酪農学園大学の臼井優准教授らの研究グループが薬剤耐性Campylobacterの迅速検出法(CAMERA法)を開発 -- 食品検査や農場での検査への応用に期待

酪農学園大学

【研究成果のポイント】 ・細菌性食中毒の原因となるCampylobacter属菌の迅速検出法を開発 ・近年、問題となる薬剤耐性の判定も同時に可能 ・判定に要する時間を、従来の培養法の6日程度から30時間以内に短縮 ・今後、食品検査や農場での検査への応用が期待される  酪農学園大学の臼井優准教授と北海道大学の中島千絵教授の研究グループは、細菌性食中毒の原因として最も患者数が多いCampylobacter属菌を迅速に検出し、菌種を同定、かつ近年問題となる抗菌薬に対する耐性も同時に検出する方法(CAMERA 法;CAMpylobacter Express Resistance Array)を開発した。これは、特定の遺伝子配列を検出するDNAマイクロアレイ技術を応用することで、食中毒の原因となるCampylobacter属菌の遺伝子および抗菌薬耐性に関わる遺伝子変異を迅速に検出するもの(概要図を参照)。  Campylobacter属菌は培養に時間がかかり、従来の方法では、食品から細菌を検出し抗菌薬に対する耐性を検出するまでは6日程度が必要であった。そのため詳細な検査が困難であり、薬剤耐性に関する検査データの蓄積が多くなかった。  このたび開発されたCAMERA法では、検査時間を従来の6日から30時間程度まで大幅に短縮することが可能となった。実際に、市販の鶏肉100検体に対してCAMERA法を実施し、従来の培養法と比較したところ、検出感度や正確性について、従来の方法と遜色のない結果を得ることができた。  今後、食品検査や農場での検査へ応用し、細菌性食中毒の減少や薬剤耐性問題の解消などに貢献することが期待される。 ■論文概要 [著者]  Usui M*, Tateno S, Onozaki M, Misawa N, Suzuki Y, Tamura Y, Nakajima C*. [題名]  Rapid and simultaneous detection of fluoroquinolone- and macrolide-resistant Campylobacter jejuni/coli in retail chicken meat using CAMpylobacter Express Resistance Array (CAMERA). Food Control. 2021. [URL]  https://doi.org/10.1016/j.foodcont.2020.107815 ▼本件に関する問い合わせ先 酪農学園大学 獣医学群 獣医学類 准教授 臼井 優 住所:〒069-8501 江別市文京台緑町582番地 TEL:011-388-4723 FAX:011-388-4723 メール:usuima@rakuno.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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