アルプスアルパインとギーセッケ アンド デブリエントが CCC規格に準拠したワイヤレスデジタルキーシステムを共同開始

アルプスアルパイン株式会社

 アルプスアルパイン株式会社(TOKYO:6770、代表取締役社長:栗山 年弘、本社:東京、以下「アルプスアルパイン」)は、セキュリティー技術でグローバルに事業を展開するドイツの大手企業Giesecke&Devrient(以下「ギーセッケ アンド デブリエント」)とCCC(Car Connectivity Consortium)※1のグローバル標準規格に準拠したワイヤレスデジタルキーシステムを共同開発しました。2025年発売の新車への採用を目指して、自動車メーカーへのデモ機を利用した拡販活動を進めます。
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 CASE(Connected, Autonomous, Shared & Services, Electric)やMaaS(Mobility as a Service)の大変革期にある昨今の自動車業界では、自動車は移動サービスの一要素となり、カーシェアリングを始めとしたさまざまなサービスが増加・普及していくと想定されています。この動きに伴い、スマートフォンを自動車の鍵として利用することで物理的な鍵の受け渡しを不要とするワイヤレスデジタルキーシステムのニーズが高まる一方で、悪意ある第3者によるサイバー攻撃や鍵の盗難を防ぐ高度なセキュリティ対策が求められています。また、自動車に捉われず移動に付随するさまざまなサービスの解錠/施錠を統合したシステム構築が必要となってきており、その開発はさらに複雑さを増しています。

 また、自動車の純正品としてワイヤレスデジタルキーシステムを採用いただくためには、既に欧州プレミアムカーを中心に導入が進んでいるCCCのグローバル標準規格に準拠したシステム構築が求められており、各スマートフォンメーカーでも同規格に対応する準備が進められています。同規格にはICクレジットカードやモバイル決済で利用されるような高度なセキュリティ技術が盛り込まれており、車載通信デバイスに加え通信セキュリティ分野における深い知見と高度な技術が求められます。

 アルプスアルパインでは、創業当初から培ってきた高周波技術を応用して、車載向けの各種通信モジュールやキーレスエントリシステムを開発してきました。この実績を活かして、2018年からワイヤレスデジタルキーシステムの開発に着手しており、フリービット社と提携して開発したブロックチェーンを活用したワイヤレスデジタルキーシステムにおいては、車載器から鍵配信技術に加え、管理者や利用者の鍵管理システムやスマートフォンアプリまで一括提供可能。社有車管理向けソリューションとして実際に車両搭載して実証実験を進めております。

 一方、ギーセッケ アンド デブリエントは、アナログおよびデジタル決済処理における信頼性の高い保護技術をはじめ、インターネット上における人と機械のデジタルな通信接続、個人情報の保護と管理、セキュアなデジタルインフラストラクチャ―などに関する革新的なセキュリティソリューションを開発するドイツの大手企業です。自動車のテレマティクス分野における主要企業としては、業界初のデュアルSIMデュアルアクティブ(DSDA)※2ソリューションを開発しました。中国では、新興の電気自動車メーカー向けのデジタルカーキーを他社に先駆けて提供。CCCのグローバル標準仕様に準拠する高いセキュリティ構築技術とワイヤレスデジタルキーシステムの経験を有しています。

 これら両社の強みを生かして、2020年12月よりCCCのグローバル標準規格に準拠したワイヤレスデジタルキーシステムの共同開発に着手しました。本共同開発において、ギーセッケ アンド デブリエントはサーバー側でのセキュアなデジタルキーの鍵発行・管理システムを開発します。アルプスアルパインでは自動車とスマートフォンを通信接続するための各種通信モジュールとECUで構成されるキーレスエントリシステムに加え、スマートフォン側での鍵生成および保存のためのソフトウェア開発キット※3を開発。また、ギーセッケ アンド デブリエントが開発したシステムをサービスとして構築し、お客様に提供します。運用開始後のサーバーの管理・運営も行います。

 本システムは、2025年発売の新車への採用を目指し、デモ機を利用して拡販を進めます。また、CCCが最新の規格として検討している「Digital Key Release 3.0」への対応を進めており、大手スマートフォンメーカーが開発する規格への対応も目指します。さらに、自動車以外のパーソナルモビリティや住宅など移動に付随するさまざまな鍵の解錠/施錠ソリューションとしても提案を行うことで、ユーザーの快適かつセキュアな移動に貢献してまいります。
システム概要



※1 民生機器と自動車の接続ソリューションの技術規格や互換認証プロセスの標準化を推進する業界横断の団体。
※2  2つSIMを同時に動作させること。利用可能な車両は、2つの独立したeSIMを同時に搭載しており、通常この2つのeSIMは、一方は自動車メーカーのテレマティクスサービスやeCall用に、もう一方は乗客用、たとえばインフォテインメント用に利用される。
※3 あるシステムに対応したソフトウェアを開発するために必要なプログラムや文書などをひとまとめにしたパッケージのこと。


■Giesecke+Devrient(G+D)について
G+Dは、ドイツ ミュンヘンに本社を置くグローバル セキュリティ テクノロジー カンパニーです。高い志を持つ企業のパートナーとして、G+Dは、そのソリューションの高い信頼性を維持し、持続的に価値を提供します。同社の革新的なテクノロジーは、決済、通信、認証などの目的で利用されるデジタルインフラストラクチャを提供し、機密データを保護します。
G+Dは1852年に設立され、約11,500人の従業員を抱え、2020年度には23億1,000万ユーロの売上をあげています。また、32カ国に74社の子会社とジョイントベンチャーを展開しており、お客様と密接な関係を構築しています。
詳細は同社Webサイトをご覧ください。 https://www.gi-de.com

■アルプスアルパインについて
アルプスアルパインは1948年の創業以来、数多くのFirst 1・Number 1製品を生み出してきた電子部品および車載情報機器メーカーです。現在では、世界26の国と地域に110拠点を展開し、スイッチやセンサ、データ通信モジュール、タッチ入力パネル、アクチュエータ、パワーインダクタなどのデバイス製品から、車載向け電子シフターやリモートキーレスエントリシステムなどのユニット製品、カーナビゲーションシステムやカーオーディオ&ビジュアル機器などのコンシューマ向け製品、スマートフォンアプリやブロックチェーン技術を活用したワイヤレスデジタルキー、遠隔モニタリングなどのシステム/サービスなど、約40,000種類の製品・ソリューションを世界各国約2,000社のお客様へ提供しています。詳細は当社Webサイトをご覧ください。
https://www.alpsalpine.com

以上
 

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