業界最高水準の認識精度98.87%の取引帳票向けAI OCR技術を開発

株式会社リコー

~手書き文字にも対応、紙帳票の電子化でバックオフィス業務のDXに貢献~

 株式会社リコー(社長執行役員:山下 良則)は、請求書や納品書などの取引帳票において、業界最高水準となる98.87%の読み取り精度*1を実現するAI OCR技術を開発しました。帳票に印刷された、かすれ、にじみ、ズレなどがある文字の読み取り精度を大幅に向上し、さらに手書き文字の読み取りにも対応しました。同技術を2022年8月末に、クラウド型AI帳票認識OCRソリューション「RICOH Cloud OCR」シリーズへ実装し、リコーの他サービスにも順次展開していきます。
 リコーは、OCRの読み取りに不利に作用する罫線などを検知・無効化する画像処理技術を開発し、帳票特有の語彙を元に単語の区切りや誤りを検出・補正する帳票知識処理と組み合わせることで、AI OCRの処理機能を向上させ、取引帳票の文字認識精度を大幅に向上しました。また同時にOCRエンジンも手書き対応に進化させています。これらの技術により、さまざまな印刷・印字方式の紙帳票の電子化をサポートし、お客様の帳票処理業務を効率化することで、バックオフィス業務におけるDXに貢献します。
 リコーは、デジタルデバイス、ワークフローサービスの活用によるワークプレイスの変革を通じて、お客様のよりよい働き方の実現を支援してまいります。

※1 自社調べ。請求書データの場合。様々な業種から無作為に収集した260社分の請求書を学習後に評価。
請求書の精度評価対象とした項目:請求元、請求書番号、請求日、請求額(税込)、請求額(税抜)、
標準税率10%(税込)、軽減税率8%(税込)、標準税率8%(税込)、標準税率10%(税抜)、軽減税率8%(税抜)、
標準税率8%(税抜)、銀行名、支店名、口座名義(カナ)、口座番号、口座種別


背景
 近年、企業ではIT 化による社内業務の効率化が進んでいます。一方で、企業間の取引においては、見積書や発注書、納品書、請求書といった書類を中心に、紙でのやりとりが根強く残っており、その結果、手作業によるシステムへのデータ入力、書類の印刷や郵送など、電子化されていない文書の処理業務に人手と工数がかかり、生産性向上の障壁となっています。
 また、2022年1月に改正施行された、国税関係帳簿・書類を電子データとして保存する要件を定めた電子帳簿保存法や、2023年10月には適格請求書保存方式(インボイス制度)の導入を控え、各企業が対応を求められており、紙の帳票の電子化に対するニーズが高まっています。

開発したAI OCR技術の特徴
 今回リコーが新たに開発したAI OCR技術は、手書き文字の認識や複写伝票に使われるドットインパクトプリンターのインクリボンの消耗による文字のかすれ、印刷された帳票フォーマットと文字との位置ズレや文字重なり、インクジェットインクのにじみなどをAIが読み取り、複数の画像処理技術を適切に施すことで、さまざまな種類の帳票に記された、識別しやすさにばらつきのある文字情報を正確に読み取ることが可能となりました。


 このAI OCR技術を、第一弾として帳票の処理業務を自動化する「RICOH Cloud OCR」シリーズに実装します。「RICOH Cloud OCR」は、紙の取引帳票をリコーの複合機でスキャンする、もしくはPDF データをクラウドにアップロードするだけで、さまざまな形式の帳票を読み取ることができます。データ化した情報は、CSVファイルとして出力して各種の業務システムと連携でき、後工程を含めた帳票処理業務を大幅に効率化します。また、クラウド型のソリューションなので、働く場所を選ばずに業務を実施することが可能です。お客様の業務効率化によって人手不足の解消やコストの削減に貢献します。

「RICOH Cloud OCR」シリーズ
「RICOH Cloud OCR for 請求書」
 紙やPDFの請求書を文字データ化するクラウド型AI帳票認識OCRソリューションです。請求日、請求元名称、請求金額、銀行名、支店名、口座番号などの情報を自動認識し、一括データ化します。電子データ化した情報は、CSVファイルに出力することで会計システムや全銀協フォーマットなど銀行支払いシステムとシームレスに連携できます。

「RICOH Cloud OCR for 納品書」
 紙やPDFの納品書を文字データ化するクラウド型AI帳票認識OCRソリューションです。納品日、仕入元企業名に加えて、商品コード、商品名、数量、金額などの明細情報を自動認識し、一括で電子データ化します。電子データ化した情報は CSV ファイルに出力することで、仕入管理システムや販売管理システムとシームレスに連携できます。

今後の展開
 今後は、今回開発したAI OCR技術について、2022年1月に発売した「RICOH 証憑電子保存サービス」への適用や、リコーのクラウドプラットフォームRICOH Smart Integration(RSI)へのコンポーネントとして実装するなど、リコーグループが提供する他のソリューションへの展開について順次検討を進めます。また、企業間取引に関わるさまざまな製品・サービスを組み合わせて提案することで、お客様のワークフロー全体のデジタル化に貢献していきます

※リコーのトレードエコシステム事業について
 リコーグループは、企業間取引業務をデジタル化することで、売上拡大・業務効率化を支援する「トレードエコシステム事業」を推進しています。クラウド型請求管理サービス「MakeLeaps」を中核に、紙の帳票を複合機などのエッジデバイスでスキャンしてデジタル化できる「RICOH Cloud OCR」や、MakeLeapsによる請求書の送付から口座振替・集金業務の代行までをワンストップで提供する「RICOH 口座振替連携サービス for MakeLeaps」など、さまざまなサービス・オプション機能を組み合わせることで、「取引先の開拓」から後工程の「受発注・請求業務、契約業務の電子化・効率化」、「資金繰り支援」まで、ワンストップでの価値提供でお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。今後も、市場のニーズと各種法制度に適応したサービス開発・ラインアップ拡充を進め、バックオフィス業務のデジタル化を支援していきます。


※PDFは、Adobe PDFです。
※社名および製品名は、各社の商標または登録商標です。



| リコーグループについて |
リコーグループは、お客様のデジタル変革を支援し、そのビジネスを成功に導くデジタルサービス、印刷および画像ソリューションなどを世界約200の国と地域で提供しています(2022年3月期グループ連結売上高1兆7,585億円)。
imagine. change. 創業以来85年以上にわたり、お客様の“はたらく”に寄り添ってきた私たちは、これからもリーディングカンパニーとして、“はたらく”の未来を想像し、ワークプレイスの変革を通じて、人々の生活の質の向上、さらには持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
詳しい情報は、こちらをご覧ください。
https://jp.ricoh.com/

 

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