地域の課題解決に取り組む最新スキーム「ふるさとパレット」- 静岡県下田市と挑む “本気の” 地方創生

東急株式会社

古くはペリーが来航して開国の舞台となり、国内有数の美しい9つのビーチと山の静けさを兼ね備えた自然など、多面的な魅力をもつ静岡県下田市。ピーク時の1987年には600万人が観光におとずれましたが、時代の移り変わりとともにその数は半減し、居住人口も激減しています。

観光産業の陰りとともに、若年層は市外へ仕事を求めて移り住み、下田市の人口は過去20年で21%減りました。現在は静岡県でもっとも人口が少ない市として知られ、2017年には過疎地域に指定されています。今後25年で人口は半減、高齢化率は約6割になると予測され、日本各地で起こっている少子高齢化の縮図ともいえる地域が下田市です。
 
■ 観光を強化すれば解決するわけじゃない! 合言葉は「下田ファンを増やせ」
少子高齢化という避けられない課題を抱える地方では、観光コンテンツを充実させても人手不足で対応できなくなるという現実があります。下田市では、今ある資源で無理なく関係・交流人口を増やして街を活性化させるべく、官民が協力してさまざまなプロジェクトを進めています。
 
▪ まずは気軽に観光しやすい街づくりへ、交通インフラ「MaaS※」の導入
交通インフラは地方共通の課題です。伊豆エリアを含めて今年実験されたのは、観光ルートの検索や予約、決済を一括で行うサービス。AIが近くにいる人とタクシー相乗りサービスを手配してくれるサービスも。公共交通機関の種類や本数が少ない地方で期待されるMaaSの導入に取り組み、訪日外国人だけではなく、車を持たない都心からの観光客向けの対応も進めています。
※ Mobility as a Service:情報通信技術を活用することにより自家用車以外の全ての交通手段を1つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ『移動』の概念。

▪ 気軽な滞在スタイルで第二のホームタウンを提案する「ワーケーション」
ワーケーションとは、「ワーク (仕事)」と「バケーション (休暇)」を合わせた造語で、個人の自由な働き方や生き方を実現する新たなライフスタイルとして注目されています。ハードルの高い移住よりも、気軽にバケーションから始める新たな滞在スタイルは、地域活性化の新しい可能性のひとつです。下田市は東京から直通電車で1本という立地と資源を活用し、2019年10月にワーケーションサミットを開催するなど、ワーケーションの取り組み先進地域として注目されています。

■ 最新プロジェクトは、話題のふるさと納税!
地域活性化のキモであるヒト・カネの交流を最大化させることを目的に、ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとパレット」が、この秋本格スタートしました。特産物を納税者に届けるだけではなく、実際に訪れることで地域のオリジナリティを体感してもらおう!という想いから始まったプロジェクトは、地域に所縁のある東急グループのスタッフと地域住民が共に地域課題に向き合いながら返礼品を開発・情報発信することで、地域課題を解決に向けるスキームです。

今回デビューしたプログラムでは、どこよりもイルカに近づけると有名な「下田海中水族館」で、トレーナーに弟子入りし、3日間でイルカショーまでやってしまうプログラムや、2017年にデビューした横浜と下田をつなぐ「ザ・ロイヤルエクスプレス」でゆったり愉しむ大人旅など、下田に足を運びたくなる工夫を凝らした取り組みが、協業から生まれています。



■ プロジェクトにかかわる人たちの声
下田市でふるさと納税を担当し地域の活性化にたずさわる職員と、民間企業の立場でかかわる人は、現状をどう考えているのか。それぞれの声を聴きました。

▪ 自治体の声
下田市役所 統合政策課 渥美大介さん

ー 自治体だけでは解決できない悩みはありますか?
下田市には観光スポットをはじめ多くの魅力的な場所や物がある一方、その情報の提供が十分でないという課題があります。市や観光協会等のHPやSNSを活用して情報の発信をしていますが、情報が効果的に伝わっているかどうかの分析が細かくできておらず、その先の戦略がなかなかたてられない状況にあります。
 
ー 民間企業との取り組みを積極的に進めるなかで、どのような変化を感じていますか?
情報回線の発達により様々なところで様々な取り組みがされている今日、民間企業のアンテナの高さが一番の魅力と言えます。今年度は「ふるさとパレット」に下田市が参画するにあたり、東急グループの担当職員と一緒に、新規お礼品の開発のためのグループワークや業者訪問をしました。そのなかで、地域に合った事業はどのようなものか、マーケティング調査の結果を踏まえて助言してくれるため良い刺激となっています。
また、ひとたび事業を始めるとスピーディに展開してくれるため、熱が冷める前に次が行われるという良い循環が生まれてやる気に繋がっています。
 
ー 今後の下田市のビジョンを教えてください。
良い循環になってきているので、下田市の魅力をさらに効果的に発信していければと思ってます。
「ふるさとパレット」もスタートし、さっそく申し込みもいただいています。ふるさと納税を通じて関わる市外の人が増えることはもちろんのこと、地域の課題解決につながるような返礼品開発を進めることで、私たち地域住民が主体的に下田市を魅力的な場所にしていければと思います。

▪ 民間企業の声
下田市役所 シティプロモーションアドバイザー
東急株式会社 事業創造担当
株式会社東急エージェンシー エリアプロジェクト局 企画開発部 部長 
長谷川 光

ー 下田市のシティプロモーションアドバイザーとして、地方自治体の課題は何だと考えますか?
自治体の多くは、人口減少、少子高齢化の進行により時代の変化に対応したまちづくりが難しいという現実に直面しています。例えば、観光産業では個人旅行やインバウンドの増加、アウトドアブームなどマーケットが大きく変容していますが、受入れ環境やサービスの構築が十分にできていません。既存の産業が縮小したり撤退が増えてくると仕事がなくなり従業員は転出し、さらにまちづくりが不自由になっていくという負のスパイラルが起きています。
 
ー「ふるさとパレット」を立ち上げたきっかけは?
ふるさと納税の盛り上がりによって寄附が増えたにもかかわらず、担い手不足によりうまく活性化につながられていない地域も多いと耳にしました。返礼品目当てでどこの地域に寄附をしたのかも覚えていないようなやり取りでは、地域が抱えている課題の根本的な解決に繋がらないと思うのです。
地域に必要なのは、地域に関与する「人」と「お金」を増やすことだと私は考えています。
 
ー 今後のビジョンを教えてください
これまでのふるさと納税の多くは、「モノ(返礼品)」と「カネ(寄附)」の交流にとどまっていました。「ふるさとパレット」では、(1)地域と連携して地域課題を解決する返礼品の開発(2)地域との出会いのきっかけとなる交流型返礼品の開発、(3)地域の魅力発信の3つに重点をおいています。「ふるさとパレット」をまちづくりの一翼を担う存在にしていければと考えています。

■ 東急のふるさと納税 事業概要
名    称   ふるさと納税ポータルサイト「東急グループのふるさと納税『ふるさとパレット』」
運    営   東急株式会社
サイト開設日   2019年10月9日(水)
サイトURL   https://tokyu-furusato.jp


▼「東急オリジナルお礼品」について
「東急オリジナルお礼品」とは、自治体の要望に基づき、企画・コミュニケーションのノウハウを生かし、広告会社(株式会社東急エージェンシー)の特別編成チームが開発をサポートし、地域の自治体や地元の方々と共同で「訪れるきっかけとなるお礼品」をテーマに開発するお礼品です。本サイトでは、生産者の想いなどの開発ストーリーとともにご紹介します。東急グループの広告会社、株式会社東急エージェンシーが長年培ってきた、クリエイティブ、マーケティング、PR、プロモーションのスキルを活かして商品開発をサポートします。

<「東急オリジナルお礼品」の例>
静岡県下田市:THE ROYAL EXPRESS食事付き乗車プラン+下田ロープウェイチケット(頂上レストラン1ドリンク付)、下田海中水族館 イルカトレーナー弟子入り体験

▼ 掲載決定自治体一覧(20191112時点
北海道北広島市/北海道白糠町/青森県東通村 /岩手県矢巾町/福島県葛尾村/静岡県下田市/長野県上田市/長野県青木村/長野県信濃町/東京都品川区/愛知県碧南市/広島県広島市/大分県国東市 (全13自治体)

 

その他のリリース

話題のリリース

機能と特徴

お知らせ