古着や傘などをモティーフにした繊細なインスタレーションを手がける平野薫 美術館での初個展「記憶と歴史」で新作展示
(右)《untitled -rain Nagasaki-》 2018年 素材:傘
撮影:Ken Kato ©Kaoru Hirano
《machine》2018年 素材:工業用ミシン、ミシン糸、電動シリンダ、制御盤
撮影:Ken Kato ©Kaoru Hirano
平野は、1970年頃に倉敷の工場で使用されていた工業用のミシンと、廃業した縫製工場に保管されていた大量のミシン糸を入手し、それらを組み合わせることで新たなインスタレーションを制作しました。このミシンは、戦時中の重機製造にルーツ
をもつメーカーのものです。
■ベルリン、広島、長崎 ―3つの都市の歴史が交差するインスタレーション
1. 《untitled -rain DDR-》 2014年 素材:傘
2. 《untitled -rain Hiroshima-》 2018年 素材:傘
3. 《untitled -rain Nagasaki-》 2018年 素材:傘
◆平野 薫(ひらの・かおる)
1975年長崎県生まれ。広島市立大学大学院修了(2003年)。古着などを糸の一本一本にまで解き、再構成する繊細なインスタレーションを手がける。第1回shiseido art egg賞受賞(2007年)。ACC日米芸術交流プログラムによりニューヨークにて研修(2008年)、文化庁新進芸術家海外研修制度によりベルリンにて研修(2009年)、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリンにて研修(2010年)。主な展覧会に、「Re-Dress」SCAI THE BATHHOUSE(東京、2012年)、「服の記憶」アーツ前橋(2014年)、「交わるいと」広島市現代美術館(2017年)など。
■ポーラ美術館について
2002年に神奈川県箱根町に開館。ポーラ創業家2代目の鈴木常司が40 数年間にわたり収集した、西洋絵画、日本の洋画、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など総数約1万点を収蔵。
・開館時間:9:00-17:00(入館は16:30 まで)
・休館日:無休(展示替えのための臨時休館あり)
・所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
・TEL:0460-84-2111