デロイト トーマツ、M&Aライフサイクルにおける「ESGデューデリジェンス(ESGDD)」を強化
デロイト トーマツ グループ(東京都千代田区、グループCEO:永田高士 以下、デロイト トーマツ)は、M&Aのライフサイクル(MALC)において持続可能な企業活動の支援を加速させるため、ESGの観点から競争優位性を評価する「ESGデューデリジェンス(以下、ESGDD)」を強化し本格展開します。
デロイト トーマツが提供するESGDDは、MALCにおける「M&A取引準備」と「デューデリジェンス+M&A取引実行」のプロセスのなかで、ESGの観点からリスクと機会の評価を行います。従来の財務・税務・法務・人事・ビジネスデューデリジェンスなどを有機的に組み合わせ、サステナビリティを含む各領域の専門家による協働体制のもと、財務価値・非財務価値双方を考慮した総合的なディール・サービスを提供します。
■背景
2021年3月、バリューチェーン上の人権および環境に関するデューデリジェンスの実施を企業に義務付けるためのレポートが欧州議会にて採択されて以降、ESGに関連するデューデリジェンス実施義務化の議論は加速しています。また、日本においては、改訂版「コーポレートガバナンス・コード」に続き、2022年4月から東証市場区分再編で最上位となる「プライム市場」に属する企業について取締役会構成メンバーの3分の1以上に様々な経験を有する社外取締役を選任するほか、気候変動問題に伴うリスクや事業への影響の情報開示を、質・量ともに国際的枠組みに準じたものにするなど、これまで以上に非財務情報の開示やサステナビリティ経営の一層の推進が求められることになりました。企業に対しては、株主はもちろんのこと、株主以外のステークホルダーとの適切な協働により、持続可能な競争優位性を実現していく必要性が高まっています。
■ESGDDの概要
ESGDDは、調査対象会社の環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に係る経営環境(外部環境)と事業運営(内部環境)をリスクと機会の観点から調査、分析を行うことで、事業モデルの強みと課題を把握します。
< ESGDDの実施手順 >
1) デスクトップ調査:
デロイト トーマツでは、SASB(Sustainability Accounting Standards Board)において財務インパクトが高いと分類・特定されている11のセクターごとに、重要度の高さを反映させたオリジナルの「ESGチェックリスト」を策定しています。本チェックリストをもとに、対象会社のESG経営度を開示情報および提供された資料を調査・分析し、ESG取り組み状況を把握します。
2) ヒアリング調査:
デスクトップ調査で把握できない事項や、識別したリスクや機会に係る現状の取り組み状況に関して、主管部署や統括責任者にヒアリングを実施します。さらに識別されたリスクに関しては、発生原因や是正措置状況を確認し、ESGに係る価値やリスク、統制環境を評価します。
3) ESGDD結果報告:
デスクトップおよびヒアリング調査から移行リスク・物理的リスクなどに対するマネジメント体制や違反件数等のパフォーマンスを分析、ESG経営に係るリスクを評価し、改善提案を含めた報告書を作成します。
また、ESGDDの結果をもとに、契約・条項検討の際の特約条項でのヘッジや、PMI準備におけるポストディールにおける再編・ポートフォリオ最適化・バリューアップ機会、モニタリング等の提言を行います。
■ESGDDサービス詳細は以下をご覧ください。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/mergers-and-acquisitions/solutions/esgdd.html
デロイト トーマツは、2020年12月に「Climate Sustainabilityイニシアチブ」を立ち上げ、「社会的なルール形成」「産業構造の変革促進」「必要な変革を促すためのガバナンスと保証・評価の仕組みづくり」の観点で、企業経営のあり方の変革を、構想から実行までグループの総力を結集して推進・支援しています。これまでさまざまなサステナビリティ経営推進を支援するサービスを提供してきており、ESGDDはその知見の活用や他サービスとの連携をしながら提供していきます。