ギリアド・サイエンシズ 日本肝臓学会総会にて 難治性C型慢性肝炎の日本人患者における ソホスブビル/ベルパタスビルの新たな臨床データを発表
直接作用型抗ウイルス剤治療不成功の患者と
非代償性肝硬変患者における臨床試験成績
ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ルーク・ハーマンス)は、本日、全ジェノタイプのC型非代償性肝硬変患者を対象にしたソホスブビル/ベルパタスビル配合錠(SOF/VEL)単剤またはリバビリン(RBV)との併用で投与した試験成績、および直接作用型抗ウイルス剤(DAA)治療不成功のジェノタイプ1又は2のC型肝炎ウイルス感染患者を対象にしたSOF/VELとRBVを併用した試験成績を明らかにしました。これらの試験は、SOF/VELの日本での承認申請の根拠資料となるもので、現在治療の選択肢がないか、非常に限られているこれら患者層のいずれにおいても、高い著効率を達成しました。詳細な試験結果は、大阪で開催される第54回日本肝臓学会総会で発表されます。ギリアド・サイエンシズ株式会社代表取締役社長のルーク・ハーマンスは、次のように述べています。「DAA製剤は日本のC型肝炎治療に劇的な進歩をもたらましたが、非代償性肝硬変の患者さんや、再治療を必要とする患者さんに適した有効で忍容性の高い治療法に対するアンメット・ニーズはいまだ高い状況です。今週発表するデータは、治療が困難であったこれらのC型肝炎に対する治療薬としてのSOF/VELの有用性を裏付けるもので、日本における本剤の承認申請の根拠データとなります。本剤の承認が得られれば、このような難治のC型肝炎の患者さんに新たな希望をお届けすることができます。」
C型非代償性肝硬変におけるSOF/VEL
全てのジェノタイプのC型非代償性肝硬変患者(Child-Pugh-Turcotte[CPT]分類B[スコア7~9]又はC[スコア10~12])を対象とした非盲検第III相試験において、102例の患者がSOF/VEL(400mg/100mg)を12週間投与する群とSOF/VELとRBVとを12週間投与する群のいずれかに1:1の比で無作為に割り付けられました。CPT分類Bの患者に対してはRBVの用量を体重にもとづき設定し、体重60kg以下の患者は600mg、60kg超80kg以下の患者では800mg、80kg超の患者は1000mgとしました。CPT分類Cの患者は全てRBVの用量を600mgとしました。ベースライン時点では、患者の77%(n=79)にCPTクラスBの肝硬変、20%(n=20)にCPTクラスCの肝硬変がみられました。
試験では、SOV/VEL又はSOV/VELとRBVとを併用投与したいずれの群においても、92%の患者がSVR12(治療終了後12週時点のウイルス量が検出限界未満)を達成しました。また、SVR12を達成したSOF/VEL群又はSOV/VELとRBV併用群の患者の26%(24/91)で、投与終了後12週時点でのCPTクラスがベースライン時と比較して改善しました。
発現率が10%を超えた有害事象は、SOV/VEL群では鼻咽頭炎(14%)、SOV/VEL+RBV群では貧血(39%)と下痢(14%)でした。詳細な結果は、6月15日に口頭発表(演題番号0-230)される予定です。
DAA治療不成功のジェノタイプ1又は2型のC型慢性肝炎におけるSOF/VEL
DAA治療を受けても著効が得られなかったジェノタイプ1又は2型のC型肝炎の日本人患者を対象とした非盲検第III相試験では、患者はSOF/VEL(400mg/100mg)とRBVとの併用療法を12週間投与する群と24週間投与する群のいずれかに1:1の比で無作為に割り付けられました。試験には、NS5A阻害剤を含むDAA製剤を投与されたジェノタイプ1型のC型肝炎患者と、DAA製剤を投与されたジェノタイプ2型のC型肝炎患者が参加しました。24週間のSOF/VELとRBVとの併用で97%(58/60)の患者がSVR 12を達成し、12週間のSOF/VELとRBVとの併用で82%(47/57)の患者がSVR 12を達成しました。
SOF/VELによる再治療の忍容性は良好でした。12週投与群及び24週投与群ともに、主な有害事象は、ウイルス性上気道感染(28%)、貧血(23%)および頭痛(11%)でした。治験薬に関連する重篤な有害事象はみられませんでした。上記のデータは、米国ワシントンDCにて開催された米国肝臓学会議(The Liver Meeting® 2017)ですでに発表されています。
6月15日に開催される日本肝臓学会総会では、同試験の2件のサブ解析結果の口頭発表が行われます(演題番号0-189及び0-190)。1件目のサブ解析では、NS5A阻害剤の有効性への影響が考えられるベースライン時のNS5A薬剤耐性変異(RASs)の存在は、SOF/VELの治療結果に影響を及ぼさないことが示されました。以前にNS5A阻害剤による治療を受けたジェノタイプ1型の患者のうち、97%にNS5A RASsがみられ、85%に複数のNS5A RASsがみられました。SOF/VELとRBVを24週間併用投与した患者群のうち、NS5A RASsの個数が0、1および2以上のサブグループのSVR12率はいずれも98%以上で、差は認められませんでした。
2件目のサブ解析では、SOF/VELとRBVとの併用24週間投与は、以前に治療を受けたDAAの種類に関係なく、高い有効性と忍容性を示しました。ジェノタイプ1型の患者の83%がダクラタスビルとアスナプレビル(DCV+ASV)の、また、23%がレジパスビル/ソホスブビル(LDV/SOF)の治療歴を有していました。ジェノタイプ2型の患者の92%がSOFの治療歴を有し、ほとんどがRBVを併用していました。ジェノタイプ1型で、試験参加前にLDV/SOF又はDCV+ASVの治療歴を有し、本臨床試験で再治療を受けた患者のSVR12は、それぞれ100%および98%でした。
日本においては、SOF/VELは開発段階にあり、その安全性と有効性は明らかにされていません。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、医療ニーズがまだ十分に満たされない分野において、革新的な治療を創出、開発、製品化するバイオファーマ企業です。会社の使命は、生命を脅かす疾病を抱える世界中の患者さんのために治療の変革と簡略化をはかることです。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35か国以上で事業を行っています。
将来予想に関する記述
本プレスリリースは、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、SOF/VELの他の臨床試験で好ましくない結果が得られる可能性や、厚生労働省がSOV/VEL配合剤の承認申請を却下するリスク、たとえ承認されても大きな制限が課されるリスクなどの、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があります。これらのリスクや不確定要素、その他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。将来予想に関する記述のみに依拠することはお控えください。これらのリスクやその他のリスクについては、米国証券取引委員会に提出している、2018年3月31日までの四半期のギリアド社四半期報告書(フォーム10-Q)で詳細に説明しています。将来予想に関する記述はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。