SCIEX 標準物質不要の質量分析用自動同定定量データベース 頒布を開始

株式会社エービー・サイエックス

北九州市立大学 門上希和夫特命教授開発のAIQS-LC-CM

   
 
SCIEXは、2020年6月よりSCIEX X500シリーズ専用 質量分析用自動同定定量データベース(AIQS-LC-CM)※1の頒布※2を開始いたします。
本データベースは500種類以上の化合物の標準品検量線情報とMS/MSスペクトルを含み、データベースに含まれる化合物の検出及び半定量を迅速に行えます。SCIEXは将来的に本データベース収載の化合物数を拡充し、環境分野のみならず食品など広い分野に対応可能なデータベースの構築を目指します。

AIQS-LC- CM(質量分析用自動同定定量データベース)
<開発の背景>
合成化学物質による環境汚染は全世界で現在進行中の問題であり、気候変動の原因となるだけでなく、ヒト、動物および植物の健康に悪影響を及ぼすと考えられています。さらにその種類と生産・使用量は、ともに近年増加の一途をたどっています。この問題に対処するためには、様々な環境媒体の汚染状況を安価かつ迅速に評価するための高効率な分析法が必要です。現在、GC-MSおよびLC-MSが、その優れた感度および選択性により、微量化学物質の検出に最適な方法とされています。しかし、対象化学物質を測定するには、検量線の作成などで対象物質の標準品が必要であるため、同時に測定できる物質数が制限されることや、標準品の入手が必要なため迅速な対応には不向きです。
北九州市立大学 環境技術研究所 特命教授・名誉教授 門上 希和夫先生は、液体クロマトグラフィ・質量分析法に基づいて環境、食品および飲料水など様々なサンプル中の化学物質を網羅分析する革新的な方法(AIQS-LC-CM)を、SCIEX X500R QTOFシステム及びSWATH(R) Acquisitionを利用して開発しました。本データベースの使用により、当該データベース収載の500種を超える化合物に対して、標準品購入費用や調製の手間を省き、化合物の迅速な検出・半定量を行うことが可能になります。


SCIEX X500R QTOFシステム及びSWATH® Acquisition
SCIEX X500R QTOFシステム及びSWATH® Acquisitionは、SCIEX独自の技術でありMSスペクトルとMS/MSスペクトルを同時に取得することができ、またその選択性の高さから夾雑物質による妨害を受けにくいため、多数の化学物質の網羅分析に理想的な技術です。SWATHデータを用いれば、データベースに登録した数百物質の網羅分析だけでなく、データベースに未登録の物質のレトロスペクティブな解析を、サスペクトスクリーニング法およびノンターゲットスクリーニング法を使用して実行することも可能です。イオン源は汚れに強く、測定データのファイルサイズは小さく、データ処理速度は極めて高速でAIQS-LC-CM用として最適なLC-MS/MSシステムです。
 

SCIEXについて】
SCIEX社は、ライフサイエンス分野において、50年に渡って分析技術の革新を進める質量分析計のグローバルリーダーです。研究者・科学者が直面する複雑なサイエンスの問題を解決し、世界をより住みやすい場所にするため、世界トップレベルのテクノロジーを開発しています。技術の活用分野は多岐にわたり、ライフサイエンス分野の基礎研究、創薬・医薬品開発、食品・環境検査、法医学・臨床研究など、幅広い分野にて最適なソリューションを開発するべく、質量分析装置、ソフトウェア、テクニカルサポート・サービスの提供に注力しています。詳しくはhttps://sciex.jp/ をご覧下さい。

※AIQS-LC-CMの著作権は、北九州市立大学に帰属します。
※1 AIQS-LC-CMは、北九州市立大学及びSCIEXが取得した情報及び内容のままご提供するものであり、その正確性及び特定の目的における有用性について保証するものではありません。また、AIQS-LC-CMの利用により直接的又は間接的に生じたいかなる損害に対しても、北九州市立大学及びSCIEXは責任を負うものではなく、その利用により生じた結果及び現象についてはお客様の責任となります。北九州市立大学は、AIQS-LC-CMの操作・使用方法に関する問い合わせは受け付けておりません。弊社では、弊社基準に基づき、一般的な操作方法に限りサポートを行います。

※2 頒布対象は、SCIEX X500シリーズの新規導入施設に限ります。頒布は無償にて行います。
MKT12-878A

研究用にのみ使用できます。診断目的での使用はできません。

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