がん患者さんと医療者のより良いコミュニケーションを支えるための冊子「手をつなぐ。」公開のお知らせ

ノバルティス ファーマ株式会社

~2月4日は世界対がんデー~

ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)とNPO法人 がんと共に生きる会(理事長:佐藤 愛子)は、2月4日の“世界対がんデー”に向けた啓発活動の一環として、がん患者さんと医療者のより良いコミュニケーションを支えるための冊子「手をつなぐ。」を作成し、公開しました。弊社ウェブサイト(https://www.novartis.co.jp/)内の「こころのサポート」ページ(https://www.novartis.co.jp/our-work/disease/kokoro)から本冊子をダウンロードしてご覧いただけます。



日本人の2人に1人が生涯でがんに罹患するといわれており、2017年の日本のがん患者数は約101万人、がん死亡者数は約38万人と予測されています[1]。また、高齢化を背景に今後もがん患者は増加する見通しです。こうした状況下で、シェアード・ディシジョン・メイキング(共有意思決定)、セカンドオピニオンなど、がん患者さんと医療者の双方が対話を通じて治療方針を決めることが重要となります。

一方で、患者さんと医療者のコミュニケーション不足が原因で、治療への不信感や、治療法への決断・行動に迷いが生じることがあり、いまだ、医療者と患者間のコミュニケーションは課題となっています。

本冊子で紹介している、200名のがん患者さんを対象にした医療者とのコミュニケーションについての調査から、患者さんが医療者に期待していることは、「優しい口調で話してほしい」、「大変だねと共感してほしい」など心のケアを望む“情動的支援への願望”であることが分かりました。(図1)

「手をつなぐ。」では、患者さんと医療者の双方が納得いく治療を実現するために、調査データからわかった意思疎通の失敗例や成功例、そしてどうすれば良好なコミュニケーションができるかについての患者さんと医療者の意見、さらにはチーム医療についても紹介しています。この冊子を通じて、患者さんと医療者の「伝えたつもり」、「言えなかったこと」という状況を改善し、患者さんにとって納得のいく治療を選択するための一助になることを願っています。

図1 「患者が感じた医師のコミュニケーション力」


データ出典:「患者による医師のコミュニケーション行動と評価について」 
調査期間: 2015年12月~2016年12月、 調査方法:書面およびWEBでの調査、
調査・分析協力:NPO法人 がんとともに生きる会、 NPO法人 大阪がんええナビ制作委員会、 
調査揚力者: 200名(男性:70名、女性130名)、回答者の年齢:21~87歳(最多40歳台)

本冊子の監修医である和泉市立病院 総長 腫瘍内科 福岡 正博氏と、近畿大学医学部 医学科准教授 鶴谷 純司氏は、本冊子作成にあたり次のように述べています。

■和泉市立病院 総長 腫瘍内科 福岡 正博氏
「私達医療者は、丁寧に患者さんに治療方法などを伝えたつもりでも、患者さんからすると全く話を理解できず、もっと質問したかったなど、医師の『伝えたつもり』、患者さんの『言えなかった』という両者のコミュニケーション不足が医療現場において、大きな課題となっています。本冊子では、医療者側、患者側での考え・思いなどを知ることで、両者のコミュニケーション不足の改善に役立つだけではなく、治療に対する満足度の向上にも寄与することを思っています」

■近畿大学医学部 医学科准教授 鶴谷 純司氏
「がん医療において、患者さんと医療者との間のコミュニケーション不足は、患者さんの日常生活に大きなストレスを与え、ときには治療選択を誤らせるほど影響が大きいといわれています。本冊子では患者さんが医師とのコミュニケーションをする上で、期待することや、医師が患者に対して感じている悩みなど、両者のコミュニケーションを円滑にするヒントが紹介されています。両者の“想い”を理解することで、がんと診断されていても安心して暮らせる社会を築きましょう」

また、本冊子の企画・制作協力であるNPO法人 がんと共に生きる会も、本冊子作成にあたり次のように述べています。

■NPO法人 がんと共に生きる会
「患者さんにとって、医師からの“言葉”は今後の治療に取り組む姿勢など、患者の予後に大きく影響しています。患者さんは医師からネガティブな思いを一掃して、なおかつ後押ししてくれる言葉を求め、医療者はより患者さんに寄り添うなど、両者の立場を理解し、歩み寄ることが重要です。本冊子は患者さんが、医師と上手に意思疎通できなかったことで、お薬の飲み忘れや飲み違え、他の治療法の失念など、患者の重大な予後に関わる医師とのコミュニケーションに焦点を置いています。医療者と患者さんの目線の違いを理解し、医療者とのコミュニケーション課題を解決することで、患者さんやご家族にとって最良の医療を受けられることを願っています。本冊子をひとりでも多くの方に活用していただければ、幸いです」

ノバルティス ファーマでは、治療薬の提供のみならず、がん患者さんの生活やこころ、コミュニケーションなど幅広い支援に取り組んでおり、本冊子も含め、さまざまなサポート冊子や情報をウェブサイト上で提供しています。また、弊社ウェブサイトでは、さまざまな患者さんのストーリーをテキストと動画で紹介しています(https://www.novartis.co.jp/stories)。こうした情報が、がん患者さんやご家族にとって、よりよい生活を送るためのヒントとなることを願っています。

参考文献
[1].    国立がん研究センター がん情報サービス 2017年のがん統計予想

■ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2016年の売上高は485億米ドル、研究開発費は90億米ドルでした。ノバルティスは約121,000人の社員を擁しており、世界約150カ国以上で製品が販売されています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp

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