既存治療で効果不十分な潰瘍性大腸炎に対するJAK阻害剤フィルゴチニブの適応追加承認を日本において申請
―中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する患者さんを対象とした第IIb/III相SELECTION試験データに基づく申請―
ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ルーク・ハーマンス)とエーザイ株式会社(以下「エーザイ」、本社:東京都文京区、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、本日、ギリアドがフィルゴチニブ(一般名)について、日本において中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する患者さんの治療薬として適応追加承認を申請したことをお知らせします。フィルゴチニブは、新規のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤で、関節リウマチに係る適応症として2020年9月に承認されている経口剤です。今回の申請は、生物学的製剤未使用、または生物学的製剤の使用歴のある、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する患者さんを対象にフィルゴチニブの寛解導入および維持に対する有効性、ならびに安全性を評価した無作為化、二重盲検、プラセボ対照第IIb/III相SELECTION試験データに基づいています。本試験においては、フィルゴチニブ1日1回200mg投与の有効性、安全性プロファイルが示され、新たな安全性リスクは確認されませんでした。
潰瘍性大腸炎は、結腸および直腸の粘膜内層の炎症を呈する慢性疾患です。近年、潰瘍性大腸炎の有病率は上昇傾向にあり、世界では200万人以上の人々のQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼしています。治療を受けていても、便意切迫、便失禁、反復性の血性下痢、頻回な排便、腹痛、不眠、疲労を伴う例もよくみられます。日本では、潰瘍性大腸炎は厚生労働省の定める指定難病の1つとされ、2014年の全国調査によれば、国内の推定患者数は219,685人、年間有病率は人口10万人対172.9人(男性:192.3人、女性:154.5人)と報告されています*。
* Murakami Y, Nishiwaki Y, Oba MS, Asakura K, Ohfuji S, Fukushima W, et al. Estimated prevalence of ulcerative colitis and Crohn's disease in Japan in 2014: an analysis of a nationwide survey. J Gastroenterol 2019;54 (12):1070-7.
フィルゴチニブについて
フィルゴチニブは、JAKを阻害する新規経口JAK阻害剤(1日1回投与)です。国内で承認されている本剤の効能・効果は、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」です。本剤は、欧州連合(EU)および英国において、1種類以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)の効果が不十分または忍容性のない中等症から重症の活動性を有する成人の関節リウマチの治療薬として承認されています。また、欧州医薬品庁(EMA)および英国医薬品・医療品規制庁(MHRA)に、従来の治療法または生物学的製剤のいずれかで十分な効果が得られなかった、または効果がなくなった、あるいは忍容性のない中等症から重症の活動性を有する潰瘍性大腸炎の治療に関する効能・効果を追加申請し、現在審査中です。本剤は他の国では承認されていません。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。
エーザイ株式会社について
エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。また、当社は開発途上国・新興国における医薬品アクセスの改善に向け主要なステークホルダーズとの連携を通じ積極的な活動を展開しています。
エーザイ株式会社の詳細情報は、https://www.eisai.co.jp をご覧ください。
ギリアドの将来予想に関する記述
本プレスリリースは、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、これにはリスク、不確実性およびその他の要因が含まれます。これらの要因としては、ギリアドがフィルゴチニブを含む臨床試験を現在想定されているスケジュール内で、または全く行わずに開始、進行または完了する能力、臨床試験から得られる安全性および有効性に関するデータが、フィルゴチニブを含むギリアドの製品候補またはギリアドの戦略的パートナーの製品候補のさらなる開発を保証するものではない可能性があります。潰瘍性大腸炎患者の治療に対するフィルゴチニブのPMDA承認を含む規制当局からの承認を適時または全く得られない場合のギリアドの能力、およびそのような承認が重大な使用制限の対象となるリスク、および日本における潰瘍性大腸炎の治療のためのフィルゴチニブの商業化が成功しないリスク。これらおよびその他のリスク、不確実性およびその他の要因は、米国証券取引委員会に提出されたギリアドの2020年12月31日を末日とする年次報告書(Form 10-K)に詳細に記載されています。これらのリスク、不確実性およびその他の要因により、実際の結果が将来の見通しに関する記述で言及されている内容と大きく異なる可能性があります。歴史的事実以外のすべての記述は、将来予想に関する記述とみなされる可能性があります。これらの将来の見通しに関する記述に依拠しないようご注意ください。将来予想に関する記述はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。