大阪工業大学(大阪市旭区)工学部応用化学科高分子材料化学領域の藤井秀司教授のグループがこのほど、昆虫の生態をヒントに空気の泡を使用して水中でモノとモノを接着させる技術を開発した。
テントウムシやハムシは足の裏に空気の泡をつけ、これを接着剤として利用して水中で植物の表面などを歩行することが知られている。
このテントウムシやハムシの生態からヒントを得た藤井教授の研究グループは、空気の泡の表面に非常に小さな固体粒子を吸着させて作製したカプセルを用いて、水中で2枚の板を接着させることに成功した。2枚の板で泡をはさんでつぶすと、取り出された空気が接着剤として働くことで2枚の板がくっつく。
この接着技術の利点は、泡の運搬が簡単である点と接着するタイミングを自在にできる点。これまでは、一度くっついたらはがれない接着剤が求められてきたが、現在では再利用性も重要視されている。この技術は空気を使っているため、くっつけて、はがし、再度くっつけるという繰り返しの接着も実現可能だ。さらに、有害な化学物質を使う従来の水中接着剤と違い、環境に優しい接着技術といえる。
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