HARUMI FLAG ~晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業~
世界初となる「LEED-ND計画認証」および「SITES予備認証」の同時取得(ともにGOLD認証)、「ABINC ADVANCE」認証取得第一号、「CASBEE-街区」最高Sランク、合計4つの環境認証を取得
晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業(以下、本事業)の特定建築者11社(※)は、都内最大級の複合開発となるHARUMI FLAGの街づくり計画を進めておりますが、この度、東京都および特定建築者11社は、本事業において4つの環境認証を取得しましたのでお知らせいたします。世界的な街づくりにおける環境認証制度である「LEED(リード)」の街づくり部門「ND(Neighborhood Development:近隣開発)」における計画認証と、ランドスケープのサステナビリティを主に評価する「SITES(サイツ)」における予備認証については、いずれもGBCI(Green Business Certification Inc.)が評価認証するもので、この度、双方のGOLD認証を取得しました。この2つのGOLD認証を同時に取得するのは世界で初めてとなります。
また、一般社団法人いきもの共生事業推進協議会が評価認証し、生物多様性保全の取り組みに対する新規の環境認証制度である「ABINC ADVANCE(エイビンク アドバンス)」については、その第一号物件として認証を取得し、国内にて街づくりの取組み全般を評価する「CASBEE(キャスビー)-街区」のSランク認証については、マンション開発を中心とする事業として、それぞれ国内で初めて認証を取得しました。
4つの環境認証を取得し、世界でもトップレベルの環境への配慮が認められたHARUMI FLAGは、2024年3月に予定される全体街びらきに向けて、これからの都市生活のフラッグシップになる街を目指して開発を進めて参ります。
※市街地再開発事業において整備する建築物を、施行者(東京都)に成り代わり民間事業者が建築できる制度で参画した事業者
HARUMI FLAGが取得した環境認証(各ロゴマーク)
左から、「LEED-ND」、「SITES」、「ABINC ADVANCE」、「CASBEE-街区」
1. 今回取得した認証について
■「LEED-ND計画認証」GOLD認証
最高クラスのビルト・エンバイロメントを作るための戦略や、それをどう実現させるかを評価するグリーンビルディングを、GBCI(Green Business Certification Inc.)が認証します。具体的には、コストや資源の削減を進めながら人々の健康に良い影響を与えうることに配慮し、再生可能なクリーンエネルギーを促進している建築物を対象に評価・認証を行います。
今回認証された「LEED-ND」は、複合的なエリア開発(Neighborhood Development)の計画段階から設計・施工までを評価するものです。本事業では、計画認証としてPLATINUMに次ぐGOLD認証を取得しました。
■「SITES予備認証」GOLD認証
ランドスケープのサステナビリティを評価する米国の認証で、GBCI(Green Business Certification Inc.)が評価します。計画・設計に内容だけでなく、敷地の選定やアセスメント、施行時、施行後の運用維持管理までが対象となり、生物多様性保全や水資源保全、省エネルギー、資源循環、ヒートアイランド現象緩和、健康増進、教育など多面的な要素を評価します。
本事業では、都市開発における日本初の予備認証として、PLATINUMに次ぐGOLD認証を取得しました。「LEED-ND計画認証」と「SITES予備認証」を同時に取得することは世界初となります。
■「ABINC ADVANCE」
自然と人との共生を企業活動において促進することを目的に作られた認証制度です。
一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブが作成したガイドラインなどを基準として、企業における生物多様性に配慮した緑地づくりや管理利用などの取り組みを、一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)が評価・認証します。
本事業は、「ABINC ADVANCE」の認証取得第一号物件となります。
■「CASBEE-街区」
市街地再開発や郊外の住宅地開発などの開発行為(計画)を評価するツールとして2005年に開発された「CASBEE-まちづくり」の改訂版です。一般社団法人建築環境・省エネルギー機構がその内容を評価・認証します。
本事業では、「CASBEE-街区」の最高位であるSランクを取得しました。これは、マンション開発を中心とする事業としては、国内初となります。
2. 評価された取り組みの一例
(1)ランドスケープにおける様々な環境配慮の取り組み
ランドスケープデザインにおいては、地域植生や経年変化に配慮した緑地計画を行いました。重点エリアを各街区に定め、在来種の比率を60%、全体で50%確保する植栽計画としています。また外溝計画では、水景施設を整備しますが、灌水に必要な水量を水景施設側で確保し、夜間を中心にその水を撒くことで、上水使用量を低減させる「ハイブリッド灌水・水景システム」を採用しました。こういった取り組みはABINC ADVANCやSITESで高く評価されています。
(2)アクセス性が高く、オープンスペースの豊かな街並み
広大な開発面積において、適切な建物規模での配棟計画を行いました。各街区に2本の貫通通路を設けることで建物を分節するとともに、高いアクセス性を実現しています。また、これによって、122m以下の交差点出現頻度と186.7個/km2の交差点密度という非常にアクセシビリティの高い街となり、一般に開かれた街並みがLEED-NDやCASBEE-街区で高い評価を受けました。
(3)スムーズな移動が可能な歩行空間と自転車専用レーンの設置
この街の歩行空間は、官民の境界をまたぎ、広幅員で緑も豊かに整備されます。さらに自転車レーンの整備など、安全でスムーズな移動が可能である点や、シェアサイクル網の充実などの計画は、LEED-NDやCASBEE-街区の求める街作りに合致しています。
(4)水素エネルギーの活用
東京都都市整備局およびエネルギー事業者と連携し、周辺に整備される水素ステーションからパイプラインを通じて、各街区に設置される純水素型燃料電池に水素を供給し、共用部電力として活用します。またAEMSによって、エリア全体でエネルギー需給状況を把握し、様々なエネルギー削減や最適化を目指します。加えて、全住戸にエネファームを導入し電力自給率の高い住宅を整備することで、20%以上の省エネ効果を実現し、LEED-NDやCASBEE-街区から高い評価を得ています。