「エイボン女性年度賞2018」授賞式典 開催

エイボン・プロダクツ株式会社

高い志と情熱を持ち、人々に勇気や希望を与えた女性5名を表彰
-39回目となる今回は「魔女の宅急便」シリーズの童話作家・角野栄子氏が大賞を受賞-

エイボン・プロダクツ株式会社(本社:東京都新宿区、以下エイボン)は、2019年1月31日(木)に今年で39回目となる「エイボン女性年度賞2018」授賞式典を、都内にて開催いたしました。


「エイボン女性年度賞」は、当社のCSR活動の根幹として、「社会のために勇気や希望を与える女性たちの活動を後押ししたい」という願いのもと 1979年に創設した女性のためのアワードです。その年度で顕著な活躍をされた方、長年の地道な努力を結実された方、女性の新しい可能性を示唆する先駆的活動をされた方という観点で、様々な分野で活躍する女性たちを顕彰してまいりました。
授賞式典では、冒頭に中陽次取締役社長より「39回目となるエイボン女性年度賞を開催できたことを心より嬉しく思います。エイボンは、今年で創立50周年目を迎えました。当社の企業理念『the company for women』は、その時代の新しい女性の価値を掲げ、女性の人生のお役に立ちたい、ということが我々の夢でもあります。今回の受賞者、表彰者の方々は、夢を追いかけて実際に形にされた功績のある方々です。エイボンもこの夢を追求し続け、次の50年を歩んでいきたいと思っております」と挨拶がありました。その後、大賞の角野栄子氏(童話作家)及び各賞受賞者へ選考委員からトロフィーの授与、講評を行いました。
受賞者スピーチでは、受賞に対する思いや、自身の活動の根幹にある志などを語っていただき、今を生きる女性たちへエールを贈っていただきました。

エイボン女性年度賞2018 受賞者:
◆大賞 / 角野 栄子氏(童話作家)
◆教育賞 / 新井 紀子氏(国立情報学研究所 社会共有知研究センター センター長・教授、一般社団法人 教育のための科学研究所 代表理事・所長)
◆スポーツ賞 / 田中ウルヴェ 京氏(メンタルトレーニング上級指導士・ソウル五輪銅メダリスト)
◆芸術賞 / 植田 景子氏(宝塚歌劇団 脚本家・演出家)
◆ソーシャル・イノベーション賞 / 石坂 典子氏(石坂産業株式会社 代表取締役)


【「エイボン女性年度賞2018」授賞式レポート】
大賞:角野 栄子 氏



<プレゼンター:大宅 映子選考委員スピーチ>※抜粋
大賞の選考時に、候補者として角野さんのお名前が挙がると、全員一致ですぐに決まりました。そして角野さんのご経歴を改めて調べる中で、これまでに253冊も出版されていることに驚きました。翻訳だけでも121冊です。しかし、出版された量が多いから、数々の賞を受賞されているから「すごい」ということではありません。子どもたちだけでなく大人も含めたみんなが、角野さんの明るさと、夢と希望を与えてくれる物語から、勇気や元気をもらっており、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
私たちから見ると、角野さんは「魔女の宅急便」のような陽気な印象がありますが、初めからハッピーな人生を歩んでこられたわけではありません。5歳の時にお母様がお亡くなりになり、「トンネルの森」の舞台である1945年の終戦時には、まだ10歳でした。角野さんは当時について「孤独や不安でいっぱいの少女でした」と書かれています。
そんな角野さんがどうやって、みんなに勇気を与えてくれる物語をこんなにもたくさん書くことができたのかを勝手に分析させていただくと、まずお父様の影響があったのだと思います。お父様が膝の上で抱っこしながら、たくさんの本を読み聞かせてくださり、「『桃太郎』の『どんぶらこっこ』というリズムが今でも耳に残っている」そうです。もう1つは、ブラジルに滞在されていたことです。日本という島国を出て、ブラジルの大らかな空気を吸ったことで、角野さんの人生が変わったのではないでしょうか。
どこに向かうのか分からないようなこの世界の中、子どもたちにいい本、いい物語を読ませることで、大切な「心」を与えてくれる、それが角野さんのお仕事です。そして角野さんは「誰もが魔女になれる」「魔女とは、創造力であり、クリエイティビティやイマジネーションであり、みんなが持っているものだ」と言ってくださっています。
ぜひこれからも、私たちをますます元気にしてくれる物語を、たくさん書いていただきたいです。本当におめでとうございます。

<角野氏受賞スピーチ>※抜粋
このたびは素晴らしい賞をいただき、本当に感動しています。選考委員の方々やエイボンの方々、そしてたくさんの読者の方々に、心から御礼を言いたいです。
私は本当に自分が好きなことを毎日書いてきただけでした。それも35歳からです。それまでは自分が書く人になるなんて思ってもいませんでした。ただ「ブラジルにいた」という経験があるだけで頼まれて書き始めましたが、最初は積極的に大喜びで書いたわけではなく、大学の先生に頼まれたから書いただけでした。ただ、何度も書き直しをしている中で、ふと、本当にドラマティックに「私は書くことが好きなんだ、一生書いていこう」と、思ったんです。しかし、それが本となり、皆さんに読んでいただけるとは全く考えられないような下手なものだったので、ただ黙って一人で7年間も書いていました。次の本が出たのは42歳の時です。好きでなければ続けられなかったかもしれませんが、ただ毎日コツコツと書いていました。それを皆さんに読んでいただけたということは、本当にありがたいと思っています。
私が書いているのは、自分が「楽しい!おもしろい!」と思うものです。そうすると、「読んでくれた方も楽しいと思ってくれるに違いない!」という、変な信念みたいなものを持っているのですが、読者の方から時々、「初めて本を終わりまで読むことができました」というお手紙をもらうことがあります。子どもたちは途中でつまらなくなって本を読むのをやめてしまうことがたびたびあり、それがコンプレックスとしてずっと自分の中に残っているようなのです。そんな子どもたちが、本を読み終わったことの誇らしさを私に伝えてくれる手紙を読むと、「良かった」という気持ちになります。
やはり本は、自分が好きで、自由な気持ちで読まないと好きにはなれません。そして本を好きになるために私の作品を読んでくださったのなら、それでいいのかなと思っています。私の作品を読んで本が好きになり、自分で本を選べるようになって他の作品を読んでいくうちに、その子どもの中に“自分の言葉”というものが積もり積もっていくのではないでしょうか。そしてその子は、その言葉で一生生きていくような気がしています。そのようなことを思いながら、私はこれからも書き続けていきます。
物語とは、そのように読んでもらった時に、その人の中にいささかでも力が芽生えてくるのではないでしょうか。読み終わった後もその創造力をもって、物語をさらに大きく自分の中に取り入れ、本をどんどん好きになっていく。そして、“自分の言葉”をもって人と話し合い、“自分の言葉”で物を書ける人間になっていくのではないでしょうか。それを信じ、これからもおもしろい物語を書き続けていくことを、この賞への御礼とさせていただきたいです。

【角野 栄子氏プロフィール】
早稲田大学教育学部卒業。1959年にブラジルに移住し、2年間滞在。帰国後、サンパウロの少年を描いた『ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて』(1970年)が処女作。その後、童話や絵本の創作を始める。『わたしのママはしずかさん』(偕成社)、『ズボン船長さんの話』(福音館書店)で路傍の石文学賞。『魔女の宅急便』(1985年福音館書店)で野間児童文芸賞、小学館文学賞、IBBYオナーリスト文学賞などを受賞。『魔女の宅急便』は、その後シリーズ化し、2009年10月『魔女の宅急便 その6 それぞれの旅立ち』で完結した。またこの作品は、1989年のアニメ映画、1993年のミュージカル、2014年の実写映画、2016年のロンドンでの舞台、2017年からのミュージカルと数々の形態で親しまれている。
作品はほかにロングセラーの「アッチ、コッチ、ソッチの小さなおばけシリーズ」、自選童話集『角野栄子のちいさなどうわたち(全6巻)』(以上ポプラ社)、エッセイ『ファンタジーが生まれるとき』(岩波書店)、自伝的小説『ラストラン』(角川書店)、『ナーダという名の少女』(角川書店)などがある。
近年の作品としては、2015年の『トンネルの森 1945』(角川書店 2016年度産経児童出版文化賞)、最新刊『キキが出会った人びと〜魔女の宅急便 特別編』『キキとジジ〜魔女の宅急便 特別編その2』(福音館書店)がある。また、それまでの業績に対して、2000年に紫綬褒章、2011年に巖谷小波文芸賞、2013年には東燃ゼネラル児童文化賞、2014年旭日小綬章、2018年国際アンデルセン賞作家賞を受賞した。


※大賞以外の受賞スピーチはプレスリリースをご参照ください。


【受賞者推薦団体】
受賞者が指名する団体にも受賞者への副賞(大賞100万円、各賞50万円)と同額を寄付しています。

一般社団法人 日本国際児童図書評議会(JBBY)(大賞・角野栄子氏推薦団体)
http://jbby.org/

特定非営利活動法人 コモンズネット(教育賞・新井紀子氏推薦団体)
https://www.commonsnet.org/

ジョン・ノイマイヤー財団(芸術賞・植田景子氏推薦団体)
http://www.johnneumeier.org/

特定非営利活動法人 国境なき医師団(スポーツ賞・田中ウルヴェ京氏推薦団体)
https://www.msf.or.jp/

社会福祉法人 三芳町社会福祉協議会(ソーシャル・イノベーション賞・石坂典子氏推薦団体)
http://www.miyoshi-shakyo.or.jp/


【エイボン女性年度賞について】
「エイボン女性年度賞」は「社会のために勇気や希望を与える女性たちの活動を後押ししたい」という願いのもと1979年に創設された賞です。本賞は当社の社会貢献活動の根幹として、その時代ごとに、社会に有意義な活動を続け、自身の信じた道を切り拓いてきた女性たちを表彰してまいりました。また本賞の特徴として、さらなる活動の支援に、受賞者が指名する非営利団体にも受賞者の副賞と同額の寄付金が授与されます。今までに190以上もの団体へ寄付をいたしました。第一回目の大賞には、日本の婦人運動家の先駆けとして活躍した市川房枝氏が受賞しており、以降も芥川賞を受賞した作家の田辺聖子氏、数多くのヒット作を手掛けた脚本家の小山内美江子氏らが受賞してきました。

【選考委員】
本年度も、各分野の第一線で活躍される4名の選考委員が、エイボンのフィロソフィーに寄り添いながら、目覚ましい活動成果をあげられた方、長年にわたる地道な努力が結実された方、女性の新しい可能性を示唆する先駆的活動をしている方などを選定基準に各受賞者を選出いたしました。

・有森 裕子 氏(元マラソン選手)
・大宅 映子 氏(評論家・公益財団法人大宅壮一文庫理事長)
・国谷 裕子 氏(キャスター)
・原田 マハ 氏(作家)
※50音順

【エイボンについて】
エイボンは世界をリードする化粧品及び美容関連製品のアメリカ発のダイレクトセリング会社です。
1886年の創業以来、「the company for women(女性が求める輝きを創り続ける)」であることを企業理念とし、高品質の製品や充実したサービスで、女性のよりよい生活をサポートしています。日本では、1968年より事業展開し、スキンケアブランド「ミッション Y」シリーズや、メイクアップブランド「エフ エム ジー」など、数々の「きれいと元気」をお届けする製品を扱ってまいりました。
CSR活動においては、1979年に創設した「エイボン女性年度賞」や、2002年よりスタートした「ピンクリボン活動」など、早くから女性のための社会貢献プログラムにも取り組んでいます。
エイボンは日本での製品販売開始 50 周年を迎えるにあたり、2018 年 9 月から 2019 年 12 月末までの期間を50 周年イヤーとして、様々な活動に取り組んでいます。

エイボンコーポレートサイトURL  :https://www.avon.co.jp/
「エイボン女性年度賞」URL  :https://www.avon.co.jp/csr/womanprize/



 

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