ロールス・ロイス ファントム:新しい表現
2022年5月12日、グッドウッド、ウエスト・サセックス
• 8代目ファントムのモデルは、お客様からの要望やフィードバックを反映させたビジュアルおよび外観の微改良を実施
• 新機能「ロールス・ロイス・コネクテッド」の装備により、ファントムとロールス・ロイスの会員用プライベート・アプリケーション「ウィスパーズ」をシームレスに連携
• 発売を記念して新たなビスポーク仕様の傑作「ファントム・プラティーノ」を発表
「ファントムは、ラグジュアリー界の頂点に君臨する比類なき存在です。ロールス・ロイスの最高峰に立つ製品として、最高のデザイン、最高のエンジニアリング、最高のクラフツマンシップを表現しており、当社のビジョン、創造性、最高級の素材、知見、耐久性、精巧さが完璧に融合した製品です。『ファントム・シリーズII』では、お客様が愛するこの最高級のラグジュアリー・アイテムの魅力をすべて保持し、大切に守ったうえで、お客様の進化する嗜好や要望を反映させ、細部の変更ながらも意味のある改良を加えています。
ファントムは、常に『世界最高のクルマ』と見なされてきました。わたくしたちのビスポークの能力は、お客様ご自身にとっても、最高のクルマになり得るということです。」
ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者、
トルステン・ミュラー・エトヴェシュ
ロールス・ロイスの製品は、長きにわたりお乗りいただいても、時代を超えた味わい、美しさ、贅沢の極みといった表現を愉しむことができます。ファントムはその点で独自の、かつ最高峰の位置を占めており、時代を超えたエレガンスに尊敬を集めています。
8代目のファントムは2017年に発表されました。このたび新しい表現を生み出すにあたり、ロールス・ロイスのデザイナーとエンジニアは、「すでに象徴的な自動車であるファントムには大きな変更を加えないようにしてほしい」という、ロールス・ロイスに寄せられたお客様のご要望を指針としました。そしてこのご要望に応えるため、デザインの加筆、装飾、調整はごく控えめなものに抑えられました。何を変更するかではなく、何を残し、守るかが実に重要なのです。
新しい表現
ファントムにおいて保持すべき、最もわかりやすく最も重要な特徴は、その堂々とした存在感です。これは、左右のデイタイム・ランニング・ライトの間のパンテオン・グリル上部に新たに設けられたポリッシュ仕上げの水平方向のラインによってさらに強調されています。また、これによりファントムはドライバー重視の特性を反映し、新しく、そして自信に満ちた現代性を表現しています。
パンテオン・グリルに施されたわずかな幾何学的変更により、正面から見たときに、名誉ある「RR」バッジやスピリット・オブ・エクスタシーのマスコットがより引き立つようになりました。今回から、ゴーストと同時にデビューし、評判となったイルミネーション付きグリルを採用しています。ヘッドライトには複雑なレーザー・カットが施されたスターライト・ベゼルが装備されており、これによりインテリアのスターライト・ヘッドライナーとの視覚的な結びつきを生み、夜間のファントムにさらなる驚きや歓びの表情を添えています。
新型ファントムの側面を見ると、ロールス・ロイスの特徴であるショート・フロントとロング・リア・オーバーハング、ロング・ホイールベースのほか、乗員のプライバシーを確保する太めのCピラーを踏襲しています。サイドから見たシルエットは、スピリット・オブ・エクスタシーに始まり、徐々に細くなりながらリヤ・テールへと続くエレガントなキー・ラインを踏襲しています。フロント・フェンダーからリヤ・ドアへと向かい、ランタンのような形状のリヤ・ランプに近づくにつれ緩やかに下降する部分の前までの「スプリット・ベルト」ラインは、このモデルのダッシュボードからフロント・アクスルまでの長さを強調します。大きくアンダー・カットされた「ワフト・ライン」が強い陰影を生み出し、ロールス・ロイスの比類ない「マジック・カーペット・ライド(魔法の絨毯のような乗り心地)」を視覚的に表現しています。
側面の表情は、新デザインのホイール・セットの装着によってさらに強調されています。三角形のファセットが付いた3D形状の削り出しステンレス・スチール製ホイールは、全研磨仕上げまたは部分研磨仕上げのいずれかを選ぶことができます。あるいは、1920年代のロールス・ロイスの自動車を想起させるエレガントなディスク・ホイールによって装飾されます。このディスク・ホイールは、研磨仕上げされたステンレス・スチールとブラック・ラッカー仕上げの両バージョンが用意され、まるで浮遊しているような感覚を表現しました。
ファントムではお客様の以前からのご要望を反映し、ダーク仕様のクローム・グリル・サラウンドのほか、ボンネット・レインやウィンドスクリーン・サラウンド、サイド・フレーム・フィニッシャーをブラック仕様へと変更することもできます。このデザイン・エレメントによって、ロールス・ロイスファントムを、最も明るい外観にも、最も暗い外観にも変身させることができるようになりました。
ファントムの豪華なインテリアは、既存のものから大きく変更していません。ステアリング・ホイールがわずかに太くなったため、オーナー・ドライバーにクルマとのより密接なつながりを感じさせ、ダイレクトな感触を与えられるようになりました。
「ファントム」および「ファントム・エクステンデット」にはそれぞれ異なる特徴があります。ファントムは現在、増え続ける「自分でハンドルを握りたいと考えるお客様」に、ファントム・エクステンデッドは運転手付き自動車として後部座席に乗車され、極めて豪華な体験を得ることを好むお客様に支持されています。
ロールス・ロイス・コネクテッド
今回のファントムは、「ロールス・ロイス・コネクテッド」を搭載して登場します。これを使うと、オーナー様がロールス・ロイスの会員用プライベート・アプリケーション「ウィスパーズ」から直接クルマに住所を送信することができ、イベント会場やレストラン、ディーラーのほか、ロールス・ロイスの本拠地までであろうとシームレスにナビゲーションしてくれます。
ロールス・ロイス・コネクテッドは、さらに自車の位置、セキュリティーの状態、現在の「クルマの状態」をウィスパーズ上に表示します。オーナー様がボタンにタッチするだけで、整備の必要性や車両に関する情報を希望のディーラーに問い合わせることができます。
贅沢の極み
ロールス・ロイス・ブランドの最高峰モデルであるファントムは、ロールス・ロイスのお客様、その中でもエリート層を惹きつけてやみません。それぞれの分野で成功して地位を確立し、世間の注目を浴びる存在のこうしたお客様は、確固たる意志を持ち、強いこだわりを持たれる方々です。ロールス・ロイスが手がけるビスポークの依頼のなかで、ファントムへの注文が最も野心的で挑戦的となっていることは決して偶然の一致ではありません。
結果として得られる作品はそれ自身が芸術的傑作ですが、それだけでなくより広範な真実を示してもいます。誕生以来、ファントムは常にお客様が望むクルマであり、それは「世界最高のクルマ」であるだけでなく、お客様とその世界においても最高のクルマなのです。
当然のことながら、ファントムのお客様に「典型的な」という形容をされる方はいらっしゃいません。贅沢を極める方々には、ずっと若々しい人から年配の人、現代的な人から伝統を大事にする人、ご自身で成功者となった人や歴史ある資産家一族の人など、さまざまなタイプの人々がいます。そのため、お客様の依頼には、さまざまな興味や影響が反映されています。若々しく、極端な例として、反抗、破壊的と大胆な特性を持ちつつ、その一方で、ラグジュアリーの気高さや時代を超越した特徴も持ち合わせています。ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブの課題は、このような広範な顧客の特性や要望に対し、一台の最高峰の製品で対応することです。このように8代目ファントムは、ビスポークによる個別化のための「真っ白なキャンバス」として提供できるよう意図的にデザインされており、お客様が望むどのようなスタイルにも対応可能であり、お客様ひとりひとりのスタイルと個性を忠実に反映させることができます。
ファントムの大きな強みと魅力は、お客様がこうした「贅沢の極み」を追求することができ、お客様自身の言葉でラグジュアリーを定義することができるという点にあります。そして、お客様のいかなるご要望を反映させても、ファントム自体は技術的、物質的、美的、性能的に「世界最高のクルマ」であることを保証しているのです。
ファントム・プラティーノ:テキスタイルの復権
ファントム・シリーズIIの発売を記念して、ビスポークの魅力を存分にお伝えするため、ロールス・ロイスはだれもが求める貴金属プラチナのシルバー・ホワイト仕上げにちなんだ新しいビスポークの傑作、その名も「ファントム・プラティーノ」を生み出しました。
ファントム・プラティーノは、ロールス・ロイスのファブリック製インテリアを探求し続けています。この歴史は、2015年に発売され、手描き、手刺繍のシルク製インテリアを備えた真の特別仕立てのファントムである「セレニティ」の発売によって始まりました。この重要な歴史の次なるステージとなるファントム・プラティーノは、ロールス・ロイスが開拓してきたレザー以外の素材を導入し、代替内装材をより多く受け入れていることを示しています。
ロールス・ロイスの創業期を想い起こさせるものとして、ファントム・プラティーノのフロント・シートはロールス・ロイス・ファイン・レザー仕上げとなっており、リヤ・シートはファブリック仕上げとなっています。
プラティーノのインテリアの美しい濃淡カラーは、2つの異なるファブリックを組み合わせて実現したものです。1つはイタリアの工場で製作されたもので、耐久性があり豪華な外観を特徴としており、もう1つは、光沢ある仕上げのために選択された竹繊維に由来するものです。
どちらの素材も、スピリット・オブ・エクスタシーを抽象的に解釈したオリジナルの反復パターンという点で共通しています。シルク・テキスタイルでは、小さくデザインされたものが生地に織り込まれ、視覚的に刺激的な仕上がりになっています。また、ファントムのギャラリーや乗員の視線の先、さらにアームレストやセンター・コンソールなどにもあしらわれています。そこにはインテリアのデザインによくみられる大きな房状のアイコンが刺繍されています。この素材は復元力が高く、接触の影響を受けやすい車内の下部分に使用されています。
ファントムのダッシュボードに配された時計にも、同じデザインが組み込まれています。時計の周囲は3Dプリントされたセラミック製で、伝統的な素材が真の現代風にアレンジされています。アイスド・フィニッシュのウッドセットに設定されたインテリアの色調はファントムを美しく彩り、比類ないレベルの贅沢さを感じさせます。
ファントムのなかで最大のキャンバスは、スターライト・ヘッドライナーです。ロールス・ロイス・プラティーノのために特別に作成された独特なデザインで、「星たち」は後方へと視線を引き寄せるように配置され、気まぐれな流れ星が孤を描くように流れます。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ最高経営責任者のトルステン・ミュラー・エトヴェシュは、次のように述べています。
「わたくしたちは、お客様がファントムに寄せる敬意や愛情を強く感じています。お客様方はファントムをこれ以上改良することは不可能だと感じていらっしゃる方も多いようですが、もちろん、その見解を尊重しながらもわたしたちがさらなる完璧さを追求することは常に可能であり、実際にそれが必要であると信じています。」
「新型ファントム・シリーズIIのために行ったわずかな変更は、すべて綿密に検討され、細心の注意を払って実施されたものばかりです。ヘンリー・ロイス卿自身が述べたように、『小さなことが完璧さを生み出すが、完璧であることは小さなことではない』のです。」
-以上-
技術仕様
• ファントムシリーズII:NEDC複合。CO2排出量: 345g/km、燃費。18.7 mpg / 15.1 l/100km。WLTPコンバインド。CO2排出量: 351-362g/km、燃料消費率。17.7-18.2 mpg / 15.5-16.0 l/100km。
• ファントム・エクステンデッドシリーズII:NEDC複合。CO2排出量: 345g/km、燃費。18.7 mpg / 15.1 l/100km。WLTPコンバインド。CO2排出量: 353-365g/km、燃料消費率。17.4-18.1 mpg / 15.6-16.2 l/100km。
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編集者の皆様へ
ロールス・ロイス・モーター・カーズはBMWグループの完全子会社であり、航空機用エンジンや推進システムを製造するRolls-Royce plc(ロールス・ロイス・ピーエルシー)とは完全に別会社です。英国ウエスト・サセックス州グッドウッドにあるロールス・ロイス・モーター・カーズの本社および製造工場では2,000名以上の熟練した男女が働いており、世界で唯一、当社の極めて上質な自動車を手作業で製造しています。