【東芝】電池事業およびビルソリューション事業の強化について

株式会社 東芝

~「東芝Nextプラン」実行に向けた組織運営体制へ再編~

 当社は、リチウムイオン二次電池(SCiB™)の開発・製造・販売を行う電池事業と、昇降機、照明、空調を扱うビルソリューション事業の強化を目的に、2019年4月1日付で、電池事業を東芝インフラシステムズ株式会社(以下、TISS)から当社に移管すると共に、ビルソリューション事業については、同事業の中核を担う東芝エレベータ(株)、東芝ライテック(株)、東芝キヤリア(株)の3社をTISSが管轄する体制から、当社が管轄する体制へ変更します。
 当社グループは、11月8日に発表した「東芝Nextプラン」において、電池事業は新規成長事業、ビルソリューション事業については注力領域にそれぞれ位置付けています。今回の組織運営体制の見直しにより、意思決定の迅速化を図るとともに、当社グループ全体のリソース活用等により両事業の推進体制を強化し、成長を加速してまいります。
 なお、電池事業、ビルソリューション事業に関する今般の組織運営体制の見直しは、いずれも会社分割方式により実施します。
 
1.電池事業
 当社は、TISSから吸収分割により本事業を承継します。電池事業を、当社の独立した事業部として管理する体制にすることで、意思決定の迅速化を図ります。同事業は、当社執行役専務の豊原正恭が担当します。
 なお、鉄道、防衛、受変電等の領域で進めているSCiB™を活用した蓄電池応用システム事業については、従来どおりTISSで継続してまいります。
 当社では、優れた安全性と長寿命、低温性能、急速充放電等の特性を兼ね備えたSCiB™の製造・販売を2008年3月から行っています。SCiB™はその性能を評価され、ハイブリッド車(HEV)や無人搬送車(AGV)、鉄道向け蓄電池システム等、幅広い分野で採用されています。
 SCiB™の需要は拡大しており、設備投資とアライアンスにより製造能力を拡充しています。国内では、現在の製造拠点である柏崎工場に加え、横浜事業所内に新たな製造拠点を新設、海外では、スズキ株式会社、株式会社デンソーとの合弁によるインドでの工場設立に加え、米国ではジョンソンコントロールズパワーソリューションズ社との協業を開始することで合意しています。当社グループが長年にわたり培ってきた量産オペレーションに関するノウハウ等を最大限に活用し、今後事業を拡大していきます。
 また、当社グループが保有する技術・開発リソースを活用し、チタンニオブ系酸化物を負極材に用いた、高エネルギー密度の電池の開発等を加速していきます。
 加えて、当社グループの幅広い事業分野を生かし、エネルギー分野など、TISS以外の事業領域におけるSCiB™の特性を生かせる成長市場にも注力し、事業機会の拡大を促進し、2030年に4千億円規模の事業にすることを目指します。
 
2.ビルソリューション事業
 当社は、ビルソリューション事業領域において、昇降機事業、照明事業、空調事業をそれぞれ担う東芝エレベータ(株)、東芝ライテック(株)、東芝キヤリア(株)の株式を吸収分割によりTISSより承継し、同3社を当社の直接傘下に移管します。ビルソリューション事業は、当社代表執行役副社長の秋葉慎一郎が担当するとともに、「グループ経営統括部」を設置し、同事業を統括する体制とします。これにより、3社の連携を一層強化するとともに、組織階層を削減し意思決定の迅速化を図り、ビルソリューション事業の運営体制を強化します。
 なお、TISSは、ビル・施設向け受変電システムおよびIoTソリューション事業について、従来通り3社と連携して同事業に注力してまいります。
 昇降機事業では、グローバル市場が堅調に伸長し、また海外成熟市場および国内では昇降機の老朽化更新の需要の拡大が見込まれており、海外成長市場でのアライアンスの強化、海外成熟市場および国内でのリニューアル事業の強化により、販売を拡大していきます。また、他社に先行して、建物全体のBIM(Building Information Modeling)データを活用した利便性の高いクラウドサービスにより昇降機のライフサイクル全体を計画・運用・管理する環境を構築し、新規受注拡大を図るとともに、保守やリニューアルへの展開を目指します。
 照明事業では、経営効率の向上とモノづくり力の強化のため、製造拠点の再編を実施するとともに、国内シェア2位の施設照明、国内シェアトップの舞台・スタジオ照明、グローバルシェアトップの自動車用電球や、成長領域であるソケット型LED等、競争優位性のある領域に資源を集中して、事業を強化していきます。
 空調事業では、環境意識の高まりによって各国の省エネ規制が強化される中、得意とする業務用空調を中心に製品ラインアップを拡充し、米国キヤリア社との連携強化、独自の販売網を持つ中国での事業強化など、グローバル市場での一層の拡販を実現していきます。また、中国の開発・製造建屋建設、富士工場の新技術棟建設、インドでの現地生産開始など、積極的な投資により開発・製造能力の拡充を進めています。
 
 当社グループは、「東芝Nextプラン」の実行に必要な組織体制の見直しを必要に応じて実施し、事業運営体制の強化、意思決定の迅速化を図ってまいります。
 
■関連する主な幹部人事
 当社グループは、以上の組織運営体制の見直しに伴い、4月1日付で以下の人事異動の実施を予定しています。
(1)電池事業部関連
   担当執行役 : 執行役専務 豊原 正恭(とよはら まさやす)
   電池事業部長: 江草 俊(えぐさ しゅん)
 
(2)グループ経営統括部関連
   担当執行役   : 代表執行役副社長 秋葉 慎一郎(あきば しんいちろう)
   グループ経営統括部長: 堀口 正裕(ほりぐち まさひろ)
 
(3)関連人事
   インフラシステム所管(東芝インフラシステムズ株式会社社長):
   執行役上席常務 今野 貴之(こんの たかゆき)

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