三井不動産とセンスウェイ、全国規模のIoT環境構築へ向けて事業提携。IoT環境整備によりリアルエステートテック活用を推進
―電気メーター遠隔検針の実証実験を開始―
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 菰田正信)とセンスウェイ株式会社(東京都中央区、代表取締役社長 神保雄三)は、全国規模のIoT環境構築へ向け2018年6月15日に事業提携契約を締結しました。快適なオフィス環境や居住環境の実現および様々な社会課題の解決に取り組むため、三井不動産はIoT活用を検討するワーキンググループを部門横断で結成し、センスウェイとともにユースケースの発掘および実証実験を通じたサービス化の検証に取り組んでいます。それに先駆け、三井不動産とセンスウェイは日本橋エリアのビルを対象にした検針作業の自動化・遠隔管理に関する実証実験を2018年9月1日より実施します。本実証実験を3か月間実施し、その後、全国の三井不動産が管理するビル等にて検針作業の自動化・遠隔管理の実施を目指します。■IoT環境から新しいマーケットおよび価値を創出していきます
三井不動産とセンスウェイは、IoT普及に貢献する通信方式であるLPWA※1の「LoRaWAN™」※2のゲートウェイ設備(センスウェイが提供するアンテナ)を三井不動産グループが管理する高層ビル等の屋上に設置し、IoTプラットフォームサービス活用の取り組みを開始しています。「LoRaWAN™」は、長距離・低消費電力のデータ通信を実現することができるIoT向け無線通信技術であり、大量のセンサーを無線でつなぐことができるため、IoT社会の拡大に貢献すると期待されています。
三井不動産とセンスウェイは、2018年2月に、柏市および東京大学らとともに、街づくりにおけるIoT活用を考えるために、IoTのサービスやソリューションを募る「柏の葉IoTハッカソン」を開催しました。その際に、三井不動産グループが運営する三井ガーデンホテル柏の葉にて、ゲートウェイ(アンテナ)を設置し、東京・千葉・茨城をつなぐ広域なIoT通信ネットワークを構築しました。
今回、取り組みをさらに拡大し、他のエリアにおいてもIoT通信ネットワークを構築すべく、三井不動産グループが管理する日本橋三井タワーやパークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー ウエストなどにセンスウェイのゲートウェイ設備(アンテナ)を設置しました。2018年9月までに、東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県にわたる三井不動産グループが管理するビル等15箇所にゲートウェイ(アンテナ)設備の設置を予定しており、様々なエリアで実証実験を行うための通信ネットワークの構築を進めてまいります。
三井不動産はセンスウェイとともにIoT環境を構築していくと同時に、街、オフィス、住宅などのリアルな空間でのデータの蓄積と活用を通じて、リアルエステートテックを推進し、新しいマーケットおよび価値を創出していきます。
※1:LPWA:Low Power Wide Areaの略。消費電力を抑えて、長距離のデータ通信を実現する通信方式です。
※2:LoRaWAN™:全世界で500以上の通信キャリア・企業が加盟するLoRa Alliance™により、規格・仕様が策定されているグローバルでオープンなIoT向けの無線規格です。
■日本橋エリアでの電気メーター検針作業の遠隔管理・自動化に関する実証実験
今回の実験では、ビル管理における検針業務の効率化やテナント企業のエネルギーマネジメントのために、電気メーターのデータ収集と可視化をLPWAの「LoRaWAN™」を用いて実現します。従来、月1回の頻度でビル管理者が現地にて検針作業を行っておりましたが、電気メーター検針作業の遠隔管理・自動化により、作業の手間の削減(人件費等のコスト削減)、正確性の向上を図るとともに、テナント企業へのサービスとして、1時間単位での電気利用量の可視化ができるようになります。
今回の取り組みでは大崎電気工業株式会社が開発するスマートメーターをビルに設置し、センスウェイのネットワークサービスを通して、クラウドにデータを蓄積していく仕組みを構築します。検証場所はClipニホンバシビル (東京都中央区日本橋本町)他において、2018年9月から3か月間実施し、効果の検証結果をもとに、サービス化を進め、日本全国のビルへの展開に向けた検討を進めていきます。
■実証実験概要
主 催 :三井不動産株式会社、センスウェイ株式会社
技術協力:大崎電気工業株式会社
目 的 :検針員が各ビルを訪問して電気やガスなどのメーター確認を行っている
検針作業に必要な人件費等のコスト削減の検証
期 間 :2018年9月~2018年11月
場 所 :Clipニホンバシビル(東京都中央区日本橋本町)他
内 容 :
(2)Clipニホンバシビルに、大崎電気工業株式会社と連携しスマートメーターを設置
(3)電力利用状況の可視化および検針業務の効率化に寄与することを確認
■三井不動産株式会社 [WEB]http://www.31ventures.jp/
三井不動産は、国内外の多岐にわたる事業領域をいかし、「コミュニティ」「資金」「支援」の 3 本柱でベンチャー企業との新産業の創出を推進しています。柏の葉キャンパスエリアでは「柏の葉スマートシティ」としてまちづくり事業を進めており、まちづくりのテーマの1つである「新産業創造」に向けた取り組みとして、2018年2月にはセンスウェイらとともに柏の葉キャンパス駅の街づくりの課題を解決する「柏の葉IoTハッカソン」を開催。2018年6月には、「柏の葉IoTビジネス共創ラボ」を設立し、IoTビジネスに関心の高い企業および個人のコミュニティ醸成、IoTビジネスの事業化と実証の支援を推進していますが、その取り組みを他のエリアにも展開し、リアルエステートテック(不動産tech)を推進するため、IoT活用を検討する社内ワーキンググループを結成し、部門横断で、新たなマーケットおよび価値を創出していきます。
■センスウェイ株式会社 [WEB]https://www.senseway.net/
センスウェイはIoTに必要な通信である長距離・低消費電力のLPWAのLoRaWANを使ったIoTプラットフォームを提供しています。センスウェイの持つLoRaWANの技術力を背景に、ビジネス開発コンサルティングや、IoT通信プラットフォームサービス「Senseway Mission Connect」を提供しています。
「Senseway Mission Connect」はIoT通信プラットフォームサービスで、誰でもWebページで登録いただくだけで簡単に通信サービスが利用でき、Webの管理画面で接続したIoTデバイスの管理も可能です。初期費用も不要で、1デバイスあたり月額30円から提供します。
・Senseway Mission Connect : https://service.senseway.net/