アリババグループ傘下の天猫（Tmall）は2019年3月4日、今年5回目となる「Tmall Beauty Summit」を上海で開催しました。

ハイライト
1.2019年中に国内外の化粧品1,000ブランドが店舗を開設
2.出店ブランドの80%以上が天猫で新製品を発表
　美容製品の売上高は昨年比60％超で、業界の平均成長率を上回る

1. 2019年中に国内外の化粧品1,000ブランドが店舗を開設
天猫は同サミットにて、2019年中に国内外の化粧品１,000ブランドの店舗を開設する目標を発表しました。この目標は、高まり続ける中国消費者の需要にアプローチしたい美容ブランドから選ばれるプラットフォーム、という地位を確立する推進力となるものです。

同サミットでは、グローバルの化粧品企業7ブランドと天猫が契約を締結しました。トム フォード（Tom Ford）、グラムグロウ（Glamglow）、P&Gの新たな化粧品シリーズOriental Therapy、Cosme、日本の資生堂のd program、韓国のPrimera、スウェーデンのバーネゲン（Barnängen）の7ブランドが、2019年中に天猫で旗艦店を開設します。

また、美容ブランドの中国での成功を支援する新たな取り組みの一環として、1月に正式に発表したワンストップソリューション「Alibaba Business Operating System」を紹介しました。本ソリューションは、販売、物流、サプライチェーン管理、決済、マーケティング、クラウドコンピューティングおよびその他のサポートサービスのデジタル化を支援するものです。

同サミットにて、各カテゴリーの人気コスメ商品も発表しました。資生堂のアネッサ、ユニ・チャームのソフィなど、日本ブランドも名を連ねました。

●天猫 プレジデント Jet Jingのコメント
天猫の18万のブランドから信頼され、ブランドのデジタル化の加速および中国での事業成長に貢献できることを光栄に思います。中国の消費活動はアップデートを続けており、様々な年齢層や居住地の人々が、高品質な美容製品を進んで購入しています。私たちは、このチャンスを活用するために、多くのブランドと協力できることを楽しみにしています。


2.出店ブランドの80%以上が天猫で新製品を発表
　美容製品の売上高は昨年比60％超で、業界の平均成長率を上回る
2018年は、天猫に出店するブランドの80%が天猫で新製品を発売しました。また、天猫の美容製品の売上高は昨年比60％超で、業界の平均成長率を上回りました。

天猫および小売市場調査会社Kantarが同サミット中に共同発表した報告書によると、2018年の中国国内の小売市場全体のうち、天猫で販売された割合の増加率は、パーソナルケア製品が昨年比21%増で、化粧品全体の21%を上回りました。また、天猫における製品の浸透率は、パーソナル製品が最も高く60%を上回る結果となりました。浸透率の増加率はパーソナルケア製品および家庭用クリーニング用品が昨年比45%増で、消費財全体は昨年比40%でした。

同報告書では、15～19歳のZ世代の可能性を示しました。Z世代の女性は美容市場の新たな消費者で、他の年齢層の女性よりもハイエンドな口紅を進んで購入します。これは化粧品会社にとってチャンスです。

日本ブランドも積極的に天猫でビジネスを展開
コーセーは2018年9月に、天猫でコスメデコルテの店舗を開設しました。わずか10日で13.7万人のフォロワーを獲得し、購入者の83%が90年代生まれでした。コーセーは現在、天猫もしくは天猫国際に6ブランドの旗艦店を開設しています。

資生堂のELIXIRは2018年4月に中国にて、日本で人気のアイクリームの販売を開始しました。30日間のPV数は1億を突破し、売上数2万個以上を達成しました。日焼け止めで人気のアネッサも、「ドバイ日焼け止めの旅」を天猫と共同企画し、ドバイでアネッサを体験できるイベントを実施しました。キャンペーン期間中は売上が600％増加し、わずか6分で1万個が売り切れるなど大盛況でした。資生堂は2018年８月にNARS（ナーズ）の旗艦店もオープンさせ、現在天猫に10ブランドの店舗を開設しています。


天猫は、アリババの約7億人の中国国内の顧客、強力な技術サポートおよび精通した市場知識を強みとして、ブランドがカスタマージャーニー全体を管理するための最も効果的なプラットフォームとなりました。製品開発、認知向上、取引、配送からアフターサービスまで、オンラインおよびオフラインの両方において顧客にシームレスな体験を提供します。