソフトウェアモジュールやデジタルコンポーネント(テンプレートやビジネスサービスのパッケージなど)から目標とするソリューションを組み立てることができるとき、「コンポーザビリティ(構成能力)」が高いと言えます。コンポーザビリティの高い環境が整備されていれば、企業は成果達成までの工数と時間を大幅に削減できます。社員個人や主要パートナー、独立ソフトウェアベンダー、顧客がこのように簡単に適用できるテンプレートや機能をパッケージ化して、デジタル化を進めた例も出始めています。付加価値の高い機能を見出し、活用できるようになることは、新しい力です。その力があれば、カスタマイズできない市販のソフトウェアをそのまま使う必要も、応用範囲の狭いアプリケーション開発にコーディングの手間や高額な費用をかける必要もなくなります。
ヴァン・ハイゼンは、次のように述べています。
「実績のあるソースのエコシステムは拡大し続けています。企業は、コンポーザビリティと適用の判断力を養うことで、デジタルソリューションの導入スピードを大幅に加速できます」
ガートナーが「コンポーザブル・エンタープライズ」と称するこの企業体制は、DXを成功させるための、究極的要素です。これによって、企業は市場環境の変化や混乱に素早く、幅広く適応できるようになり、変化する顧客ニーズへの対応や、新たなビジネス分野の開拓も加速されます。
ヴァン・ハイゼンは結論として、次のように述べています。
「コンポーザビリティを持つことは、広範に広がり続けるコミュニティからクリエイティブなソリューションを探し、企業がターゲットとするニーズとを結びつける力を持つことです。その力は、企業全体に文化として根付き、イノベーションの取り込みを習慣に変えてくれます」
- 実現可能なデジタルイノベーションの詳細については、Mendixのeブック「Digital Execution Manual(デジタル実践マニュアル)」をダウンロードしてご覧ください。
https://www.mendix.com/ja/resources/digital-execution-manual/
- Mendixのエグゼクティブがデジタルの力について語るMendixのYouTubeチャンネル
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Mendixについて
デジタルファーストの世界では、顧客ニーズは予測され、ツールは業務効率を大きく高め、エンタープライズはデジタルトランスフォーメーション実行しないと生き残れないと信じられています。 そんな世界に向かうエンタープライズにとって、シーメンスの事業部門、Mendixは、改革を進めるエンジンになろうとしています。その先進のローコードプラットフォームと幅広いエコシステムは、最先端のテクノロジーを相互に結び付け、エンゲージメントの向上、業務の合理化、ITの効率化を実現するソリューションをサポートします。Mendixは、抽象化、自動化、クラウド、コラボレーションの4つの柱で、開発者の生産性を劇的に向上させます。Mendixのコラボレーション機能と直感的なビジュアルインターフェイスは、技術者ではない「市民」が開発者となって、それぞれの得意領域の知識からアプリケーションを作成できるようにします。Mendixのプラットフォームは、クラウドネイティブであり、オープンで拡張性が高く、アジャイルで実績も豊富です。アナリストからもリーダーとして、また時代を先取りするビジョナリーとして評価されています。人工知能、拡張現実、インテリジェントオートメーション、ネイティブモバイルなどを支える、Mendixはデジタルファースト・エンタープライズのバックボーンです。Mendixエンタープライズ・ローコードプラットフォームは、46か国の4,000以上の先進企業に採用されています。