新日鐵住金株式会社(代表取締役会長兼CEO:宗岡正二 以下、「当社」)は、石油エネルギー分野のスーパーメジャー、ロイヤル・ダッチ・シェル(以下シェル)と共同で、当社開発のパイプライン用「スーパー13クロムステンレス鋼管」(以下、S13Cr L/P)の耐腐食性能を証明しました。S13Cr L/Pのすぐれた耐腐食性能が証明されたことにより、今後過酷な環境下での石油・ガス開発において、S13Cr L/Pの普及が一層進むことが期待されます。
近年の石油・ガス開発は過酷化しており、石油やガスの掘削・運搬に使われる鋼管には、特に炭酸ガス、硫化水素などを含む流体・液体に対する腐食に強いことが必要です。また、本製品が経済的、かつ安定的に調達できることも前提となります。溶接施工後の腐食が問題となる環境下でS13Cr L/Pを使用するためには、広範囲の検証試験を行い、適合性を証明する必要がありました。
当社とシェルは、最新鋭の透過型電子顕微鏡(Transmission Electro Microscope:TEM)を用いて、金属組織及び化学組成を精密に分析し、S13Cr L/Pの適合性を証明しました。シェルは共同研究での成果に基づき、溶接後の熱処理によりS13Cr L/P(シームレスパイプ)の耐腐食性が確保されることを確認した旨、本年のNACEインターナショナル(国際防食技術者協会)国際会議で発表しました。
当社はシェルとEFA(Enterprise Frame Agreement)と呼ばれる長期契約を締結しており、シェルに対し、製品の提供だけに止まらず、製品の信頼性の向上、現地施工を含めたトータルコストの低減、溶接後の熱処理といった施工技術を含むソリューションの提供を行っていきます。
当社は、引き続き技術開発を通じて、近年ますます過酷な環境での石油・ガスの開発に貢献してまいります。
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