片頭痛に関する本邦での大規模横断的疫学調査結果発表 ~ 17,071例の調査結果から、片頭痛症状をもつ人の42.6%は医療機関を一度も受診していないことが明らかに ~

日本イーライリリー株式会社

診断、診察、治療パターンに関する過去最大規模の観察研究結果により、
日本における片頭痛患者さんのアンメットニーズが浮き彫りに ―
日本イーライリリーは、当事者向けウェブサイトを公開中

<調査結果のポイント>
  • これまでに1度も片頭痛もしくは重度の頭痛のために医療機関を受診したことがない人の割合は、42.6%
  • 片頭痛に特化した急性期治療薬を使用している人の割合は、14.8%
  • 片頭痛の予防療法が適応となる人のうち、実際に予防薬を使用している人の割合は、4.2%

日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:シモーネ・トムセン、以下「日本イーライリリー」)は、日本に居住しておりかつ片頭痛の診断基準(ICHD-3)に該当するもしくは1年以内に頭痛発作を経験しかつ医師による片頭痛の診断を受けたことがある成人を対象に、日本における片頭痛の診断状況、治療パターン、及び治療の妨げに関して、記述的に評価することを目的とした調査を実施し、その結果について、5月22日、第62回日本神経学会学術大会で公表しました。本調査結果から、片頭痛症状をもつ人の42.6%は医療機関を一度も受診していないことが明らかになりました。

本邦にて実施された本調査には、片頭痛の症状がある17,071人(平均年齢 41歳、男:女=33.5%:66.5%、ICHD-3診断基準を満たした人の割合:82.2%)が登録し、過去3カ月における月あたりの平均頭痛日数は以下の通りでした。

これまでに1度でも片頭痛もしくは重度の頭痛のために医療機関で診察を受けた人の治療を行った医師の主な診療科の割合は以下の通りでした。
 
 

片頭痛の急性期治療薬について、全体の87.1%の人は現在OTC(一般用医薬品)を含む急性期治療薬を用いて治療していましたが、トリプタンで治療している人は全体の14.8%でした。予防治療薬について、予防治療薬の処方の対象となる人は全体の29.0%でしたが、現在予防治療薬で治療している人は4.2%でした。
 
本調査アドバイザーである日本頭痛学会 代表理事、獨協医科大学 副学長 平田幸一先生は次のように述べています。
「片頭痛は、社会からは『ただの症状としての痛み』という誤解を受けることが多く、患者さんは周囲から正しくその辛さを理解されづらい環境にあります。その為、自らに対しても『治療すべき病気ではない』というセルフスティグマ(自らに対する偏見)を持ってしまいがちです。本調査結果は、片頭痛患者に関する最新で大変貴重なリアルワールドエビデンスで、日本における片頭痛医療の満たされていない患者ニーズを浮き彫りにしています。新しい片頭痛の治療薬開発が進んでいる日本において、片頭痛の診断、治療パターン、および医療ニーズを理解することが大変重要で、片頭痛のある人に適切な医療を求めるように啓発し、医師が適切な治療選択肢を患者に提案していくことが急務です。」

また、頭痛医療を促進する患者と医療従事者の会(JPAC) の当事者である勝島晴美氏は次のように述べています。
「30年以上もの長い間、片頭痛に苦しんできました。この病気は世の中の人に理解されにくいため、痛みがあっても辛いと言えず我慢をする日々でした。人知れず片頭痛に苦しんでいる人たちを理解し、優しい言葉をかける、そんな社会になってほしいと思います。」

日本イーライリリーの精神神経・疼痛領域 医学部長 (医師)である片桐秀晃は次のように述べています。
「片頭痛は患者さんの人生に大きな影響を及ぼす疾患であるにもかかわらず、周囲からわかりにくく、気づかれにくいということから、痛みの辛さに加えて、理解されない辛さも伴う疾患であると考えています。本調査結果を受け止め、片頭痛の辛さが周囲にも正しく理解され、患者さんが最適な治療に繋がることができる社会を目指して、適切な情報提供活動に尽力します。今後もこの調査結果を継続的に検証し、段階的に学会及び学術論文にて公表してまいります。」

日本イーライリリーでは2021年4月より、適切な情報提供活動の一環として、片頭痛の患者さん向けに、片頭痛の特徴や医師に相談するときのポイントなどをまとめたウェブサイト「片頭痛.info」(https://www.henzutsu.info)を公開しています。今後も片頭痛とともに生活される人々に寄り添い、大切な日や思い描く日常を安心して実現できるよう、貢献してまいります。


 
調査目的
国際頭痛分類基準 (ICHD) 第3版の片頭痛の診断基準を満たす日本における片頭痛の診断状況、治療パターン、及び治療の妨げに関して、記述的に評価すること。
  1. 急性期治療薬の使用
  2. 予防治療薬の使用
  3. 医療資源の利用
  4. 片頭痛における負担
  5. 片頭痛に対する許容度や認知度、スティグマ

調査概要

 
 
片頭痛についての疾患啓発サイトを公開中
片頭痛.info (https://www.henzutsu.info)  監修:獨協医科大学 副学長 平田幸一先生
 


片頭痛に関連する弊社プレスリリース
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有志企業・団体、自治体、医療従事者、健康経営専門家が共同で取り組む「“みえない多様性”に優しい職場づくりプロジェクト」“みえない多様性”とニューノーマルの職場環境を考える啓発ツールを開発― 健康経営の新たな視座:片頭痛事例から紐解く ―
https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2020/20-50_co.jp.pdf
2020年11月18日配信

2月22日は「頭痛の日」片頭痛に関する職場での患者さんと周囲の意識調査結果を発表 仕事に支障が出る痛みを我慢して勤務を継続している人は9割 体調に合わせた働き方の支持も高く、片頭痛へのさらなる理解が必要
https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2020/20-03_co.jp.pdf
2020年1月29日配信

日本イーライリリー、「ヘンズツウ部」を発足 片頭痛の理解を促進し、働きやすい環境を整備~見えない痛みにやさしい職場づくりを目指し、他の企業にも知見を提供~https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2020/20-02_co.jp.pdf
2020年1月29日配信

片頭痛とは
片頭痛は、一次性頭痛のなかでも臨床的に重要な疾患で、典型的には拍動性の中等度から重度の頭痛発作が繰り返し生じ、4~72時間にわたり発作が持続します。頭痛に加えて悪心、嘔吐、光過敏及び音過敏等を伴うことが多く、日常動作で頭痛が増悪するため生活に大きな支障をきたします。本邦における片頭痛の有病率は8.4%[男女比(女/男):約3.6]であり、男女とも20~50歳代の勤労世代に多くみられることから、患者さんの日常生活だけでなく社会生活にも影響を及ぼす疾患です。
参考:Sakai F and Igarashi H.: Cephalagia. 1997; 17(1): 15-22

日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛、などの領域で日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。 https://www.lilly.co.jp

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