農業経営の可能性や農業マーケティングの研究を続ける流通経済研究所・折笠俊輔氏。
地産地消やご当地グルメが流行している今、
折笠氏が語ってくれたのは、農業と密接に関わり、注目を集める“地域ブランド”の特性と成功する条件。
その鍵は、地域全体での取り組みだった。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、食品メーカーなどとの共同研究を通じて、農業におけるマーケティングを考えていくうちに、
生鮮農産物や原料としての農産物の重要性が増していると痛感したという、流通経済研究所 主任研究員・折笠俊輔氏。
流通の視点から農業の可能性を紐解く研究を続ける折笠氏に、
「地域ブランドの特性と成功する方法」について語ってもらった。
近年、地産地消の意識が非常に高まってきている。
南北に長い日本列島は、地域によって育つ農作物が大きく異なるため、各地で異なる多様な食文化が形成されてきた。
お雑煮ひとつをとっても、都道府県によって具材や出汁のバリエーションが異なっている。
「地域の気候」に結びついたものが「農業・漁業」となり、それらに結び付いたものが「食」となってきた。
地産地消は、地域の生活に密着しているだけでなく、
運送費などの流通コストが低くなる場合も多く、理にかなっている仕組みだと折笠氏は言う。
そして今、その土地の食に結びついた、食の地域ブランドに高い注目が集まっている。
一般的に言われる地域ブランドには3つの条件がある。
1つは、その土地と密接にかかわる農水産物や、食材が使用されていること。
2つめは、独自の製造方法やその土地で培われたノウハウで作られていること。
3つめは、地域に結びついた伝統や昔からの謂れがあること。
だという。
地域ブランドと胸を張って言うためには、上記のうち、一つ以上を満たす必要があるという。
なぜ、地域ブランドに農業が関わってくるかというと、
1つめのその土地で作られた食材という最も重要な部分に当てはまるからである。
「地域ブランドは地域で作られた食材と密接に関わっていくので、農業とは切っても切れない関係になっていきますね」
とは折笠氏。
「地域ブランドには、市場を拡大するために地域の外に展開していくという発想が欠かせません。
例えば、岩手三陸の“まめぶ汁”が地域の中で食べられているとします。
この“まめぶ汁”を東京で販売するためには、地域外で展開することになる。
この活動を成功させるには、地域ブランドを確立することが大切になってきます。
農業において地域ブランドを成功に導く展開方法は、
その町、村など地域全体で同じブランド名を使うということです。
例えば、佐藤さん家が大豆を作り、“佐藤大豆”と名乗っても大手メーカーの商品には太刀打ち出来ません。しかし、佐藤さんが住む村全体で「○○村大豆」と名乗り生産すれば、ひとつのブランドとなり、大手メーカーと優位に戦える可能性が出てきます。
みんなで共通の地域ブランドを使うこと。
この成功例が、高知県にある馬路村の柚子です。
ここでは、村全体で無農薬の柚子を作り、それを加工して販売しています。
「馬路村」というブランド名で、ラインナップを増やし、流通量が拡大し、フランスにも輸出するまでになっています。
「馬路村の柚子」は日本国内にとどまらず、世界でも知られるブランドとなりました。
“村”という地域がひとつのブランドとなったわけです。
馬路村の発案は農協でしたが、誰が発案してもいいわけですし、
それぞれの地域で、こういったアイディアを発案し推進できるリーダーを育ててもいい。
何より、地域全体でブランドを作るという発想が最も大切です」
日本農業経営大学校には、
こうした地域の中核となりうるリーダーの育成にも力を入れています。
農業で地域を活性化したい
新たに農業に参入したい
と思っている方、
学校説明会へ足を運び、独自のカリキュラム見てみませんか??
地域で活躍する未来の自分がきっと思い浮かぶはずです。
■学校説明会
・東京会場
http://jaiam.afj.or.jp/news/exam/629/
・宮城/大阪/福岡会場
http://jaiam.afj.or.jp/news/exam/641/
■日本農業経営大学校
http://jaiam.afj.or.jp/
■本件に関するお問合わせ先
日本農業経営大学校
一般社団法人 アグリフューチャージャパン
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