【東芝】「東芝Nextプラン」実行に向けた組織運営体制の見直しについて
当社グループは、2018年12月26日に公表した、電池事業およびビルソリューション事業の強化のための組織再編と併せて、「東芝Nextプラン」の実行に必要な組織体制の見直しを行い、事業運営体制を強化するとともに、意思決定の迅速化を図ります。
1.新規事業推進室の新設
当社は、経営企画部に「新規事業推進室」を1月1日付で新設しました。社内の技術資産を活かした事業化推進機能と、社外の力を積極的に活用するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル注1)機能を両輪として強化します。
事業化推進機能では、社会課題を解決できる事業仮説を立案し、リーンスタートアップ注2の手法を用いて価値検証を繰り返しながら迅速な事業化を目指します。
またCVC機能においては、「東芝Nextプラン」において、2019年度から5年間で約100億円規模の投資を行うこととしています。エネルギー、物流、ライフサイエンス等の成長事業領域とのシナジーが見込める領域でビジネスモデルを有する国内外のベンチャー企業や、こうしたベンチャー企業への投資実績を有するベンチャーキャピタルに対して投資を行っていきます。
この両輪を連携させることにより、これまで当社がアクセスできていなかった社外の技術や知見にアクセスし、社内の技術資産とのシナジーを起こすオープンイノベーションで、有望な新規事業を迅速に創出していくことを目指します。
2.各分社会社における事業部の再編・集約等
「東芝Nextプラン」実行に向けた組織見直しの基本方針の一つである「事業部大括り化」に基づき、各分社会社において4月1日付で以下の事業部再編を行い、事業運営体制の強化を図ります。また、東芝エネルギーシステムズ株式会社においては、1月1日付でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する組織を新設しました。
(1)東芝エネルギーシステムズ株式会社
原子力事業部と火力・水力事業部を統合し、「パワーシステム事業部」を新設します。また、電力流通システム事業部とエネルギーアグリゲーション統括部を統合し、「グリッド・アグリゲーション事業部」を新設します。
パワーシステム事業部は電力を「つくる」観点から、グリッド・アグリゲーション事業部は電力を「おくる、ためる、かしこくつかう」観点から、それぞれ電力インフラを支える社会的責任の大きい事業です。今回の事業部の統合により、事業運営体制の強化と意思決定の迅速化を図るとともに、シナジー効果を発揮し、新しいサービスや新領域への事業展開を図っていきます。
また、デジタル関連ビジネスの加速のため、各事業部から人材を結集し、事業部横断で同ビジネスを推進する「DXビジネスデザインプロジェクトチーム」を東芝エネルギーシステムズ株式会社の社長直轄組織として1月1日付で新設しました。
東芝グループは、実世界(フィジカル)におけるデータを収集し、サイバー世界でデジタル技術などを用いて分析したり、活用しやすい情報や知識とし、それをフィジカル側にフィードバックすることで付加価値を創造する「サイバー・フィジカル・システム(CPS)テクノロジー企業」を目指しています。サイバーとフィジカルの融合を進め、事業パートナーと共に社会課題を解決する新たなビジネスモデルを創造するDXを、他の分社会社においても同様に推進していきます。
(2)東芝インフラシステムズ株式会社
水・環境システム事業部と社会システム事業部を統合し、「社会システム事業部」を新設します。両事業部はビジネスモデルや基盤技術、営業およびフィールド・サービス体制等における共通要素が多いことから、事業部組織を統合し、マネジメントの効率化を図り、事業運営体制を強化します。
(3)東芝デバイス&ストレージ株式会社
ロジックLSI統括部とミックスドシグナルIC事業部を統合し、「システムデバイス事業部」を新設します。システムLSI事業に関わる両事業部の統合により、両事業で培ってきたアナログ、デジタル技術の一層の融合と、開発リソースの統合・再配分による、注力事業領域の強化と共通機能の効率化を図り、事業運営体制を強化します。
(4)東芝デジタルソリューションズ株式会社
官公ソリューション事業部とインダストリアルソリューション事業部を統合し「ICTソリューション事業部」を新設します。これにより、それぞれのAI、IoT等に関するリソースの更なる有効活用を図り、CPS、DXの実現に貢献します。また、意思決定を迅速化し、事業運営体制を強化します。
3.部品材料事業統括部の廃止・再編
事業運営体制の強化、意思決定の迅速化を目的とし、部品材料事業を統括する部品材料事業統括部が行っている事業、および傘下の事業場・関係会社を、当社グループ内の関連性の高い部門へそれぞれ移管する再編を行い、当社グループが保有する経営リソースを活用することにより、各事業の継続・拡大を図ります。これに伴い、部品材料事業統括部は廃止します。
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注1 主に未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資や支援を行うことを目的に、事業会社が自己資金で組成したファンドのこと。独創的な技術やアイデアを持ち、かつ自社の事業と関連のある企業に投資することで、本業との相乗効果を得ることを目的に運営される。オープンイノベーションの一手段。
注2 必要最小限の投資と短いサイクルでの事業仮説の構築と検証を繰り返し、市場や顧客のニーズを探り当てながら、ビジネスを開発する手法。
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