神大ロケット×(株)フルハートジャパンが共同開発!無線でデータを送信できる「テレメトリ装置」の製品化に成功

神奈川大学

●高野研究室(工学部)ではハイブリッドロケットの研究・開発を行っており、その一環で、ロケットに搭載する「テレメトリ(遠隔通信)装置」の開発にも着手。遠隔でのフライトデータ取得や機体の回収などが可能となった。 ●テレメトリ装置の製品化にあたり、計測制御を主軸とした制御機器の設計開発を手がける(株)フルハートジャパンに協力を依頼。プロ視点での回路見直しなどにより測定精度が向上し「省電力・小型化」も実現。より高度な環境下でも安定的なフライトデータ測定が期待される。 ●製品化した小型テレメトリ装置は「長距離通信」に特化しており、工場や農業分野など広範囲で使用するIoT製品としての活用も期待される。 ■神奈川大学におけるロケット開発への取り組み 近年、超小型人工衛星の打ち上げが盛んに行われています。高野研究室では、超小型衛星を安価・迅速に打ち上げるための「ハイブリッドロケット」について、エンジンも含め独自で開発・研究を行っています。このロケット開発の一環として、「テレメトリ装置」の開発・製品化が実施されました。 ■テレメトリ装置とは 無線でデータ通信ができる装置のことで、ロケットや航空機などに搭載されています。これにより、離れた場所からでも高度などのフライトデータを確認することができます。 ■製品化までの経緯 高野研究室では、2018年に独自で開発したテレメトリ装置を、同年10月の打ち上げ実験時に搭載。遠隔でリアルタイムにフライトデータを取得できたほか、GPSデータによる機体の回収にも成功し、従来装置において一定の品質・成果を得ることができました。 一方で、専門外である「電子回路」においても高性能化を求め、2019年6月より計測制御を主軸とした制御機器の設計開発を専門とする(株)フルハートジャパンと共同開発を実現。ロケット開発に携わる他大学での需要も見据え、製品化に至りました。 ■製品化したテレメトリ装置について プログラムや回路設計、部品の実装方法などの見直しにより「省電力・小型化」が実現。またバッテリーと電源回路の再設計により「連続使用8時間以上」の確保にも成功するなど、従来装置に比べて性能が向上しました。 ロケット開発においては、より高度な環境下でも、精度の高いフライトデータ取得が期待できます。また製品化により品質が安定し、ロケット研究分野での新たな開発に挑戦することができます。 ■汎用性について 製品化したテレメトリ装置は、ロケット以外に、IoT製品としての活用を見据えて開発されました。従来のIoT製品と比べて特化している点は、「長距離通信」ができること。例えば、本装置を工場でIoT製品として活用すると、生産状況等のデータをオフィスでコントロールできるようになります。これにより、製造現場での生産性・品質管理の向上につながります。また農業分野などで各種データを無線などで収集するなど、IoT技術の応用が見込まれます。 ■今後の神大ロケットの取り組み 高野研究室では、2018年10月に独自開発エンジンでのロケット打ち上げで、高度6.2km(国内2位)を達成しました。次回のロケット打ち上げ時には、製品化したテレメトリ装置を搭載する予定です。今後は、企業と提携しながらロケット開発事業を拡大し、高度100km到達を目指します! ▼本件に関する問い合わせ先 神奈川大学 工学部航空宇宙構造研究室(高野准教授主宰)    高野 敦  住所:横浜市神奈川区六角橋3-27-1 TEL:045-481-5661(代)【内線:3371】 メール:atakano@kanagawa-u.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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