【ハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に及ぼす効果の臨床研究】 『天然ミント油』由来の抽出物が、幼児の歯みがき行動に影響
を行っています。この度、当社研究チームは、幼児の歯みがき行動に関する臨床研究を実施し、子ども
向けハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に及ぼす効果について明らかにしました。
なお、本臨床研究に関する内容は、2022年8月22日(月)~24日(水)に開催された<2022 年度日本味と匂学会 第56 回大会>にて発表しました。得られた知見は以下の通りです。
■研究の背景
歯みがき習慣は、口腔内の環境を清潔に保ち、う蝕や歯周病などの口腔トラブルを予防するために大切
ですが、乳幼児期の歯みがきの習慣づけのためには、歯みがきを無理やりではなく、自発的に行えるようになるためのサポートが重要となります。
本研究では、当社が長年にわたり研究、活用してきた『天然ミント油』特有の「甘さ」に着目しました
当社では、『天然ミント油』から独自に開発した、甘味剤にはない独特の甘さを持つミント抽出物をある
一定量フルーツ香味の香料に配合することで、フルーツのナチュラルな「甘さ」の持続に寄与することを見出しました。そこで、このミント抽出物を配合したフルーツ香味の香料を用いて、子ども向けハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に及ぼす効果を検証しました。
<試験概要>
試験主体:ライオン株式会社 香料科学研究所
実施期間:2020 年11 月~12 月
試験方法:仕上げみがきに苦労を感じている親と、その6〜7 歳の幼児を対象に、『天然ミント油』由来の
ミント抽出物の配合の有無による2 種のフルーツ香味の試験用ハミガキ剤を30 日間使用した時の、幼児の
自分みがき、仕上げみがき時の様子を評価し、ハミガキ剤の香味が歯みがき行動に与える効果を検証しました。
■研究結果
『天然ミント油』由来の抽出物が、幼児の歯みがき行動に影響を与えることを示唆
本研究では、仕上げみがきに苦労を感じている親と、その6〜7 歳の幼児23 組(親:女性23 名、幼児:男子8 名、女子15 名)を対象に試験を実施しました。対象者を、『天然ミント油』由来のミント抽出物を配合したフルーツ香味の試験用ハミガキ剤を使用する群(12 組)[ミント抽出物あり群]、ミント抽出物を配合しないフルーツ香味の試験用ハミガキ剤を使用する群(11 組)[ミント抽出物なし群]に分け、試験用ハミガキ剤を用いて30 日間自分みがきと仕上げみがきを行ってもらいました。
その結果、[ミント抽出物あり群]では、試験用ハミガキ剤の使用期間開始時と、使用期間終了時に、
試験参加前に使っていたハミガキ剤を用いた時の歯みがきと比べて、「退屈・つまらない(仕上げみがき時)」様子、「面倒(仕上げみがき時)」な様子が減ることを、幼児の様子に関する親へのアンケートから確認しました(図)。また、試験用ハミガキ剤の使用期間終了時には、[ミント抽出物あり群]は[ミント抽出物なし群]に比べて、これらの様子がより減少していることが分かりました(図)。
このことから、『天然ミント油』由来の独自に開発したミント抽出物が、幼児の歯みがき行動に影響を
与えることが示唆されました。
に関連したオーラルケアの習慣づくりや、長く愛されるハミガキ香味について、ひきつづき研究を継続
してまいります。
【2022 年度 日本味と匂学会 第56 回大会】
(期間:2022 年8 月22 日(月)~8 月24 日(水)、場所:仙台国際センター)
〇発表日 : 8 月24 日(水)
〇演 題 : 子ども用ハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に及ぼす効果
〇発表者 : 大木亨1、川口徹也(1)、浅野昭祐(2)、児玉(渡邉) 茉奈美(2)、坂井信之(3)
〇所 属 :(1): ライオン株式会社研究開発本部香料科学研究所 (2): 株式会社イデアラボ
(3): 東北大学文学研究科心理学研究室
〇学会公式HP: https://jasts-sendai56.com/