ニールセンとアリペイ、中国人海外旅行者のモバイル決済行動に関する報告書を発表
アリペイ導入後、販売店の58%で来店数が増加。56%は売上が改善
世界規模の調査会社「ニールセン」と、アント フィナンシャル サービスグループが提供する世界最大規模のモバイル及びオンライン決済プラットフォーム「アリペイ」は、海外観光における最新の動向や中国人の海外旅行者の消費習慣について分析した報告書「2018 trends of Chinese mobile payment in outbound tourism」を共同で発表しました。本調査対象は、2,800人以上の中国人の海外旅行者(以下、中国人海外旅行者)と1,200人以上の中国国外の販売店(以下、海外販売店)です。海外旅行中にモバイル決済を利用する旅行者の増加とともに、中国人海外旅行者の平均予算も増加したことが分かりました。モバイル決済による支払いが取引の32%を占め、初めて現金を超えました。
中国のモバイル決済方法は、海外販売店のオペレーション強化にも役立っています。アリペイ導入後、海外販売店の58%で来店数が増加し、56%は売上が改善したと回答しました。
今後ますます中国人の海外旅行が増加し、その消費と選択がより影響力を及ぼすようになることが予想されます。アリペイは、常に変化し続ける中国消費者市場動向に関する新たな情報を提供していきます。
■ハイライト
●2018年に中国人海外旅行者が訪れた国/地域数は平均2.8で、2017年の平均2.1から増加しました。中国人海外旅行者の実際の平均支出は昨年比6%増の6,026ドル、旅行予算も昨年比15%増の6,706ドルでした。
●支出カテゴリー上位3つは、引き続き「買い物」、「宿泊施設」、「食事」でした。「買い物」の決定を左右する重要な要素は、割引、品質、価格の3つです。
●中国の海外観光市場における新たな原動力は、2級都市の中国人海外旅行者です。特に2018年は、ヨーロッパを旅行した2級都市の中国人海外旅行者が初めて1級都市を上回り、38%となりました。さらに、北米を旅行した2級都市の中国人海外旅行者は、1級都市と同程度の割合でした。
●旅行先の選択がより冒険的になりました。2018年の中国人海外旅行者の10%は、中央アジア、西アジア、アフリカを旅行しています。マイナーな旅行先の選択というトレンドは、中国のミレニアル世代が先導しています。1990年から1999年の間に生まれた中国人海外旅行者の18%が中央アジア、西アジア、アフリカを旅行し、5%が北欧諸国を旅行しています。
●今や、中国のミレニアル世代だけが、海外でのモバイル決済における主要な利用者グループというわけではありません。より上の世代の利用者も増加しています。2018年には、1970年から1979年の間に生まれた中国人海外旅行者の68%が海外旅行中にモバイル決済を使用し、ミレニアル世代に匹敵する割合となりました。
●中国人海外旅行者は現在、世界中でモバイル決済を使用しています。2018年には、シンガポール、マレーシア、タイ、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアにおいて、中国人海外旅行者の60%以上が携帯電話で支払いを行っていました。シンガポール、マレーシア、タイの販売店の90%が、モバイル決済の使用可否について問い合わせた中国人消費者に遭遇したと回答しています。
●モバイル決済は、中国人消費者に便利な選択肢を提供するだけでなく、地元販売店の売上向上にも役立ちます。アリペイを採用した販売店の71%が、同業者にアリペイを推奨するだろうと回答しています。
●海外でモバイル決済を利用する中国人海外旅行者の増加、および既存の加盟店による中国のモバイル決済ブランドの理解の深まりに伴い、さらに多くの海外販売店が中国のモバイル決済ソリューションを採用していくでしょう。シンガポール、マレーシア、タイでは、既に中国のモバイル決済ソリューションを採用している販売店の60%が、これらの決済方式を同業者に推奨するだろうと回答しています。まだモバイル決済を導入していない販売店の55%は、将来的に中国のモバイル決済ソリューションを採用する可能性が非常に高いと回答しています。
■調査概要:
●調査対象
(1)中国人海外旅行者 2,806名
2018年の海外旅行経験者および1年以内の海外旅行予定者。
・居住地:中国の1級都市・2級都市・3級都市
・年齢:20代~50代
(2)海外販売店 1,244店
シンガポール、マレーシア、タイにおける、中国人海外旅行者が頻繁に訪れる人気店。
●調査方法
対面インタビューおよび海外販売店9店とのデプスインタビュー
■支付宝(Alipay:アリペイ)とは
アント フィナンシャル サービスグループが提供する、世界有数の決済およびライフスタイルプラットフォームです。海外でも中国人向けのオフライン決済サービスを世界40の国と地域で提供しており、グローバルパートナーを合わせたアクティブユーザー数は10億人以上となっています。